2015-16 シーズン選手寸評[4] FW編

2016-07-02 14:40:15 | ほぼ週刊サンプ通信 '15-'16

EURO2016のアズーリの快進撃は続いている。ベスト16で前回チャンピオンのスペインを撃破。ベスト8で今日の深夜ドイツと激突する。

スペイン戦は期待以上の出来で、イタリア会心の勝利であった。一方的にスペインに支配される展開に当然なると思っていたが、前半はイタリアの方がチャンスも多く作り出して内容的にもイタリアの方が良かった。1点目につながったエデルのFKは良かったし、ペッレもベルギー戦のリプレーみたいなボレーで自身2得点目。元サンプ勢も頑張ってる。私はユヴェンティーノとペスカレーゼとミラニスタのイタリア人とこの試合を観ていたが、1点目のFKの時にみんな「ピルロもいないし、カンドレーヴァも怪我して出てないしこのFK蹴る奴がいないぞー!」と言っていたが、何を言ってるんだ。サンプ時代、あの距離はエデルが良く決めてるじゃないか!との私の主張が実って良かったダメだったのは途中出場でまたもやイエロー貰って、出場停止になった元ジェノアのモッタだけだな彼が10番なのだけはちょっと納得いかない。

スペイン、ドイツ、そしてフランスvsアイスランドの勝者、そして決勝と考えられる限り一番最悪な組み合わせになったトーナメントのアズーリ。ただ全く期待されてなかったアズーリが優勝するには、これらの強豪全てに勝つぐらいの方がインパクトがあって良いだろう。世界チャンピオンのドイツとの対戦は、下馬評は圧倒的にドイツだが私は勝てるチャンスはあると思う。まずドイツとの公式戦(W杯とEURO)での相性の良さ。なんと4勝4分け。そして超豪華な中盤より前線に比べて、DFにそこまで大スターはいない。W杯の時のドイツはホントにピークだったので、その時よりは弱冠弱体していると言う点に期待して・・・

Foooooooooooorza Azzurri!!

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そんな中、サンプでは青天霹靂のニュース。

ヴィンチェンツォ・モンテッラ、ミランの監督に就任

 正直前から噂は出ていたが、モンテッラの代表監督の可能性が無くなり改めてサンプで来シーズンやると公言していた為にもう大丈夫だろうと思ってた。

モンテッラも最終戦のユーヴェ戦の後「こんな成績のまま、サンプを去る事は出来ない」と言っていただけに裏切られた気分だ。もうキャンプも間近と言う時期に、中国資本が入ったミランにちょっとプレッシャーをかけられただけであっさりモンテッラを譲り渡したフェッレーロ含むサンプフロント陣。ティフォージの反発も当然激しい。モンテッラで最初から1年間じっくり見てみたかったから残念だが、別にモンテッラの監督の手腕を認めてるわけじゃない。正直サンプのアイドルじゃなければ、世界一使えなかった監督と言う評価になる。ただ1回モンテッラ体制で行くと表明して、ミランに獲られると言う状況が良くない。

 実はミハイロビッチとモンテッラは監督として非常に似た経歴を辿っている。モンテッラが常にシニサの後を追いかけて監督をやると言うのが続いているのだ。アエロプラニーノがミランでも大失敗して、ミランをさらに奈落に突き落とすことを祈る。

もう決まった事はしょうが無いから、後任の話。今のところ元エンポリのジャンパオロと元ラツィオのピオリの一騎打ちの様相。ジャンパオロの可能性がかなり高い。明日には決まるだろう。そして7月1日から正式に夏の移籍市場も解禁となる。EUROも終わりが近づいてきて、いよいよメルカートから目が離せなくなる!

CIAO AEROPLANINO.

Questo non e' un arrivederci,ma e' un ADDIO!!

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さぁ最後は15-16シーズンのFW陣。ゼンガ監督は序盤、エデル、ムリエルの2トップ+トップ下(ソリアーノかコレア)と言う形でスタートする。シーズン序盤はこれがかなり機能していて、ゼンガ時代の12試合でエデルは9得点、ムリエルも4得点。チーム全体で崩したと言うよりは、2トップだけで崩した得点もかなりありお互いアシストも多かった。控えの一番手はカッサーノだったが、コンディション不足がはなはだしく序盤はあまり見せ場が無かった。ボナッツォーリは途中出場の4試合に留まり冬のメルカートでヴィルトゥス・ランチャーノに武者修行に出される。その彼よりさらに序列が低かったロドリゲスは、1年間でわずか6試合65分の出場と言う可哀そうな結果に終わった。

ゼンガの時のレギュラーは

主に使われた4-3-1-2の時

    エデル     ムリエル

  (カッサーノ)  (ボナッツォーリ)(ロドリゲス)

       ソリアーノ

       (コレア)(カッサーノ)

あまり無かったが、4-3-3の時(その場合、コレアやカルボネーロはFWのウィングとして起用された)

       ムリエル (カッサーノ)(ロドリゲス)

コレア           エデル 

(ボナッツォーリ)  (カルボネーロ)

 そしてモンテッラ政権になると、フォーメーションが主に3-4-2-1か3-4-1-2に。エデルが抜けた穴は大きく、それと時を同じくするようにムリエルが不調に陥る。その結果基本、不動のレギュラーは冬に加入したクアリアレッラだけ。彼のワントップをコレア、リッキー、ソリアーノ、カッサーノの内の2人が支える形。またはごく稀に使用されたクアリアとカッサーノorムリエルの2トップ+トップ下。得点力はゼンガ時代と比べても大差は無く、今年は点はそこそこ取れていたが最後の6試合で5試合無得点と息切れした。エデル放出してクアリアレッラ獲得は、B落ちした’10-’11シーズン。パッツォを放出してマッカローネが加入した時を思い出されるものだったが、当時の”ビッグマック”よりクアリアレッラは活躍した。正直もっとダメかと思ってた。ただ、来季以降も彼に頼るようではサンプも厳しいだろう。 

モンテッラ時代のレギュラーは

主に使われた3-4-2-1の時

         クアリアレッラ

          (ムリエル)(ロドリゲス)

    コレア     リッキー・アルヴァレス

   (カッサーノ)    (ソリアーノ)

 3-4-1-2の時

      ムリエル  クアリアレッラ

      (カッサーノ) (ロドリゲス)

        リッキー・アルヴァレス

     (コレア)(ソリアーノ)(カッサーノ) 

それでは1人1人の総括を見ていこう↓↓ 

 

 

 

FW 24 ルイス・ムリエル 5.5

怪我は癒えて、一応サンプFW陣で最も多く出場したのは彼だった。エデルと2トップを組んでいた序盤戦はかなり良く、9試合で4得点。かなり期待を抱かせる出来だったが、その後大失速。シュート力やスピード、ドリブルのポテンシャルは疑う余地は無い。ただ好不調の波があまりに激しく、ポジショニングやDFとの駆け引きに大きな課題を残す。絶対入らないロングシュートを無理やり撃ったり、取られちゃいけないところで無理なドリブルを仕掛けたり。顔や好調時のプレーはブラジルの名ストライカー”ロナウド”そっくりなのだが。どんな名FWを獲得するより、彼を覚醒させる事が出来る監督を取る方が良い補強になるのかもしれない。コロンビア代表(32試合1793分/6ゴール/7アシスト)

 

 

FW 99 アントニオ・カッサーノ 5.5 サンプとカッサーノの2度目の結婚は、大成功でも無く大失敗でも無く、イマイチ煮え切らない形で1年間が終わった。パルマを飛び出して半年間プレーしていなかったブランクは大きく、シーズン序盤はぶくぶくに太っていてとても使い物にならなかった。しかし徐々にコンディションを整えてくると、やはりさすがのプレーを見せ始める。ドリブルの速さは無くなり、一人でぐんぐん抜いていくようなプレーは少なくなったがやはりパスが上手い。彼の今シーズンのハイライトだった前半戦のDERBYとユーヴェ戦、これらのゲームのチャンスは、ほとんど”ファンタントニオ”から生まれたものだった。この頃は偽のCF、1トップでも使われた。ただ好調は長続きせず、クアリアとリッキーの加入と共に出番を減らし怪我も有った為に、終盤戦は大きなインパクトを残せなかった。来季留まるかは正直微妙で、現在本人は必死に夏のオフの間もトレーニングして痩せてる画像をSNSに投稿したりしてアピールしているが・・・それに加え、監督が誰になってそれと合うかも彼がサンプに残るのに重要な鍵となる。元イタリア代表(24試合1291分/2ゴール/5アシスト)

FW 9 アレッハンドロ・ロドリゲス 4.5 昨年のベルヘッシオの再来みたいになってしまった選手。序盤好調なムリエルに勝てずずっとサブ。後半もクアリアレッラの加入と1トップへの変更で、ほとんどまともな出番は無かった。序盤に若手のボナッツォーリより序列が低かったのが、彼に対する評価だ。レンタル元のチェゼーナでの契約オプションは更新されなかったので、来季はセリエBへと戦場を移すであろう(6試合65分/0ゴール/0アシスト)

FW 27 ファビオ・クアリアレッラ 6 エデルの代わりに冬に加入したサンプのかつてのストライカー。10年ぶりの帰還となり、トリノでもインモービレの加入後出番を失っていた為、活躍できるかやや懐疑的だった。しかし最初こそ試合勘の無さがあったが、慣れてきたインテル戦から4試合で3得点。それだけで無く、献身的なチェイシングや魂のこもったプレーはティフォージの心を再び掴んだ。独力で何とか出来るタイプでは無いが、良いパスさえ来れば様々なシュートのバリュエーションを持つ。スルーパスで抜け出したり、クロスに合わせて得意なアクロバティックなボレーやヘッド。ただ1トップを務めるにはポストプレーはやや物足りなく、年齢的にもうこれ以上伸びしろが無いのが来季以降はつらいかもしれない。サンプでディナターレになれるか。個人的には彼がスーパーサブにいる陣容になれば強くなると思う、と言うかそうじゃないと厳しい・・・元イタリア代表(16試合1291分/3ゴール/0アシスト)

FW 30 アンドレス・ポンセ ND プリマヴェーラの得点王がついに最終節のユーヴェ戦でトップチームデビュー。19歳にしてすでにヴェネズエラA代表に選ばれている通り、期待の星だ。サンプはこのスターを自前のストライカーとして育てられるであろうか?ヴェネズエラ代表(1試合4分/0ゴール/0アシスト)

FW 23 エデル・マルティンス 7 前半戦の得点源。と言うかセリエAの得点王レースでも、イグアインに次いで2位にずっとつけていた程好調だった今シーズンのエデル。あれだけ売却をずっと拒否していて、なぜこのタイミングで売ったのか。果たして売り時は正しかったのか・・・インテル行ってからは不振が続き、スタメンの座も奪われて最終的にたった1得点。間違いなく本人にとっては失敗だった移籍であろう。現在EUROのイタリア代表で2トップでレギュラーの座を与えられると、生き生きとプレーして活躍している通り、まだまだ環境次第では素晴らしいプレーヤー。サンプに戻ってくれば良いのに・・・イタリア代表(19試合1696分/12ゴール(3PK)/3アシスト)

FW 11 フェデリコ・ボナッツォーリ ND 弱冠19歳のストライカーにさすがにたくさん出番は無かった。しかしすでにセリエAで実績を少し残してるロドリゲスより評価が高かったと言う事はポテンシャルを感じさせる。左利きでセンターフォワードながらドリブルも結構得意なストライカー。出場機会無しと言う事で、冬にセリエBのヴィルトゥス・ランチャーノに武者修行に出される。そこではほとんど途中出場ながら14試合に出場して、嬉しい初ゴールも決めた。もう1,2年修行してから芽が出ればいよいよサンプで勝負か?イタリアU-19代表(4試合81分/0ゴール/0アシスト)

↓↓↓↓↓↓

 来季に向けて、今のところ残留しているのがクアリアレッラ、カッサーノ、ムリエル(怪しいが)。そして加入がほぼ決まっているのがブディミル

アンテ・ブディミルはクロアチア人のFW。25歳190㎝75kg。昨季セリエBのクロトーネで40試合16得点。左利きのセンターフォワードタイプのストライカー。長身を生かしてヘッドが強く、同胞のマンジュキッチに良く例えられる・・・・・・らしい。移籍金180万ユーロの4年契約になる模様。セリエA実績が無いだけにどれくらい通用するか?

オフの間も必死にアピールを続けるカッサーノは現在体重83kgらしい。もちろんベストコンディションなら、あと1年ぐらいフルシーズンで観たいが(現在34歳)。ボナッツォーリは一旦戻ってきて、またレンタルかなー?入れ替えも含めて、新しいFWあと2人は欲しい。エデルかガッビアが帰ってきたら狂喜乱舞。パッツォ帰還の噂もあるが、もういいでしょ。ただ、全ては新監督次第でDF陣よりはプライオリティは低いだろう。

↓↓それらを踏まえて、未加入選手も含めて来季の予想(予想も何も、まだまっだ白紙状態だけど…)

4-3-1-2(2トップ+トップ下の場合)

 

  クアリアレッラ ムリエル

   (カッサーノ)  (ブディミル)

         コレア

    (リッキー・アルヴァレス)

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移籍メルカート情報は、次号から詳しく追っていきます! 

 サンプトピックス 

1.その他でほぼ決定している獲得選手がローマのセンターバック、レアンドロ・カスタン。左利きのブラジル代表センターバックは、ローマで2年前までバリバリのレギュラー。ただ怪我でここ2年間を棒に振り、再出発の道を探していた。1年間のレンタルでの移籍となる模様

2. リッキー・アルヴァレスと2019年6月30日まで契約更新。

反対にディアキテ、カッサーニ、クリストドゥロプーロスらは契約延長されない模様。元々オプション無しレンタルのラノッキア、ドド、ブリニョーリもさよなら。ドドは欲しいなー

3.サンプのDFシュクリニアールはEUROベスト16、ドイツ戦でフル出場。代表ではボランチとして起用され世界チャンピオンの実力を肌で感じた。惜しくもスロヴァキア代表はここで敗退。シュクリニアールは2試合0得点

4.今年もバルセロナと夏に対決する事が決定。ジョアン・ガンペール杯に4年ぶりに招かれた。バルサがサンプとCL決勝を制して優勝したウェンブリー以来、25周年を記念してサンプが招待された模様。バルサにとって、夏の親善試合のトリを飾るこの試合。ちなみに4年前はソリアーノのヘディングでのゴールでサンプが1対0で勝っている。

ジョアン・ガンペール杯 2016年 8/10(水) バルセロナ対サンプドリア @カンプ・ノウ 20:30(日本時間深夜3:30)Kick Off

Foooooooorza Saaaaaaaamp!!  

今日のカッサーノのアフォリズム(格言) 

numero76:

Non c'e' nulla che vale il momento della doccia

dopo una partita vinta.

格言76:

試合に勝った後のシャワーに勝る価値のあるものは無い