わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

腹が立つにもほどがある(ええ、トランプのことです)

2017-12-06 | アメリカのニュース
 アメリカの現大統領が何かするたびにムカついている私ですが、ここ数日は特に怒りに燃えています。エルサレムのイスラエルを首都にすると発表して世界中に不安と混乱を巻き起こし、未成年を性的虐待して訴えられている人種差別主義者のアラバマ州議員、ロイ・モーアを擁護したばかりか、上院議員再選として支持し、クリントン、オバマの両元大統領の定めた国定保護地域(National Monument)を縮小する大統領令を発令しました。これによって、オバマ前大統領が指した130万エーカーを2分割してたったの23万エーカー弱に縮小し、クリントン元大統領が指定したグランド・ステアケース・エスカランテ地域は3分割しても約半分にしてしまおうとしています。一旦、保護区に指定された土地を解除するなんて聞いたこと無い。何のための「保護区指定」なのでしょう?

 クリントン大統領が1996年に指定したグランド・ステアケース・エスカランテは、最大のナショナル・モニュメント、そしてオバマ前大統領が任期終了直前に指定したベアーズ・イアーズは先住民の聖地で、ここを保護地域と定める大統領令が発令されたときには、この地域を聖地と崇める先住民族部族は盛大に祝ったものでした。トランプ曰く「ユタ州の天然資源を、遠く離れたワシントンで一握りの役人がコントロールするという考えは間違い」だそうですが、むしろ、住民の意思を無視してワシントンで一人の大統領がコントロールするのが間違ってると思う。

 これに対し、現地管理をしている5先住民部族のリーダーがトランプ政権を訴えると表明し、環境保護団体やアウトドア製品の会社、パタゴニアも裁判に訴えると言っていますが、絶対に勝ってほしい。つい数年前、アメリカの国立公園をテーマにしたTVドキュメント番組が人気を博し、「America the Beautiful」が再確認されたばかりなのに、トランプ自身も含めた強欲な一部の資本家たちの利益のために、かけがえのない自然を搾取し、先住民の聖地を冒涜して、それを国民の総意であるかのように言い立て恥じることもない厚顔さに、心底腹が立つ!!!

 一方で、金儲けとオバマ大統領の遺産や貢献を無に帰そうとする徹底した姿勢には一貫性があって、妙に感心というか、ほとほと呆れてしまいます。人間、ここまで品性下劣になれるもんなんだねぇ、って…

 最新のPew Researchの調査結果によると、トランプの支持率は32%。アメリカを世界から孤立させ、本人と家族にはロシア疑惑、政敵ヒラリー・クリントンについてを含む様々な噓をつき、そして石油会社の利益のために、国民の共有財産を冒涜。正に「売国」行為です。しかも、原油生産高を増やすのは、化石燃料への依存度を低めようとしている地球的なトレンドに逆らってる。アメリカは、このままどんどん地球を暗黒時代へと引きずり込もうとし続けるのでしょうか…

ピクサー新作、Coco(リメンバー・ミー)

2017-12-03 | 映画・ドラマ・本
日本でのタイトルは、作中の鍵となるテーマソングと同じ「リメンバー・ミー」だそうです。オリジナルの「Coco」にも、深い思いが込められていますが、「私を覚えていて」もいいと思う。本編前の短編は「アナと雪の女王」のスピン・オフ。アナのドレスのフェルトの感じがすっごくリアルだった。お話は…まぁ、いつものアナ雪シリーズということで。しかし、エルサお姉ちゃんにも素敵な彼氏を見つけてあげて欲しい…


 ピクサー映画ではよく、「えっ?そういう展開なの?」ってひねりがあるので、ネタバレ来る前に観に行ったのですが、今作は予定調和と言いますか、判り易いストーリーでした。でも、最後には泣かされる(;∀;)イイハナシダナー 本当にピクサーらしい、楽しくて、ほろっとなって、見終わった後にいい気分になれる映画。

 同じくメキシコの死者の日(Día de Muertos)を舞台にした2014年のCGアニメ「The Book of Life(邦題: ブック・オブ・ライフ 〜マノロの数奇な冒険〜長いんで、以下BoLって縮めます」でも、メキシコらしいカラフルさや、陽気な死者の国の様子(制作にギレルモ・デル・トロが参加しています)、ラテンな音楽に魅力的なキャラクターと、とっても好きな映画。テーマ曲も可愛くて大好き。実はこのテーマ曲を歌ってるカップルも可愛いの。

こちら、The Book of Life


 こちらのキャラクターは人形っぽい造詣で、豪華絢爛な人形劇って感じ。でも、死者の日が舞台で、生者に忘れられた死者は消滅するという背景のみならず、代々偉大な闘牛士の家に生まれ、当然、闘牛士となることを期待される主人公マノロが、実は動物を傷付けるのが嫌でギターで音楽を奏でるのが好きという「BoL」の設定は、音楽が禁じられた靴造りの一家に生まれた主人公が密かに音楽家となることを夢見ているという「Coco」の設定と似ています。


で、こちらがリメンバー・ミー


 だけど、二作は似て非なるもの。どちらも甲乙つけがたいほど素敵な映画で大好きです。「Coco」が日本で公開されたら、つながりで「BoL」も公開されたらいいのに。とびきりカラフルでゴージャスな世界は、デル・トロの想像力がたっぷり注がれたに違いなく、大きな画面で堪能すべし!

 なぜか、違う映画の推薦に熱が入ってしまいましたが、Cocoの死者の国の世界は私が好きなイラストレーターの帝国少年さんの世界に似てると思いました。光にあふれる綿密な死者の国の造形にワクワクします。主人公のミゲルは一途で応援せずにはいられない少年。骸骨(死んでるから)のご先祖様たちは個性的でチャーミングだし、あの世のフリーダ・カーロも強烈。でも、私は犬のダンテにべた惚れですのん。

この駄犬っぷり


 メキシカンへアレスの野良犬で、主人公と一緒に生きてるのに死者の国に行っちゃったダンテは、一見バカ犬ですが、忠実で、本当は賢いわんこです。イメルダ大おばあ様のアレブリーヘ(霊獣みたなのん?)のペピータも最初は怖かったけど生前の姿見たら「なるほど」でした。フィギュアあったら欲しいなって、帰りにウォルマート寄った時、おもちゃ売り場を覗いてみたけど何もなかった!えーっ?!?ヒットしてるのに???ショックだ…


 やっぱラセターさんが作る映画は面白い。でも、例のセクハラ騒ぎで半年休業ですってね。本当に半年で復帰してくれればいいけど、どんどん拡大するセクハラ騒ぎ(私はピンク狩りと命名した)が広がって薄まる方向じゃなくて、さらに深刻化したら、セクハラ親父は社会帰許さん!になっちゃったら嫌だなぁ。その時は、尊敬する宮崎駿氏を倣って「辞める、辞めるサギ」じゃダメ?って、ホント、一体だれを罰しようとしてるんでしょうね、この騒ぎ?