2018-19 シーズン総括 選手寸評[1] GK&監督編 + 新加入選手情報!!

2019-07-28 02:27:29 | ほぼ週刊サンプ通信 '18-'19

今日サンプはPonte di Legnoのキャンプを打ち上げた。毎年、いつかはサンプのこの夏のキャンプを観に行ってみたいと思っているのだが、今年も結局その夢はかなわなかった。確か5年目なるこのPonte di Legnoでのキャンプ。ハーフジップのトレーニングを着ている選手もいるぐらいだから、この真夏ながらある程度涼しい高原地なのだろう。ここなら家族のバカンスと言う事で喜ばせ、イタリアのザ・ど田舎を体験させながら選手のサインを貰いまくれる。ずっとそうは思っているのだが、なんせ東京から10000㎞のところに行くのはそう簡単ではない。

こんなタイミングで昨季の総括をするなんて我ながら頭がおかしいんじゃないかとは思うが、なかなか更新をサボっていたからしょうがない。ただ今まさに佳境になりつつある今年の補強を見る上でも昨季との対比は重要。仮に1年後にこの記事を読み返す事があれば、この遅さは大した問題にならないと思うので今更昨季を振り返りつつメルカートをリアルタイムに見ていきたいと思う。ちなみに7月29日(月)にセリエAの日程が発表されるが、開幕戦は8月24,25日の土日のところ。そしてサンプの公式戦デビューはその前の週の日曜に、ここ数年通りTIM CUPでスタートする事が決まっている。夏のメルカートの期限は9月2日(月)夜20:00(もちろんイタリア時間)まで。一方冬のメルカートは1月2日~1月31日までと発表されている。

さて、まずは2018-19シーズン総括 監督&GK

 

監督 マルコ・ジャンパオロ 6.5 3年目となる昨シーズン。結局前半戦は良くて後半戦失速するというサンプでのジャンパオロ政権を完結するシーズンとなってしまった。前半戦、18節が終わった時点では5位。2018年最終戦の逆賊ユーヴェ戦でVAR粗探し名人の努力の結晶とも言えるゴール取り消しにより悔しい負け方をしたが、全然まだまだEL、下手すればCLまで狙える位置で前半戦を終えた。前年より得点は増加、失点は減少。さらに課題のアウェイも少しは勝てるようになった。しかし激変は無かった。もちろん私個人的にはジャンパオロのサッカーは大好きで、現在のサンプの補強でジャンパオロが指揮を取った時の限界なのだとは思う。もっと良いスカッドを与えれば更なる結果を出す監督だとは思う。退任も決まった事だし、3年間のトータルで良い点と悪い点を振り返る。

良い点

・強豪相手にもブレずに細かくショートパスを繋ぐポゼッションサッカーを貫く

・掛川西校ばりの細かいフラッシュパスが決まった時の美しい流れの中からの得点

・ゾーンをコンパクトに保ち、4バックが連動して組織で守る守備

・DERBY6戦で4勝2分け、負け無しと言う素晴らしい結果

・若手の積極的な登用・育成

悪い点

・格下に引いて守られた時、ボールは持てるが無意味なパス回しで終わるケースが多い

・そうなった時の効果的な打開策が乏しい

・トップ下を潰される、もしくは調子が悪いと攻め手が激減

・これは個人的にだが、GKからの細かい繋ぎはハラハラするだけで、あまり効果的だった事が無い気がする

・サパタを放出した事

2017-18シーズンが間違いなくキャリアハイだと思っていたクアリアレッラが更なる進化を遂げて得点を量産し続けて得点王までになる。これは間違いなくジャンパオロの功績だろう。18-19シーズンはまさに彼の為にあったシーズンで、彼が失速すると勝てなくなった。その相棒に、ジャンパオロは自分のサッカーに合わないという事でサパタを切ってデフレルを取った。大反対だったがデフレルも序盤は活躍して、私はジャンパオロに「やっぱりごめんなさい」と言おうと思った。しかし最終的にはサパタが爆発してアタランタがCLに行った。この点に関しては私はジャンPの責任が4割、フロントの責任が6割だったと思う。ジャンパオロがサパタを使いこなせなかったのはまぁしょうがないにしろ、直接のライバルのアタランタにしかも大した金額でなく売ったのは最大の失敗だ。今シーズンのアタランタの躍進はサンプの責任が大きい。

 さて、ジャンパオロは残念ながらミランに行ってしまって代わりにディフランチェスコが来る事になった。個人的には様々な候補が上がっていた中では一番良い選択をしてくれたとは思っている。ただ、キャンプが始まるとかなり不安な面も出てきた。ディフラのコメントを聞いてると、やたらウィングやサイドハーフに「とにかくピッチをワイドに使えと言ってる」と言う発言が多い。4バック、攻撃的なサッカー、若手を上手く起用するなどの類似点が多いと思っていたが、ジャンPとディフラでは実は真逆な点も有ったのだ。中盤の4人をコンパクトにして、細かいパス回しで中央から攻めるジャンパオロ。それに対してディフランチェスコは4‐3‐3で、中盤もFWもワイドにピッチを使って、そこからクロスなりカットインや対角線のラストパスで攻めていく。中央に密集するのに慣れていた選手がディフラに言われるのは当然だろう。

仮にジャンパオロが4年目も続投していたら、メルカートの結果である程度順位は予想できたんだと思う。ただ今年は、今後のメルカートでどういう選手が取れるかもかなり影響するし、ディフラのサッカーがフィットするかしないかもわからない。だから両極端の可能性がある。久々にドキドキのシーズンとも言えよう。最近でいうと、デルネーリがサンプを率いたシーズンのようになれば良いなぁと思っている。

さてウィングは誰になるのでしょうか??

 


 GK編

GK 1 エミル・アウデーロ 7.5 この若きイタリアU-21代表GKに賭けたサンプは正解だった。まず、面構えが良い。22歳とは思えないほど、ベテランとかにミスしたら怒る。負けん気も強いだろうし、若さなりの素晴らしい反射神経で幾度もピンチを救った。珍しくやらかした試合が33節のボローニャ戦ぐらいかな?あとはシーズン通して安定していた。ユーヴェから2000万ユーロ(その内400万は個人的に期待していたプリマヴェーラのピータースを譲渡)で買い取りと言う英断をサンプがしたのは称えたい。正直まさかGKにこの金額、しかもやや先行投資的にユーヴェにこの金額を払ってアウデーロを買ってくれるとは思わなかった。いざ買ってくれちゃうと、ちょっと高過ぎるなじゃないか?とか思ってしまうが、素直に喜ばないとバチが当たる。これで引き抜かれるまではGKは安泰だろう。

課題は、足元の技術が少し不安。ジャンパオロにものすごく細かいパス回しをやらされていたが、シーズン中いつかは失点につながるやらかしをするんじゃないかと思っていたが、意外と乗り切った。あとPKを少し止めてくれれば。前任のヴィヴィアーノがPKストッパーとして最後神がかっていたから余計そう思ってしまうのだろうが。イタリアアンダー代表でもナポリのメレトとのレギュラー争いに現時点では負けているので、まだまだ成長していって欲しい(36試合/51失点)

GK 33 ラファエル・カブラウ 6 ナポリから加入したが、アウデーロとの争いに敗れて第2GKとしての役割を全う。シーズン最後の2試合とTIM CUPで出場機会をもらったが、やはりアウデーロと比べると見劣りした。ただその2試合で結果無失点なのと、性格が良くて第2GK向きなのを含めて6点をあげよう。ブラジル代表経験があったり、何気に経験値はアウデーロより有るのだから良い兄貴分的に今後もサポートしてくれれば。(2試合/0失点)

GK 72 ヴィド・ベレッツND 17-18シーズン、プッジョーニとトレードで第2GKとして冬のメルカートでベネヴェントから加入。2シーズン目となったが、第2から第3GKに格下げとなって全く出番はなかった。一応スロヴェニア代表ではあるが、そちらでも第3GKを務める。さすがに移籍が決まって、来季はギリシャリーグのアポエルでプレーする。サンプ魂を胸に、頑張って!(0試合/0失点)

*さて、ここでGKのメルカート情報を少し。

2019-20シーズンのGK陣はもう陣容が固まってこれ以上動かないだろう。第3GKのベレッツが移籍して、レンタルバックのファルコーネが第3に。そして期待の17歳のロレンツォ・アヴォガドリをアタランタからレンタルで獲得。とりあえずプリマヴェーラの正GKか?化けそうなら買い取り交渉するのかな?そしてずっと第3務めたり、レンタル出されたりを繰り返していたトッツォはついにサンプから完全移籍で出て行く事が決まった。同盟国のテルナーナへ、3年契約で移籍。彼の年齢を考えるとラストチャンスだろうし、悪くないだろう。ちなみにFBで友達になっているが、めちゃくちゃ良いやつで奥さんがカワイイ。

In Bocca al Lupo ANDREA!!

 

IN

  • GKウラディミーロ・ファルコーネ(24) Wladimiro Falcone
   1995年4月12日 ローマ生まれ
   195㎝85㎏
   セリエCのルッケーゼからレンタルバック。ずっとサンプからレンタル生活が続くが、年齢的にもそろそろ正念場だ
  • GKロレンツォ・アヴォガドリ(17) Lorenzo Avogadri
   2001年8月21日 ベルガモ生まれ
   190㎝80㎏ 
   アタランタからレンタルで加入。まず名前が非常に覚えにくい。私事で恐縮だが、今仕事でギリシャのカラスミを売ろうとしていて、カラスミをギリシャ語でアヴゴタラホと言う。それと混ざってしまうのだ(関係ないか(;^_^))。サンプファン的にはこの年で話題になっているGKと言うと、”オレジーナの鷲”と言う異名で期待されていたヴィンチェンツォ・フィオリッロを思い出してしまうが、彼は結局サンプでは大成しなかった。そうならない事を祈る。


 
夏の練習試合
さて、最後にここまでの練習試合の結果とこれからの日程を少し。フォーメーションだけ載せておくので、現時点でのチーム状況を想像して楽しんでください。ちなみにここまでのディフラは一貫して4-3-3です。
  • 7月17(水) Sampdoria 15-0 Sellero Novelle 
前半 7′ 24′ 29′ 39′ Verre, 8′ Gabbiadini, 30′ Caprari, 38′ Murillo
後半 8′ Maroni, 10′ 27′ 40′ Bonazzoli, 38′ 39′ Sala, 43′ 44′ Thorsby.

<前半>    

カプラーリ  ヴェッレ ガッビアディーニ

ヤンクト          プラート(CAP)

       ヴィエイラ

アウジェッロ      ベレシンスキ

    コリー  ムリージョ 

      ラファエル

 ※ヴェッレが偽の9番!

 

<後半>    

 

マローニ ボナッツォーリ サーラ

リネッティ       トルスビー

     バッレート(CAP)

 

ムッルー        デパオリ

  チャボット フェラーリ

      ファルコーネ

※サーラが右のウィング!

去年も同じ相手で練習試合をスタートさせたが、去年は17-0だった

  • 7月20日(土)Sampdoria A 3-0 Real Vicenza A 30分ハーフ
後半16′ 30′ (pk) Ramirez, 20′ Praet.

カプラーリ クアリアレッラ(CAP) ラミレル

     (後半17分バーロウリ)

リネッティ(後半21分カペッツィ) プラート

       エクダル

ヤンクト           サーラ

   ムリージョ フェラーリ 

      ラファエル

 ※クアリア合流。プリマヴェーラからバーロウリが昇格・デビュー

  • 7月20日(土)Sampdoria A 8-2 Real Vicenza B 30分ハーフ

前半 4′ Bonazzoli, 14′ 19′ Verre, 18′ Vieira, 26′ Kyriakidis, 28′ Gabbiadini

後半 2′ (PK) Gabbiadini, 8′(PK) Konstantinidis, 20′ Vieira, 23′ Bahlouli.

マローニ ボナッツォーリ ガッビアディーニ

     (後半3分バーロウリ)

ヴェッレ(後半13分カペッツィ) トルスビー

     ヴィエイラ

アウジェッロ        デパオリ

  コリー ベレシンスキ(cap)

    ファルコーネ(後半17分アヴォガドリ)

※ベレのCBテスト、そしてキャプテン!

後半、バーロウリの胸トラ2回からオーバーヘッドのスーパーゴール。やはり只者ではない・・・

↓↓これがそのバーロウリ。私期待no.1の若手だ

© foto www.imagephotoagency.itより

  • 7月24日(水)Sampdoria 4-0 Pro Patria
前半 22′ Bonazzoli, 25′ Gabbiadini, 45′ Jankto
後半 45′ Bahlouli.

<前半>    

カプラーリ ボナッツォーリ ガッビアディーニ

ヤンクト        プラート(CAP)

      エクダル

サーラ         ベレシンスキ

    コリー  ムリージョ 

      ラファエル

 ※左SBが怪我で2人とも不在!

<後半>    

マローニ クアリアレッラ(cap) ラミレス

(25分バーロウリ)

リネッティ       トルスビー

     ヴィエイラ

ヤンクト(14分バッレート)   デパオリ

  コリー(14分レジーニ) フェラーリ

     アウデーロ

※イタリアU-21代表のEUROで合流が遅れたアウデーロ。この日が実戦デビュー

ヤンクトの左SB!

今後の日程
  • 8月3日(土)19:30 Sampdoria vs Monaco (stadio “Louis II”, Principato di Monaco)
  • 8月7日(水)20:30 Sampdoria vs Spezia (stadio “Picco”, Spezia)
  • 8月10日(土)20:30 Sampdoria vs Parma (stadio “Tardini”, Parma)

あっという間にキャンプも終わって、練習試合もあと3試合。その翌週はコパイタリア、そしてさらに翌々週は早くも開幕戦とあっという間だ。ちなみに練習試合は全てアウェイだが、ルイジ・フェラリスでは今、芝の張替え作業が行われている。イタリアの工事あるあるで、開幕に間に合うか微妙・・・少なくともコパ・イタリアはほぼ間に合わないのが確定のようで、他のところで3回戦を戦うハメになるようだ。


メルカートは前回の更新からはCBにコロンビア代表のムリージョ、そして左SBにアウジェッロを補強していてDF・MFはある程度整備されてきているが、とにかくディフランチェスコの肝とも言えるウィンガーの補強がなかなか決まらない。一番候補のナポリのヴェルディは、サンプは8月のセールを待っているとか。 

というわけで次回までに補強が進んでいる事を祈る!

Foooooooorza Saaaaaaaamp!!