なあむ

やどかり和尚の考えたこと

サンサンラジオ287 東京から

2020年11月08日 05時00分00秒 | サンサンラジオ
三ちゃんのサンデーサンサンラジオ、第287回。11月8日、日曜日。

まずは報道部から1週間の動きをまとめて。
1日日曜日、報恩寺慶弔会第2日目
2日月曜日、写経納経式
4日水曜日、湯沢市ローカル電気訪問(もっちい)
5日木曜日、葬儀
7日土曜日、東京、仏教企画鼎談
その他法事が11件。
というような1週間でした。

4日、西の山がうっすらと白くなり、初冠雪があったようです。
でも次の日にはなくなってしまいました。

久しぶりに、今朝は東京からお送りしています。
東京に来たのは何ヵ月ぶりでしょう。2月以来ですかね。
この件については後程触れます。

1日、新庄市報恩寺様の慶弔会は無事に終わりました。
先代様を立派に送り、新命様も立派に晋山の儀式を務められました。
新命様の息子さんが首座和尚を務めたのですが、前日まで剃髪に抵抗されていたようです。
大学3年生ですから、親も厳しく言いにくい気持ちはあるでしょう。本人としても自ら望んだという訳でもないのでしょうから、抵抗する気持ちも分かります。
ただ、一生涯に一度の関門なので、集まった和尚さんたちはやきもきしていました。「結局後から自分が後悔するだろう」と思うからです。
私が首座を務めたのは中学3年生でした。全国一斉実力テストか何かの直前で、ほとんど暗記もできていませんし、それを理由に頭を剃るつもりもありませんでした。
親にも反抗しており、何とか切り抜けられると思っていました。
当日朝、お世話をしてくれる役の和尚さんから、いきなり「剃るぞ」と言われて、抵抗することは叶わないと諦めました。
剃って首座法戦式に臨んでみると、覚悟というのか、向き合い方が違ってくるので、それが態度にも現れると思います。
後からになると、あの時剃ってくれた和尚さんに感謝こそすれ、恨みに思うようなことは毛ほどもありません。
自分にもそんな経験があったので、剃ってくれればいいがなと思っていました。
次の朝お寺に集まった和尚さんたちは、「首座の頭どうなった?」という話題でした。
「夜に剃ったらしいよ」「それは良かったね」とみんな喜んでいました。
髪はすぐに伸びます。一生のことと一瞬のことを比べれば当然の結果なのですが、それでも若い者にとって頭を剃るというのは大きなハードルであることは間違いありません。
だからこその剃髪なのです。一つ一つの覚悟を超えながら一人前の和尚になっていくのです。
この度の慶弔会もいい法要となりました。

最上町の地域新電力を目指す仲間で、秋田県湯沢市にある「ローカル電気」さんに視察に行きました。
2016年に立ち上がった地域電力で、エネルギーの地産地消を目指すという理念も我々と一緒です。
ということで、参考にさせてもらおうと、24項目の質問を持って話を聞きに行ったのでした。
県や自治体とも強力にタッグを組んで秋田市も含む広範囲な地域に展開しているのと、9割の電力を水力発電から得ているという特徴もあり、我々が企図しているものとは規模が違うことが分かりました。
また、手続きや経常の業務もなかなか面倒くさい大変な事柄が多いと実感しました。果たして我々にできるのか、もっともっと勉強して総合的に考えてみる必要があります。
それが分かっただけでも行った甲斐はありました。

さて、昨日の鼎談ですが、仏教企画という会社の「曹洞禅グラフ」という季刊誌の特集記事という内容の企画でした。
私の他の御二方は、アンコールワット研究の第一人者で元上智大学学長の石沢良昭先生、もう一人はNHK報道記者でニュースウオッチ9のメインキャスターの有馬嘉男さんです。
一見何の関連もないような3人ですが、実は一人の人でつながっています。それはシャンティ国際ボランティア会の創立者である有馬実成師です。
嘉男さんは実成師の長男であり、石沢先生はカンボジア難民支援時代、カンボジアの文献に詳しいということで実成師と交流があったのです。そのつながりで私も御二方を存じていました。
そんな3人が顔を突き合わせてどんな話になるのかと、不安と期待をもって臨みました。
「コロナ禍の世相を見る」「コロナ禍のいま日本仏教は何を担い得るのか」というテーマでそれぞれの立場から発言しました。
その端々にやはり実成師の言葉や行動、思想がにじみ出てきて、改めて偉大な人だったなあと感じます。
有馬嘉男さんは今やNHKの顔ですが、やはり「言えることと言えないことのある」苦労がありそうです。
色んな話が聞けて、いい機会をいただきました。

今週はここまで。また来週お立ち寄りください。