Sightsong

自縄自縛日記

ガトー・バルビエリの映像『Live from the Latin Quarter』

2011-10-15 09:16:21 | アヴァンギャルド・ジャズ

ガトー・バルビエリのDVD、『Live from the Latin Quarter』(Image Entertainment、1999年録画)を観る。ガトーは1932年生まれだというから、このとき60代後半である。

ジャケット写真と実際の映像とは違うのだが、まあ似たような伊達男ぶりで、黒い帽子、サングラス、赤い柄物のマフラー、はだけた胸元と胸毛、ぴしりと折り目のついたズボン、サックスを吹きながらも手からはなさない煙草。『LEON』のチョイ悪オヤジなんてどこかに吹き飛んでいくし、「スターにしきの」よりも遥かにエグい。

コールマン・ホーキンスとはまた個性の違う塩っ辛いサウンドは相変わらずだ。いきなりロングトーンばかり、うわこれはずっとロングトーンで通すつもりかこのオヤジ、と怖れながら聴いていると、一応細かなフレーズもまじえてくる。そしてときどき意味不明な叫びを発する。ほとんどこれは、最初から最後までクライマックスのようなものだ。もしかするとこのオヤジは、黒メガネの向こう側で、自ら感涙を浮かべているのではないか。

そして十八番の「Last Tango in Paris」。これまでヨアヒム・キューンのピアノトリオによる演奏が好きだったが、やはり本家は盛り上がる。

黙っていてもここまで意味不明な存在感を発散できれば本望である、キャラ違いの私には永遠に無理だろうが。

●参照(ガトー・バルビエリ)
ザ・ジャズ・コンポーザーズ・オーケストラ
ドン・チェリーの『Live at the Cafe Monmartre 1966』とESPサンプラー
スペイン市民戦争がいまにつながる


スマホ版「JAZZRADIO」が素晴らしい

2011-10-15 06:39:25 | アヴァンギャルド・ジャズ

気が付いたら周囲がみんなスマホユーザーになっていて、自分の携帯も2年の支払い期間が過ぎたこともあって、スマホに切り替えた。iphoneよりは随分画面の大きいタイプで、これでもうipad要らずだと勘違いしている。

いろいろアプリを探索していると、「JAZZRADIO」というインターネットラジオを発見した。

これがなかなか素晴らしい。通勤途中は聴きっぱなしだ。

「ビバップ」、「ハードバップ」、「サクソフォン・ジャズ」などとカテゴリが随分と再分化されていて、なんと「アヴァンギャルド」もある。昨日の1時間ほどで覚えている限りでは、サム・リヴァース(トニー・ウィリアムスと共演)、キース・ジャレット(インパルス時代)、デイヴィッド・マレイ(ヘンリー・スレッギルが入ったオクテット)、ジョー・ヘンダーソン(エルヴィン・ジョーンズと共演)、アンソニー・ブラクストン、エヴァン・パーカー、アブドゥーラ・イブラヒム、それから知らない面々、アヴァンギャルドじゃないだろ!と言いたくなる人もいるが、野暮なことは言わない。まったく飽きないのだ。パソコン版もあって(>> リンク)、いま聴いていたらトマス・チェイピンが登場した。嬉しいなあ。

音質が良く、他の局のように立ち上がりに時間がかかったり途切れたりすることはほとんどない。地下鉄の駅間ではさすがに聴けなくなるが、それでも結構持ちこたえてくれる。ダウンロードも聴くのもすべて無料、おススメ。