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平日休みの散歩は久しぶりの武蔵五日市、西多摩郡の日の出町、飯能市付近を近在に住んでいる友人提供のホンダ・フィットでぶらついてみる。飯能では西武線の駅に近い旧中心地の「広小路通り」を散歩する。内陸に位置する飯能や秩父が蒸し暑いという噂は何度か耳にしたことがある。その噂どおり油汗が滲んでくるような、梅雨が一服して真夏の気候になっている本日だった。ご他聞にもれず飯能の町中も、日本の中堅都市が共通して辿っている地盤沈下の暗雲が漂っている。閉店する店も多くシャッターストリートになりかねない町の活性低下に抗して町興しのような動きも胎動しているようだ。
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商店街を歩いていて見つけた「日替わりシェフの店」もそんな一つらしい。異なった料理分野を曜日によって分けて低廉なお手頃値段で楽しもうという企画だ。ちょうど本日は飯能地方の名産といえる「地粉手打ちうどん」の日になっていた。試しに入って食することにしてみた。飯能の農家に伝わってきた伝統食のうどんは色があさ黒い平打ち麺でシコシコした腰の強い歯ざわりが特徴である。
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調味料にはおろし大根、ゴマ、紫蘇、これに漬け汁がついてくる。塩と小麦粉だけで添加物を一切使っていないこのうどんには素朴な地粉に含まれた独特な甘みがある。しかしシコシコしたうどんの野生感に対して何か物足りない感触がする。漬け汁のせいだ。本体は昔の味覚が保持されているのに、漬け汁はなんとなく素っ気無い味がする。宗田、鯖、鰹等の混合出汁の煮詰める濃度が不足している印象で、これでは名物うどんとしては少し役不足なバランスなのかなと辛口感想も浮かんでくる。食したあとは、付近にある昔風の荒物屋、瀬戸物屋、好評・堅実の「英国屋」パン店なども冷やかして廻ることにする。その中の瀬戸物店は「イチノ陶器」という飯能における老舗だ。ここでは不良在庫めいたストック品をかき回していたら、一時代前の匂いを放つ意匠の勝れものをいくつか発見する。
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写真の厚ぼったいガラスコップなどもそんな典型だ。器体の薄いピンクはあるかないかの風情で台座付近の空色とよいハーモニーを輻輳している。これを見たとたん、佐々木トーシローさんが薦める蝋燭立てとしての転用を思いつくことになった。自宅へ戻ってから暗い部屋の中で固形蝋燭に点火する。霞んでいる色ガラスの向こうにチロチロと燃える炎の先端がよい風情だ。しばらくこれの炎を眺めていたら、休日の歩行疲れのせいだろう、気持ちの良い睡魔に襲われ始めたようである。
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商店街を歩いていて見つけた「日替わりシェフの店」もそんな一つらしい。異なった料理分野を曜日によって分けて低廉なお手頃値段で楽しもうという企画だ。ちょうど本日は飯能地方の名産といえる「地粉手打ちうどん」の日になっていた。試しに入って食することにしてみた。飯能の農家に伝わってきた伝統食のうどんは色があさ黒い平打ち麺でシコシコした腰の強い歯ざわりが特徴である。
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調味料にはおろし大根、ゴマ、紫蘇、これに漬け汁がついてくる。塩と小麦粉だけで添加物を一切使っていないこのうどんには素朴な地粉に含まれた独特な甘みがある。しかしシコシコしたうどんの野生感に対して何か物足りない感触がする。漬け汁のせいだ。本体は昔の味覚が保持されているのに、漬け汁はなんとなく素っ気無い味がする。宗田、鯖、鰹等の混合出汁の煮詰める濃度が不足している印象で、これでは名物うどんとしては少し役不足なバランスなのかなと辛口感想も浮かんでくる。食したあとは、付近にある昔風の荒物屋、瀬戸物屋、好評・堅実の「英国屋」パン店なども冷やかして廻ることにする。その中の瀬戸物店は「イチノ陶器」という飯能における老舗だ。ここでは不良在庫めいたストック品をかき回していたら、一時代前の匂いを放つ意匠の勝れものをいくつか発見する。
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写真の厚ぼったいガラスコップなどもそんな典型だ。器体の薄いピンクはあるかないかの風情で台座付近の空色とよいハーモニーを輻輳している。これを見たとたん、佐々木トーシローさんが薦める蝋燭立てとしての転用を思いつくことになった。自宅へ戻ってから暗い部屋の中で固形蝋燭に点火する。霞んでいる色ガラスの向こうにチロチロと燃える炎の先端がよい風情だ。しばらくこれの炎を眺めていたら、休日の歩行疲れのせいだろう、気持ちの良い睡魔に襲われ始めたようである。
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