Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

カセットテープと再会

2011-06-13 21:39:17 | JAZZ
倉庫に山積みされている古書を整理していたら、古い写真
やCD,オープンリール、カセットテープなどの段ボールが
出てきた。倉庫は天井は高いけど木の葉や砂塵が舞い込み
易い環境でおまけに湿度も高い!このまま死蔵していたら
カビなどにやられてしまいそうで、片付けの合間にこれらの
懐かしいダビングテープを整頓することにした。
すでにカセットデッキはお蔵入りしているけど、マイカーが
旧車に属するせいかカセットデッキがついている。
そのマイカー用に埃をはたいて、これらのテープを活用する
のも、3・11以降のアンチ・便宜社会には叶っているとい
意外な効用に気がついた。
昔は晴海どおりの墨田川に面した勝鬨の事務所へ横浜の郊外
からクルマで通勤などという時代もあった。
国道15号、海岸通り、晴海通り、目黒通りの渋滞中の気
を紛らわせる最高の癒しがカセットにダビングしたジャズ
だったのも懐かしい。

そういう時のBGMはプレステッジレコードの傍系ムード
ジャズレーベルだったムーズヴィルのトミー・フラナガン
トリオや先ごろ亡くなったレイ・ブライアントの「ゴールデン
・イヤリング」の入ったレイ・ブライアントトリオなどのLP
から盛んにカセットへダビングしたもので一時期は数百本の
カセットが溜まったが度重なる都内移転で雲散してしまった。
昨日、見つかったTDKテープはA面がデッカのペギー・り
ー「ブラックコーヒー」B面にはジョニ・ジェイムスが可憐
に歌う「パープル・シェイド」などが入ったMGMのLP
からダビングしたものが入っていて、余ったところには、
ビリー・ホリデーのまったりと濃いムードが好きな「ビリー
ズ・ブルース」などを追加してかなりの恣意的構成である。
しばらくは何か隙間のもつ空気感を味わえるカセットテープ
で遊べそうな梅雨日和だ。

即興茶会

2011-06-09 08:48:32 | クラシック
オーディオや趣味が共通する友人と電話でデッカのコーナー型
スピーカーのことなど話していたら、急に日向薬師までやって
来ることが決まった。曇り空から夏の陽射しになって動き易い
せいもあるのだろう。午後から夕暮れまでの即興茶会になった。

一人はコーヒーとパスタを手土産に寄進してくれて、もう一人
の近在に住む知人は、いつもながらの美味なケーキを心配りし
てくれた。パイ生地に包まれたスポンジは酸味も爽快なレモン
味、上段を被うクリームのボリウムにLDLコレステロール増
加への戦慄がよぎるが、健康よりも美味が大切とおいしく戴く。
これらの手土産を肴に雑談の中心はデッカのコーナースピーカ
ーに及ぶ。

友人がこのデッカスピーカーをイメージして選んできたCDが
とても良質な花を添えてくれたことに後で気づいた。
シュワルツコップのリヒャルト・シュトラウスの晩期歌曲集、
サン・サーンスのクラリネットソナタ、バルバラやポルトガル
の現代ファドなど普段自分が聴く機会もないソースはこの友人
の持ち味らしいディレッタンティズムの面目躍如である。

西洋音楽への嗜好は若い頃に入り浸っていたクラシック喫茶
で培養されたバロック、ロマン派ばかりで後期ロマン派、現代
音楽は無知の食わず嫌いを通してきた。
デッカのスピーカーを聴いていて思った。このスピーカーの
領分は西洋の室内楽、歌曲だろう。音像と音場の塩梅がとても
いい。小さな16センチユニットをカバーするほどよい低音は
箱の下へ排出する曲折に富んだロードを辿ることで、ちょうど
よい放射量感を獲得しているみたいだ。
それにしても辛気くさい印象を持っていたリヒャルト・シュト
ラウスがこんなにメロディアスな叙情を有していたとは!
もっと音楽は音楽神の精髄を有するスピーーカーやアンプで聴く
ものだと覚醒する即興茶会となった。



入居準備中

2011-06-08 13:41:06 | 自然
以前に葉山の長者ヶ崎より佐島方向へ進んだ秋谷の海辺
にある骨董屋で買った相当にレトロな青いガラス鉢が
あってこれが夏らしい風情を感じせてくれる。
しかし埃を被って手持ち無沙汰の様子だ。梅雨に入って
晴れ間を迎えて強い陽射しを仰いでいると、なにか水が
恋しくなってくる。

このガラス鉢に以前は金魚とミヤコタナゴを混生させて
みた。しかしこれは失敗。直径25cmの人間界でいえば
ワンルームマンションみたいなスペースだ。日々、成長す
る和金の愚鈍な天衣無縫ぶりに根暗なタナゴ達は迷惑そう
な顔をしている。そこでもっと実務的な角型の45センチ
水槽へ引越ししてしばらくは落ち着いていたが、旺盛なる
脱糞で水を汚す金魚の為に水替えをたびたび強いられる。
途中で寿命が来たタナゴは旅立ってしまったが、生き延びて
いたタナゴを水替えの始末中に下水へ流してしまうような
事故もあって、和金の二匹を除いて好きな和風小魚が一匹
もいなくなってしまった。

そこで昭和初期と思われる吹きガラス鉢の湿潤なる水の光
景を楽しもうとメダカ数匹と根腐れしない水草、カラフル
な小砂利の敷き詰め計画を思いつく。
幸い、先日の山野草見学した名称不明な場所では、今年に
なって孵化したメダカが楽しげに遊泳を始めていた。
まもなく販売の立て看板がでることだろう。
まずは、このレトロなガラス鉢に水を張って窓辺に置く。
晴れ間の紫外線が水中に豊かな酸素を供給する。
しばらくすれば馴れた水がメダカ達への入居オーケーの信号
を発するだろう。

DECCAコーナースピーカーを聴く

2011-06-06 13:50:26 | クラシック
英国の1960年頃作られた摩訶不思議なアンティークスピーカー
を、友人の都合で日向薬師の居間カフェで鳴らすことになった。
マホガニー材で作ったチョコレート色が古色蒼然とした趣きだ。
ペアのそれぞれは丈が1メートル強、横幅は40数センチ、厚さは
最大で29センチ、部屋の角に置いて効果が発揮される箱である。
こんな薄汚れた箱を居間にセットしたら、気の強い好戦的な妻でも
いようものならすぐ排撃?されると予想して思わず失笑する。
このスピーカーの面白さは、表裏が逆なこと、16センチ程度の小
ユニットが見えて、端子や樹脂製のロゴマークが貼った側が裏になる。
表はただののっぺらぼうで、木製の衝立にしか見えないのがミソだ。
間に合わせの管球式フィッシャーアンプにビクター製CDプレーヤー
を繋いで音だしを試してみる。

このスピーカーも伝説で聴くボイドという人物が開発した曰くの逸品
らしい。表裏を逆さにしたアイデア勝負のスピーカーではなく、小さな
口径のユニットは箱内部に張り巡らされたロードを辿ってきて、壁面
への放射時に美味しい音のポイントを結実させるような仕掛けになって
いる。先日、東逗子にある知人のオーディオスペースで同じ英国製に
なるロジャースのBBC放送局の調整室で使っていたというアルテック
604Eっぽい銀箱タイプの素晴らしさに衝撃を受けたばかりである。
あちらは英国の業務用アンプでCDプレーヤーもオランダフィリップス
のLHH2000と全てに我が家との格差は歴然である。

カエル達の闇夜の合唱をバックにいつもの「無伴奏チェロ組曲」No6
のだいすきな「アルマンド」「クーラント」あたりを何回もハシゴする。
ハンガリーのチェロ奏者チャバ・オンツアイ、鈴木秀美、イッサリアス
、ロストロボビッチと愛聴奏者には事欠くこともないソースだ。

東逗子の精緻且つ凛々しい音力には負けるが、こちらのデッカコーナー型は鳥肌が立つような音楽神の近在感を醸すことで負けていないと思った。


お茶粥

2011-06-04 10:18:36 | 
自炊食のメニューに最近、追加されたのが茶粥だ。ネットなど
で調べると地方によって作り方がちがうみたいだが、こちらは
奈良方面に伝承しているレシピを教わってやっと覚えたばかり。
外食で油脂分の多い食事が重なったあとは、この茶粥の禅味風
がことのほか胃腸への負担を軽く爽快にしてくれる。
軽くといだ米を土鍋でほうじ茶を数回加えてかき混ぜるおよそ
20分の忍耐が必要だが、できあがったとろみのある食感は、
普通の炊き込んだお粥よりも複雑な茶の味を楽しめる。

今朝はこの茶粥を主食にする。副菜にはブロッコリー、カブ、
人参、ピーマンなどの野菜甘酢漬け、肉じゃが、静岡由比産の
金山寺味噌、生にんにくの紫蘇和えなど彩りメニューも珍しく
整った。金山寺味噌とにんにく以外はほぼ伊勢原地場産の野菜
だ。伊勢原に住み着いてようやく三年半、緑というご馳走への
飢渇が満ちてきてこんどは野菜類の緑が食生活へ溶け込む番で
ある。