ウィーゼル・ウォルター+クリス・ピッツィオコス『Drawn and Quartered』(One Hand Records、2014年)を聴く。クリス・ピッツィオコス本人から購入し持ち帰ったLP盤、150枚限定プレス。
Weasel Walter (ds)
Chris Pitsiokos (as)
ここで、ピッツィオコスはこれまでの『Maximalism』や『Paroxysm』以上に多様な姿と貌をみせる。
A面の「Hanged」と「Drawn」では、ウォルターが肉体の内部から内部を叩くようなくぐもった音のドラムス。その横で、ピッツィオコスは小鳥のようにさえずり、鵺のように叫ぶ。一転してB面の「Quartered」では、陽の射さない藪の中に棲息する虫のように鳴く。ピッツィオコスがメタモルフォーズする対象として想像させるものは生き物だけではなく、音そのものでもあるように思える。
圧倒されるばかりのピッツィオコスの演奏。次の作品(2015年7月)が楽しみでならない。
●参照
クリス・ピッツィオコス@Shapeshifter Lab、Don Pedro
クリス・ピッツィオコス『Maximalism』
クリス・ピッツィオコス+フィリップ・ホワイト『Paroxysm』