2017-18 シーズン総括 選手寸評[1] 監督・GK編 + ちょっとだけメルカート&W杯情報

2018-07-06 14:59:28 | ほぼ週刊サンプ通信 '17-'18

世間はワールドカップで盛り上がっているが、一応それを見つつここでは今シーズンのサンプを振り返っていこうと思う。大分遅くなってしまったが。2018-19シーズンへの移籍市場は既に動き始めている。セリエAは今年からルールが変わって、メルカートは7/1~8/17の20時まで。8/17と言うのは開幕戦の前日で、これにより今迄みたいに開幕2試合ぐらい戦った後に移籍する事は無くなった。そして今年はW杯も有るので、その期間中は例年よりは交渉が進まないだろうし大分短くてあわただしい移籍市場になる事が予想される。ちなみに冬のメルカートも1/1~1/19と期間が短縮された。

さて、ここからは手短にサンプの2017-18シーズンを、各ポジション別に振り返っていきつつ、来季の補強の様子も見ていきたい。第1回はGK&監督編。ちなみにガゼッタ方式の採点は、全く私個人の主観100%、独断と偏見によるものである。

 

監督 マルコ・ジャンパオロ 6.5 2年目となる今シーズン。前半戦と後半戦で大きく評価が分かれるシーズンとなった。前半戦、特に13節(ローマ戦は大雨で延期で12試合)までは8勝2敗2分け。フィオレンティーナにアウェイで勝ち、ミランも粉砕。そしてDERBYも勝ってその勢いでユーヴェ戦まで内容も含めて快勝。素晴らしいスタートダッシュを見せて、この時点までだったら評価は8.5だろう。彼のやりたいサッカーもしっかり浸透しており、収支バランスではプラスのメルカートだったが、将来のスターを高く売って、代わりにまた細かく補強した選手たちが全体のクオリティを底上げ。特に左SBのストリニッチとトップ下のラミレス、そしてFWサパタの3人の新加入選手がすぐさまにフィットしてチーム力を押し上げた。相変わらずトレイラを核として細かくダイレクト中心につなぐサッカーでポゼッションを高め、そこからの攻めもサイド有りの中央突破有りとバラエティに富んでいた。

前半戦9勝4分6敗 得点35 失点27 6位

後半戦7勝2分10敗 得点21 失点33 10位

しかし、後半戦は失速。主な要因はこの3点だと思う

・ストリニッチの離脱

・アウェイの弱さ

・トレイラ-ラミレスの縦ラインを潰してくる相手が多く、かなりジャンパオロサッカーが研究された

アウェイの弱さは何なんだろう?

-ホーム 12勝3分4敗 得点36 失点20 全体で3位

-アウェイ 4勝3分12敗 得点20 失点40

アウェイでの負けは、格上相手はまぁしょうがないとしても、格下相手にはボールを無駄に回してポゼッションは高いが、効果的な攻めは全く見せられずにショートカウンターなどで失点と言うパターンが非常に多い。一つの形を貫くのは良い事だとは思うが、オプションとして堅く守ってカウンターを狙ったり、いくつかの戦い方は持っていないと厳しいとは思う。アウェイでもフィオレンティーナ戦とかアタランタ戦とか良いサッカーを見せた試合も無くには無かったが、あとは押しなべて酷かった・・・そこら辺が3年目のジャンパオロの課題となるだろう

 


 

GK 2 エミリアーノ・ヴィヴィアーノ 5.5 今シーズンも怪我に泣かされた。と言うか昨季の終盤に行った手術の影響で開幕に間に合わず、結局復帰したのが第11節のキエーヴォ戦。そこから復帰後は順位がほぼ関係無くなった最後の2試合以外、ずっとゴールを守り続けた。復帰後数試合は試合勘を徐々に取り戻すと、やはり第2GKだったプッジョよりは実力は上だなーと思わせるプレーを披露。ただ、本当に相性が悪いのかまたしても致命的なミスをしてしまったカリアリ戦

https://blog.goo.ne.jp/shussissi/e/79e02f974c225fdb4724a715244fd983

や、ユーヴェ戦のクアドラードの超至近距離のシュートを怖がってお尻をむけてしまうなど、全盛期を考えるとやはり衰えは隠せなかった。彼を放出して正GKを入れ替えるにはベストなタイミングであろう。(27試合/43失点)

GK 1 クリスチャン・プッジョーニ 6 今季も第2GKとしての役割を全う。ヴィヴィアーノが開幕に間に合わなかったために前半戦の快進撃中はほとんど彼がゴールを守った。ただ驚いた事に冬のメルカートで降格がほぼ決まっていたベネヴェントに電撃移籍。彼の年齢で年棒が倍増、複数年契約、そしてレギュラーGK確約と言う好条件を拒むのはさすがに難しいか。私は何気に後半戦のチームの失速は彼が出ていった影響も有ると思う。実力的な物では無くて、ロッカーのまとめ役としての彼の役割は非常に大きかった。第37節のナポリ戦はシーズン中にも関わらず、なんと1ティフォーゾとしてSUDに現れて、相変わらずのサンプ愛を示した。現役を終えたらすぐさまサンプにコーチとして戻ってきて欲しいものだ。(9試合/12失点)

GK 72 ヴィド・ベレッツND プッジョーニとトレードで第2GKとして冬のメルカートでベネヴェントから加入。それまでは一応正GKだった。スロヴェニア代表で第3GKを務める。GKとしては大柄では無いが、猫の様な反射神経の良さと柔軟な跳躍を見せる。シーズン最後の2試合、ヴィヴィアーノのアップ中の怪我によりチャンスをもらう。それぞれ2失点、3失点と言う結果に終わったが、GKの責任となる失点はほとんど無く、逆に何回か好セーブを見せて株を上げた。そのおかげもあってか、買い取りオプションをサンプが行使して来季もサンプに留まる事になった。ただ彼はやはり第2GKとして考えられている、と言うかさすがに彼が第1GKだと少し物足りない(2試合/5失点)

GK 92 アンドレア・トッツォND 今シーズンは1年中第3GKを務めるが、コパも含めて出番無し。26歳と言う年齢を考えるとそろそろプロとしてまずい。(0試合/0失点)

GK 12 ティタス・クラピカスND 1999年生まれのリトアニア人は、すでにリトアニアU-21代表に選出。195㎝の長身を生かして、将来が楽しみだ。プリマヴェーラの正GKだが、今季も何回か3人目のGKとしてセリエAの試合にベンチ入りした。そろそろ下部リーグのトップチームのどこかにレンタルで武者修行に行かされたりするのかな?(0試合/0失点) 

  • 来シーズンのGK陣は久々に大きく変わるだろう。まずヴィヴィアーノがついに移籍。ミハイロビッチ監督が就任したポルトガルのスポルティング・リスボンに引き抜かれた(何とその後、就任2週間足らずでミハイロヴィッチが解任・・・。もしかしたらヴィヴィの再移籍の可能性も有るが)。
  • 今のところ噂されているGK獲得候補筆頭はブラジルのジャンドレイ(Jandrei)。シャポコエンセ( Chapecoense)の正GKだ。シャポコエンセは先日の決勝戦直前に悲劇的な飛行機落下事故でメンバーの大半を失ったクラブとして一躍有名になった。彼のプレーは見た事無いが、決して弱くは無いクラブの正GKと言う事で、期待はできるのではないか?25歳とまだ若いし。その前まではフィオレンティーナのスポルティエッロが噂されていたが、彼はどうやら昇格組のフロジノーネに決まったっぽい。いずれにせよGKは早く決めて欲しいものだ。

さて、ここでメルカート情報を少し。

一番の話題は今までテクニカル・ディレクターを務めていたダニエレ・プラデがウディネーゼに移籍して、新たにワルテル・サバティーニが就任した事だ。サバティーニは移籍市場に強い人脈を持ち、かなり敏腕と名高い。サバティーニ⇒サンプの噂は過去にも2003年、2011年と2度あった。2003年時は結局マロッタ(現ユーヴェGM) が居座り、2011年時はサンプはセリエBに降格した時期だったので、新体制となったローマの介入に勝てなかった。今年の3月下旬にインテルとの契約を解除したばかりで、プラデの後釜を探していたサンプとちょうど合致した。過去にはコラロフ、パストーレ、ピアニッチ、マルキーニョス、マノラス、ナインゴラン等々を見出した眼力に期待しよう

ちなみにサバティーニは「ここには借りを返しに来た、サンプをビッグクラブにのし上げたい」と語っている。

↑↑©Repubblica.itよ

 

IN

  • DFアレックス・フェラーリ(24)⇒ボローニャからレンタルで加入。買い取りオプションは450万ユーロに設定されている模様。本職はセンターバックだが、昨季はレンタル先のエラス・ヴェローナで主に右SBとしてレギュラーでプレーした。25試合出場、1得点。位置付け的にはCBとSBが両方できる便利なバックアッパーと言うところか?まだ若いので、伸びしろが有ればそのまま買い取るか

↑↑©AlfredoPedulla.itよ

  • DFオマール・コリー(26)⇒ベルギーのゲンクから750万ユーロ+成績次第で200万ユーロのボーナスと言うオプションで加入。ガンビア代表の主将を務める、190㎝80kgの巨体を生かした屈強なセンターバック。サンプ初のガンビア人選手となる。昨年の自分のblogを読み返していたら、昨季もCBの候補にコリーの名前が挙がっていたので、サンプは彼の事をずっと追いかけいたのだろう。黒人で強いセンターバックと言う事で、まさに私好み。しかもガンビア代表で主将と言う事は、おそらくアフリカ人ながらしっかり戦術眼と知性を持ち併せていると予想する。レギュラーCBの柱として期待したい。背番号は早くも15番を選んだ。

↑↑©il secolo XIXよ

OUT

  • GKエミリアーノ・ヴィヴィアーノ⇒上でも触れたが、300万ユーロでポルトガルのスポルティング・リスボンに移籍。ミハイロヴィッチ監督が就任してすぐ彼を呼んだらしいが、彼が一瞬で解任された今も残るのだろうか?ちなみにスポルティングには元同僚のブルーノ・フェルナンデスも在籍する。ちょっとパイプが出来てきたのか?
  • DFジャンマルコ・フェラーリ⇒レンタルで1年間レギュラーセンターバックとしてプレーしたが、サンプは買い取りオプションを行使せずにクロトーネに戻る事になった。序盤はセンターバックとして、やはりレジーニとは違う落ち着きと強固さをもたらして活躍していたと思う。終盤、チームが調子を崩すのと歩調を合わせるようにして自身のパフォーマンスも低下。イタリア代表にも最初の方は呼ばれていたが、徐々に呼ばれなくなってしまった。私はイタリア人で長身の貴重なCB、そしてまだそこまで歳もいっていないと言う事でちょっと残って欲しかったが、1350万ユーロと言う買い取りオプションはさすがに高過ぎか・・・来季はどこでプレーするのだろう?
  • DFボゾ・ミクリッチ⇒昨季プリマヴェーラに期待の若手として加入したが、1年間で祖国クロアチアのハイデュク・スピリットに完全移籍で移籍する事になる

*ワールドカップ サンプトピックス

  1. W杯ではポーランド代表の3人は敗退。ベレシンスキはほぼレギュラーでプレー。コフナツキにも以外に出番があったのが意外。そしてリネッティに一番出番が無かったのも意外。サンプでもそうだが、リネッティを使えば勝てたのに・・・彼らは遅れてキャンプに合流だろう
  2. W杯ウルグアイ代表のトレイラはまだ勝ち進んでいる。この記事を書いてる時点で、次はフランスとの準々決勝。トレイラも1次リーグ3戦目からスタメンに定着して、サンプと同じような役割で貢献している。おそらく大会終了後にアーセナルへの移籍が決まるだろう。彼は大好きな選手だが、もう止めるのは不可能だ。彼はビッグクラブにふさわしい。セリエAでは無くてプレミアに行ってくれるなら本望。私にとってはサンプから移籍しても応援したくなる、数少ない選手の内の1人だ。
  3. クロアチア代表の左SBストリニッチもまだ勝ち進んでいる。幸いトーナメントの楽な組に入っているので、私は決勝進出まであり得ると思っている。それで疲れて怪我して死んでしまえば良いのに。なぜなら彼はミラン加入が確定している。しかもその騒動で彼が出場しなくなった昨季の冬からサンプは調子を崩したのだ。ヨーロッパのリーグ出場を目指してミラン移籍を決断した彼。結局そのミランはUEFAからファイナンシャル・フェアプレー(FFP)規則に違反したと言う事で、今後2年間UEFA主催大会へ出場停止となった。ざまーーー!

*その他 サンプトピックス

  1. 一度は決まりかけたコソヴォ代表MFベリシャとクロアチアのMFマジェールは両者共に直前で破談。マジェールは欲しかった。現在一番決まりそうな移籍がウディネーゼのMFヤンクト。プラデのコネを早速利用か?
  2. プリマヴェーラに青田買いの2選手補強
  • イディル・ボートリフ=(スタンダード・リエージュ)ベルギー(2000年2月6日生)
  • ダオウダ・ピータース=ギニア(1999年1月26日生)

 7月9日~28日まで今年もPonte di Legnoでキャンプを張るサンプ。ワールドカップ中ではあるが、すでに昨日ボリアスコで初顔合わせは終わった。まだ全然決定している移籍は少ないが、実際はシルヴェストレ、トレイラ、レジーニ、サーラあたりが放出される可能性は限りなく高い。GK、CB、左SB、ボランチ、FW各1人ずつレギュラークラスの選手が欲しい!ここからはサバティーニ新テクニカル・ディレクターのお手並み拝見と行こうか。

Foooooooorza Saaaaaaaamp!!  

今日のカッサーノのアフォリズム(格言) 

numero214:

Capisco che le donne non siano d'accordo,

ma la parte del corpo di Beckham che perferisco rimane il piede destro che fa lanci di 60 metri.

格言214:

女の子たちが同調しないのはわかるが、

俺にとってベッカムの身体の部分で一番好きな部分は、いつもあの60メートルのロングキックが放てる右足だ