集改センターの松山代表理事のインタビュー記事の最後をお送りいたします。
松山 功 「集改塾」開講にあたって(5)
工期短縮への工夫を
新築の場合だと、ゼネコンは常に工期の短縮を考えます。たとえば16か月の工期を14か月に短縮できれば、2か月分の経費がもうかります。
ところが改修工事業者は4か月の工期があれば、4か月以上を使います。それを3・5か月に短縮するため段取りしようという気がありません。工程を縮めるには、当然工事の品質も良くないといけません。荒っぽい仕事をしていると、絶対に工程は縮まりません。
4か月の工期を3か月に短縮すると、改修業者の経営者にしてみたら、「1か月現場代理人を遊ばせる」という意識です。その考え方は間違っています。工期を短縮できればすべての経費が削減できますから、工期短縮に成功した社員にはたっぷり有給休暇を与えてやれば良いのです。そうしたら社員の士気も上がります。
どこの現場でも工期短縮が当たり前にできるようになると、社員の実働時間を減らすことができ、待遇を改善できます。すると、優秀な人材が集まり、必ずその会社は発展します。ところが、残念ながら今の改修業者にはそういう発想が全くありません。
今の改修工事は、手戻りが多く、工期が延びても、しっかり利益は出ています。赤字になるケースはほとんどないでしょう。そういう現状だから、反省して個々の工事品質、段取りを見直し、工期を短縮しようという気がないのだと思います。
大手ゼネコンが改修工事を請け負うと、新築と同じように工期を短縮してきます。どうかすると改修業者より安い値段で請けられるのは、そこに秘密があります。工期を短縮できれば、下請け業者も含めて十分採算が取れるのです。大手ゼネコンと同じことをしろとは言いませんが、もう少し知恵を出したら、改修工事業者は、協力業者を含めてもっと利益を上げられるという気がします。
*本稿は『日本塗装時報』1951号(2014年3月18日発行)に掲載された松山代表理事のインタビュー記事を元に、一部改題しています。