Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

椎茸の出来立て

2011-03-07 22:22:11 | 
北側の少し薄暗い木立に囲まれたあたりで大家さんが椎茸の栽培に熱心な様子だ。
マメでマニアックじゃないと農業はできないという姿勢を同年輩に近い大家さんのビヘビアから教わることが多い。
偽田園派は傍観者が似合うと呟いている日々でもある。
野生の猿が多い場所だから高いネットも張りつめて防御にも腐心している様子!
猿の椎茸好きは半端なものじゃないらしい。
浸入可能な場合は全滅の恐怖らしい。
クヌギの丸太を100本くらい立てかけて、菌の植え付けをしていたが、中々椎茸が現れずにけっこうヤキモキしていた半年だが、このところ肉厚な椎茸が次々と生えてきて苦労の成果が実ってきたようだ。
今日も雨模様の中を収穫に寄ったらしく、採れたての椎茸を7個ほど置いていってくれた。

その中にビッグサイズが混じっている。
有毒で著名なる紅テングダケくらいの嵩の張り具合が素晴らしい。
因みにもらいものの虎屋製「御代の春」最中のサイズと比べても瞭然であることが納得だ。
そこで夕食のメニューは雨降りの買い物を忌避しながら椎茸変奏曲とすることに決定した。
買い置きしてあるマグロの頬肉を塩・コショーして、片栗粉をまぶす。
これをオリーブオイルでじっくりとやき焦がす。
ついでに刃を入れた椎茸にも片栗粉をまぶして一緒に焼けばいい。
偽田園生活を重ねてきたメリットが、ちょっとしたその日がもたらしてくれる恵みというものの応用に繋がっていることを納得した一日でもある。

昔の美

2011-03-04 21:40:01 | JAZZ
用事があって知らない街を訪れた時、たいてい「ハードオフ」みたいな店でジャンクっぽい昔のアンプとか、映写機、カメラ、楽器類などを眺めるのが趣味だ。
この前はアメリカ製ベル&ハウエル社の鋳物ボディーでできた堅牢な映写機があった。
伊達や見栄で部屋のインテリアにしようと、以前だったら衝動買いに走るところだが、貧窮というよく効く制動装置がこのところ働くせいか踏みとどまるケースが多い。
そのコンパクトな映写機は60年代位の香りがあったせいか、次に訪問したときはすでに売れてしまったようだ。

今日も薄手で短命なデジタル機器類に混じってラックス製プリアンプCL35が売っていた。
SQ38FDプリメインアンプと似通ったデザインは70年代のオーディオ全盛期を象徴している。
こうしたものを眺めるとついつい物欲衝動が起きるのがとてもつらい。

これはお店じゃないが、アンプやSP制作に熱心な先輩宅で聞かせていただいたラックスどころじゃない193~40年代のWEアンプの意匠を踏まえたアンプにもしびれた。
文字プレート、丸いインジケータ、鉄製シャーシ、お洒落な白いシャッポを被ったRCAの出力管。
どれも無骨な昔の業務用が持っていた簡潔美学が一貫している。
このアンプで流れたノルウエーのレスター・ヤングともいうべきトティー・バーグのテナーサウンドの円やかなる極み!
またまた物欲衝動の発生だが、こちらは世界で唯一の自作アンプ!
ゆびを咥えて謙虚に聴くしかない。

ジャガイモ芽だした

2011-03-03 18:24:57 | 自然
戦後すぐの頃だから60年以上前に母親が嫁に来た頃、横浜弘明寺付近のしもた屋だった我が家の台所には、米も野菜も残り僅か!
父親は壮年期の公務員で怠け暮らしをしていたのではけっしてなかったが。。
梅崎春生の大戦末期あたりの通信兵ものの小説を読むと辛いのは、下士官のサディズムもさることながら、食い物に関する飢餓ということが切実に迫ってくる。
我が家ではジャガイモが8個だけ隅の方に転がっていただけ。
それ以来貧窮生活と付き合う暮らしがロングランになったとは母の好きな口癖だった。

偽田園生活をするようになって、最初に植え付けの真似をしたのが、ジャガイモとカボチャ!
どちらも自由放任、レッセ・フェールの原則で勝手に育つ。
まだ霜柱がたつ位の大山の裾野だが、そろそろ三月弥生の声を聞けば植え付け時だ。
「きたあかり」「ダンシャク」などという種芋を少し買ってきて、切れ目に草木灰を塗って害虫がはいらないよう予防策を講じる。草木灰が一袋300円に対してたねいもも300円だ。
しばらくは地中でモジモジしてるが、四月の暘光が降り注ぐと、青い葉が加速成長!
葉っぱの間引きを適切に行い、追肥をさぼらなければ6月下旬の収穫は保証されたもの。
花植えはさぼっても、ジャガイモはさぼれない。
やはり心的擦り込みの為せる技だ。

公魚(わかさぎ)の燻製

2011-03-02 22:02:18 | 
育ちすぎたワカサギがいるのだろうか?
15センチはある北海道産という表示だ。
近辺の芦ノ湖などで釣れる少女の中指位のものとは大違い!ウグイ等のサイズに近い。
ロシアやアラスカなら考えられる大きさだが。
五匹で150円、甘塩に素干しした半乾燥の姿態をスーパー「わくわく広場」内で眺めているとき、この間本でレシピを読んだばかりの「シシャモ」の簡易燻製を連想した。

買って戻ってカセットコンロに燻製セットを設置。リンゴ、さくらのチップを半分に混ぜる。
陶器の深鍋にアルミホイルと網を敷いて、魚の表面にオリーブオイルを塗っておく。
火を点火すること40分くらい燻し放つ状態で待機する。
この前は鯖の切れ身を燻しすぎてパサパサな炭化燻製にしでかすという失敗をした。
今回は深追いをしないで火をとめることの判断が上手くいったようだ。
メインのおかずとしては物足りないが、ワインなどを嗜む人には最高か?
またたくまに身離れのよい二匹を平らげることになった。

黒蒸しパン

2011-03-01 13:59:56 | 
昨日は一個90円の「子猫のパン屋」製黒パンを買う。
平塚へ向かう129号沿いの「四の宮」という場所で作って卸している。
黒パン好きは昔からだ。もちっとした湿潤感がいい。
中学生時代、黒パンという仇名の色黒少女がいたことを思い出す。
今朝の朝飯は苦めに立てたコーヒーとこれだけを齧る。

四谷三丁目にまだパン屋の「浅野家」があったころのお目当てが三角形の黒パン「浅間山」だった。
よく売れきれをおこすパンだったが、味は大人そのもの。
軽井沢にも店があったようだから、地縁でついた名前がなんとも秀逸だった。
今朝の黒パンも美味いが、浅野家製は北軽付近に転がる溶岩と同じような色合いでもっと黒ずんでいる。
コクのある歯ごたえがたまらなかった。
何度も食べていたから、その日の天気で黒パンの密度が変調することもわかった。
もう一度あの黒パンを食べたいが、四谷を離れた浅野家は、自由が丘あたりにも、軽井沢にも店はあるようだが、そちら方面に寄ってみる機会がとんと減ってしまった。
もう少し春めいてきてよっぽど暇な一日でもあったらばあの「浅間山」に再会したいものだ。