気が向いて、エラスムス『痴愚神礼賛』(中公文庫、原著1511年)を斜め読み。
オランダ生まれのデジデリウス・エラスムスはルネッサンス期の大知識人であり、それにも関わらず(それだからこそ)、このような奇書をものした。
最初から最後まで、痴愚女神が、権威主義的なカトリック界や賢人なる者を徹底的に莫迦にし、笑い飛ばす。なるほど、ここまで言われてはセンセーションにもなるわけだ。本書はひとり歩きして、マルティン・ルターの宗教改革にも貢献することとなった。
確かに、本書の現代日本版があらまほしきことなり。