NPO集改センター(NPO法人 集合住宅改善センター)活動レポート

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『日本塗装時報』に松山代表理事の記事が掲載されました。その4

2014-04-14 07:10:55 | 女子部会

集改センターの松山代表理事の記事を掲載いたします。

 

松山 功 「集改塾」開講にあたって(4)

現在の改修工事の課題 

 改修工事とは、簡単にいえば今ある建物を塗装して防水し直すという工事です。

 私は大手設計事務所から独立し、マンション改修業界に入ってから20年近くになります。その間ずっと工事監理をしてきました。5、6年ぐらい経ってから思ったのは「本来、新築工事に比べて易しい仕事であるにもかかわらず、あまり進歩していない」ということです。監理をして、いつも指摘することが同じです。

 それはなぜかと、ずっと考えていました。

 まず一つには、改修工事業者は元々が塗装屋さんや防水屋さんです。ゼネコンの下で指示されて動いていた体質が残っているのは否めません。建築工事を新築からしていないので、すべての工事工程を自身で考えるという習慣がありません。

 技術開発をして、自分たちのオリジナリティーを考えるという姿勢が見えません。失礼ながら、改修工事では大手の業者さんでも個々の現場はたいして変わりません。

 そうしたことを常々、業者さんには言ってきました。経営トップは理解してくれるのですが、現場代理人は毎日の仕事をこなすのが精いっぱいです。

 改修が新築と違うのは、人の生命・財産を守るものをつくる建築工事ではないという点です。そこで新築とは仕事の重みが違います。新築では否が応でも出てくる問題がありません。極論すると、塗装が悪ければ剥がれて怒られるだけ、防水に失敗しても雨漏りして怒られるだけです。つまり住民の命にかかわることはしていません。そういう面があるので、工事業者も勉強せず、なかなか進歩しないのかと思います。

 加えて、改修は現金払いの上、取引先が倒産する心配もなく、工事の遅延によるペナルティーもない、いわば「ぬるま湯」の世界です。そこにどっぷり浸っていると、危機感がないため、技術も伸びなかったのではないでしょうか。

 工事監理者にも問題があります。あちこちにテープを貼りまくって「しっかり厳しく見た」という人がいます。私から見ればこういう人は最悪の工事監理者です。

 良い工事監理者は施工業者がしっかり自主管理できるように指導し、監理に来た時には「何も問題がないですよ」と言ってやれる人だと思います。手戻りがないようにすれば、業者も一番もうかります。

 

*本稿は『日本塗装時報』1951号(2014年3月18日発行)に掲載された松山代表理事のインタビュー記事を元に、一部改題しています。


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