Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

ZUND BARのラーメン

2012-12-10 11:32:20 | 
九月まで住んでいた伊勢原の日向薬師付近へ柿とミカンを買いに出かける。薬師への出入り商人が経営する売店のミカンは海辺に近い大磯付近で採ったもので、酸味と甘みの塩梅が好きだ。浜松の三ケ日ミカンみたいな本格的なオレンジ味覚はないものの一昔前の在来雲州ミカンよりは味が洗練・改良されている。五年近い在住のあいだにすっかりその味に馴染んでしまった。ミカンを買う前に昼食を済ませようと、七沢在へ寄り道する。

七沢から日向薬師へはちょうど山越えの林道が通っていて、ついでに枯れかかる寸前の紅葉も楽しめるという段取りで田舎風の風物が大好きな同行する友人も、自分で持ってきた高級一眼レフカメラの出番を期待して喜んでいる。昼食は七沢在ではニューフェイスなアジア無国籍料理の「WAI WAI食堂」にすべきか、異色ラーメンで人気があるらしい「ZUND BAR」にするのか迷った結果友人が望む「ZUND BAR」を選らんだ。

前に一度来たことがある野中の一軒家めいたこのラーメン店は相変わらず繁盛しているようで、どこか新興宗教団体か福祉施設の勤務者風質感を漂わせる女子スタッフの接客態度も売り上げがよいせいだろうか?掛け声に張りがこもっている。厚手のステンレスボウルが丼という異形ラーメンを啜ってみる。スープはあまり食したことがない「家系」と称する豚骨ベースの毒々しいゲインが高いものとは異なっている。魚貝出汁などを重ねて丁寧に何度も漉している様子が伺える。スープは醤油味に敵対しないで、清く澄んで包み込んで控えめながらもコクがある。麺は腰がある細麺で、このラーメンを啜っていたら、吉祥寺の熊野神社に近い五日市街道沿いに20年位前にあった煮干出汁に徹底的に拘っていたラーメン店を思い出した。当時の店主のいでたちは、ありがちなバンダナにTシャツではなくビストロのコックさんのような白装束だった。この「ZUND BAR」ラーメンの珍奇なメインメニュー、トッピング、レイアウト、陳列調度品等を眺めていると、異種格闘技の世界と同じようにラーメン業界も生き残りをかけてポストモダン戦争というか、ジャンルを越境した小技仕掛け時代に突入していることを実感させられた。

食後はこのラーメン店の敷地を流れる七沢川の土手に自生している千両などの庭木とも違って、赤い実の塊具合がユニークな「さねかづら」の枝木を失敬してきて、家の中に野山の遊び気分を注いでみることにした

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