続いては16-17シーズンのMF陣。
MF陣は昨年と一番陣容が変わったセクションで、パロンボがほぼDFだった事で昨年もプレーしていた選手はバッレートとリッキーのみ。後は全て新加入の選手だった。ジャンパオロは一貫して4-3-1-2を使用。かなりテクニカルな選手が多く、アンカーのトレイラを中心に細かいショートパスを多用するポゼッションサッカーの肝となるセクションだった。幸い怪我人も少なく、MF陣は冬に移籍した選手はほぼいなかった。
4-3-1-2のレギュラーは
フェルナンデス
(アルヴァレス)
リネッティ トレイラ バッレート
(プラート) (チガリーニ) (ジュリチッチ)
まずは1年中レギュラーを張り続けたトレイラ。当初チガリーニの方がアンカーのレギュラーで獲得されたと思われていたが、21歳の彼があれよあれよと言う間にジャンパオロの信頼を勝ち取る。右はモンテッラの元では不遇を囲ったが、大復活を遂げたバッレート。左は攻守にハイレベルなプレーを見せるリネッティ。左右MFの控えには、トップ下も出来てより攻撃力が有るプラートが控える。トップ下は開幕当初はアルヴァレスがレギュラーだったが満足いくプレーが見られず、徐々に調子を上げてきて途中出場から結果を残したブルーノ・フェルナンデスのスタメンの方が増えてきた。ただ、ブルーノはなぜか途中出場の方が結果を残す傾向にあり、あえてベンチからスタートする試合もあった。ジュリチッチは開幕当初は全く出番が無かったが、セリエに慣れてくると共に、途中出場で流れを変える存在として徐々に重用されてきて、結果ペレイラの放出と引き換えに冬のメルカートで完全移籍を果たした。チガリーニはトレイラのブレイクで残念ながらほとんど出番が無く、完全なコパイタリア要員。ある程度充実した陣容だったので、冬の途中加入は無し。唯一出番がほぼ無かったエラモが完全移籍でベネベントに放出された。
トレイラ、バッレート、リネッティの3人は運動量豊富に守備でも機能し、ボールを奪ったらショートパス中心にポゼッションを高める。ただそんなに直接攻撃力が有る3人では無いので、攻撃はトップ下のブルーノのファンタジーに対する依存も大きかった。トップ下が機能しないと、2トップはかなり孤立して、トレイラのロングパス1発にかけるような結果となった。
それでは1人1人の総括を見ていこう↓↓
レジスタ 37 ルーカス・トレイラ 7.5 公称168㎝だが、どんどんガタイが良くなっているヨーロッパのプロサッカー選手に囲まれていると極端に小さく見える。おそらく本当は165㎝有るか無いかでは無いかな?そんな彼が守備も求められるボランチだと言うからシーズン当初は不安だったが、その不安は即座に一触された。小柄ながら非常に球際・競り合いに強く、フィルターの役割も十分に果たす。ボールを持つと抜群の視野とテクニックを生かして、長短のパスを織り交ぜながら攻撃を展開。さらにミドルシュートも強烈だった。さすがにヘディングは厳しかったが。それを感じさせないアンカーでの存在感だった。年間通して安定した活躍を見せ、ローマを中心としたビッグクラブに執拗に狙われていて、移籍は濃厚かと思っていたが意外や残留しそうだ。7月30日に、2022年6月30日まで契約延長した事が発表された。ジャンパオロのサッカーには欠かせない選手なので、何とか長く留まって欲しい。そして近々ウルグアイ代表でも見られるようになるのではないか?(35試合35先発/0ゴール/0アシスト) 右MF 8 エドガー・バッレート 7 昨季後半戦はモンテッラにあまり認められずにサブに降格していたが、そこから大復活を遂げた。南米版ガットゥーゾっぽく、テクニカルなサンプ中盤の中では異彩を放って守備で貢献。また攻撃でも、若手の細かいパス回しに意外と溶け込んでおり、今季はサンプで初ゴール含む2ゴールを上げた。また大幅に入れ替わったMF陣のまとめ役としても貢献。トレイラは彼の事を兄貴と慕っているようだ。来季も残留するであろう彼は33歳となる。あと1,2年トップレベルでやって欲しいものだ。元パラグアイ代表キャプテン。(32試合32先発/2ゴール/0アシスト) 左MF 16 カロル・リネッティ 7 彼も今シーズンの新発見。ポーランドの名も無きクラブからやってきた彼は、すんなりとセリエAに順応した。テクニックとスタミナを兼備して、攻守両面で貢献。あまり目立たないが中盤でほとんどのプレーに彼は絡んでいた。タックル成功数がセリエAリーグトップの105回と言う数字がそれを証明している。後はもう少し攻撃絡んで、ゴールチャンスが増えればさらにすごいプレーヤーになる。ちなみに今年のチームで個人的に一番好きな選手。ポーランド代表。(35試合27先発/1ゴール/4アシスト) トップ下 10 ブルーノ・フェルナンデス 6.5 開幕当初は控えだったが、途中出場から重要なゴールを決め続けてやや物足りない出来のリッキーに代わってスタメンを張るようになる。ファンタジー溢れるプレーとパスセンスでトップ下で違いを生み出す。ただ調子が良い時は素晴らしいプレーで、同じポルトガルのルイ・コスタを彷彿とさせるプレー。しかしフィジカルがやや弱く、プレーにムラは有った。試合によってはほぼ消えてる事も。スタミナもあまり無いので、シーズン通して途中出場の時の方が決定的な仕事が多かった。まだ若いのでセリエAでのこれからの成長が楽しみではあったが、一番は家族の理由で母国ポルトガルに帰る事を選択。来季はスポルティング・リスボンに完全移籍する。ポルトガルU-21代表。(33試合22先発/5ゴール/2アシスト) 左右&トップ下 18 デニス・プラート 6 今シーズン、チーム最高額の移籍金で加入した選手。それを考えると今季に限ってはやや物足りないか。トップ下で起用されると思っていたが、ブルーノ、リッキーなどトップ下の選手が飽和状態だったのもあってサイドMFでの起用が多かった。ヨーロッパタイプの10番と言う感じで、去年までいたコレアより想像力やドリブルは劣るが、より実践的なプレーをする。将来的にはスナイデルみたいなプレーヤーになる気がする。チームにフィットしてきた後半戦は先発機会も増加し、来季に期待を抱かせる。と言うかブルーノも移籍した来季はやってもらわないと困る。ベルギー代表。(32試合19先発/1ゴール/1アシスト) 左右&トップ下 23 フィリップ・ジュリチッチ 5.5 彼もトップ下が本職の選手だが、前述の通りトップ下が飽和状態にあった為、開幕からしばらくはなかなか出番が得られなかった。ただ数少ないチャンスだったコパイタリアで結果を出して、ジャンパオロに認められて徐々に出番を増やす。そして冬のメルカートではDFペレイラと言う有望株を売ってまで、保有権の全買い取りをすると言う決断をクラブにさせた。起用方法は主にサイドのMF。スピードを生かしたドリブル力があるので、途中交代で敵が疲れている時にカウンターからのドリブルでチームに貢献した。ただ年齢的にはもう勝負の歳で、来季レギュラー争い出来ないと未来は無いだろう。トップ下としてはキープ力と継続性、サイドMFとしては守備力と確実性がより求められる。セルビア代表。(19試合3先発/0ゴール/1アシスト) トップ下 11 リカルド・アルヴァレス 5 サンプ2年目の今年、開幕当初はトップ下のファーストチョイスだった。ただ相変わらず左足一本でボールを操り、確かにボールは取られないが決定的な仕事は少ない。ドリブルも含め、どうもリズム的にも我々ファンをがっかりさせるプレーが多いのだ。トップ下のサブの選手としては良いかもしれないが、彼はある程度高年棒なのでそれなら売っ払いたい。ただ現状は買い手も見つからず、逆にトップ下で良い選手を獲得も出来ていない状況なので、来季も残留する可能性も有るが・・・。元アルゼンチン代表(21試合11先発/2ゴール/2アシスト) レジスタ 21 ルカ・チガリーニ ND アタランタから推定350万ユーロ、完全移籍で獲得。当初はボランチのレギュラー候補での獲得だったが、怪我で出遅れたのが響きブレイクしたトレイラに完全にレギュラーを獲られてしまった。長短のパスを自在に操るレジスタ。だが守備での貢献と運動量、細かいテクニックでトレイラより劣った。よって出場はコパイタリアとリーグ戦数試合に留まった。30歳の彼は、まだここで終わる選手では無い。来季はムッルーと引き換えにカリアリに移籍する事になった。出番は有ると言うかレギュラーも取れるのではないか?サンプからパレルモに行ったマレスカをちょっと思い出させるような移籍だ。元イタリア代表。(4試合3先発/0ゴール/0アシスト) ***冬放出選手*** 左右MF 6 ミルコ・エラモ 5.5 冬のメルカートで、セリエBのベネベントに放出。ユースから長い間サンプが保有権を保持し続けで、レンタルで出たり入ったり繰り返していたエラモだったが、ついにサンプで一花咲かすことは出来なかった。新天地でも頑張って!(1試合0先発/0ゴール/0アシスト)
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以上のメンツから、私個人的に来季への願望。まずは私的に来季に向けて必要な選手、そうでない選手
いる = トレイラ、リネッティ、プラート
どちらでも = バッレート、ジュリチッチ
いらない = アルヴァレス
放出決定 = フェルナンデス(スポルティング・リスボン)、チガリーニ(カリアリ)
ここにすでにサイドMF候補のヴェッレとボランチも出来そうなカペッツィが加わる事が決定している。全体的な成熟も有りかなり楽しみな陣容だ。あとはブルーノが移籍してしまったトップ下に1人欲しい。そうでないとプラートが今のところトップ下で再度試されており、リッキーと争う感じになるか。トレイラが何とか残留しそうなレジスタの控えには、本来もう少し上がり目のMFであるカペッツィをコンバートで試している。サイドMFはすでに激しいポジション争い。新加入のヴェッレは実力者なので、バッレート、リネッティ、ジュリチッチとの争いが楽しみだ。このような面子なので、本来今年加入予定だったパルンボとイヴァンは再レンタルに出される。
さて、お次はマンチェスター・Uとの練習試合の結果↓↓
8/2(水) 19:45
マンチェスター・ユナイテッド vs サンプドリア @アヴィヴァ・スタジアム(ダブリン=アイルランド)
Manchester United 2
Sampdoria 1
得点者:前半9分 ムヒタリアン;後半18分プラート,36分マタ
SAMPDORIA<4-3-1-2> 監督マルコ・ジャンパオロ
カプラーリ クアリアレッラ
(85分コフナツキ) (75分ボナッツォーリ)
プラート(75分ヴェッレ)
リネッティ バッレート
(65分アルヴァレス)(75分ジュリチッチ)
トレイラ(86分カペッツィ)
パヴロヴィッチ サーラ
(65分ムッルー) (75分ベレシンスキ)
レジーニ(Cap)シルヴェストレ
プッジョーニ(86分トッツォ)
ベンチ:DFシミッチ、ドド、レヴェルベ
Manchester United (3-5-1-1):
GK デ ヘア (76′ J.ペレイラ);
DF リンデロフ (76′ ジョーンズ), スモーリング 77′ バイリー), ブリント (60′ マーシャル);
MF ヴァレンシア, A.ペレイラ (46′ エレーラ), マティッチ (46′ キャリック), ポグバ (46′ フェライニ), ダルミアン (77′ トランゼベ);
FW ムヒタリアン (46′ マタ); ルカク (60′ ラシュフォード).
ベンチ: Fosu-Mensah, McTominay.
監督:モウリーニョ
↑↑©il secolo XIXより
2010年、モウリーニョ:インテル、ジャンパオロ:シエナ時代以来の再会。ジャンパオロはモウリーニョの事を監督として、リーダーとして尊敬しており、この対戦を心待ちにしていたようだ。
練習試合5,6試合目はアイルランド遠征。ここでマンチェスターUとスウォンジーと対戦する。親善試合とは言えアヴィヴァ・スタジアムは50000人の大観衆。マンUの人気はスゴイ。イングランドでもサンプは、バルサとウェンブリーで戦ったCL決勝の試合で覚えてるサッカーファンも多い。何より独特のユニフォームはサッカーの母国でも美しいユニとして認知されている。また、サンプにもトレヴァー・フランシスやグラハム・スーネスとかデス・ウォーカー、デビット・プラット等、過去イギリス系の選手は多数在籍した。現在のマンUには元サンプのGKセルヒオ・ロメロがいる。
サンプは初お披露目となるアウェイユニで登場。白-白-白。今年の白ユニは脇を閉めると、ブルチェルキアーティのラインが胸から腕までつながるように伸びた、斬新なデザインだ。
<あらすじ>
前半7分 ブリントのバックパスミスがあわやオウンゴールに。GKデ・ヘアが必死に手でかきだすが、間接FKとなる
8分 クアリアレッラが”ちょんどん”で狙うが、壁に跳ね返される
↑↑©foxsportsより
前半9分 ムヒタリアンGoal:0-1
→上のFKの跳ね返りのボールからマンUが大カウンター。ヴァレンシアが右サイド長い距離を持ち上がり、そこから左に展開して左からダルミアンがクロス。突っ込んで来たムヒタリアンが合わせて先制を許す・・・
21分 右からヴァレンシアのクロス。またもやムヒタリアンがヘッドで合わせるが、今度はプッジョーニがスーパーセーブ
ロスタイム0分。そのまま終了
前半は サンプ0-1マンU
後半18分 プラートGoooooooL:1-1
→テンポの良いダイレクトパスのつなぎからパヴロヴィッチのスルーパス。左サイドで抜け出したリネッティが折り返す。ペナ内中央でカプラーリと敵DFが潰れる⇒そのこぼれ球を走りこんで来たプラートがミドルで突き刺す!同点!!
↑↑©tuttosportより
後半36分 マタGoal:1-2
→ジュリチッチのミスからボールを奪われてショートカウンターを許す。ペナ内左サイドからマーシャルのクロス。マタが左足ダイレクトで合わせてゴール。再び勝ち越しを許す・・・
41分 左CKからサインプレー。ペナ外へ上がったクロスをエレーラがダイレクトボレー。素晴らしいボレーだったが、交代出場したばかりのGKトッツォがファインセーブ
ロスタイム3分。このまま終了。1-2。
(ポイント)
・試合終盤に1点取られて敗れたが、相手の方がコンディション調整も早い事を考えると(プレミアの方が開幕が早い)、十分な出来だった
・強豪相手にも臆する事無く、細かいパスをつなぐ自分達のサッカーが出来ていた。
・左右のSBとジュリチッチはあまり良くなかった。ムッルーのコンディションアップが待たれる。
・トレイラのゲームメイクはさすが。プラートもトップ下でもやれるはやれそう
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サンプトピックス
さて、移籍情報でやっとこさっとこ嬉しい情報が。懸案のセンターバックとトップ下に、ほぼ獲得決定の2選手が現れた。
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ジャンマルコ・フェラーリ(25歳) センターバック 189㎝82kg <クロトーネ>
フェラーリは去年37試合に出場したクロトーネ残留の立役者。長身の左利きセンターバック。イタリア代表にも初招集されて、これからが期待される選手だ。保有元のサッスオーロと150万ユーロでレンタル、買い取り義務オプション1350万ユーロ、サッスオーロがやっぱり手放さない場合は1600万ユーロ払うと言う方向で話が進んでいる。これは是非まとめて欲しい交渉だ。左側のセンターバックと言う事でシルヴェストレとの相性も良いだろうし、フィードも結構上手かった。
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ガストン・ラミレス(26歳) トップ下/ウィング 183㎝78kg <ミドルスブラ=プレミアリーグ>
Foooooooorza Saaaaaaaamp!!
今日のカッサーノの“アフォリズム(格言)”
numero166:
Il latte macchiato girato col dito al posto del cucchiaio
ha un sapore davvero speciale.
格言166:
ラッテマッキアート(牛乳にエスプレッソコーヒーを少し垂らした飲み物)を
スプーンじゃなくて指でかき混ぜた物は、本当にスペシャルな味がする