Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

6月の収穫

2019-06-25 12:37:49 | ラジオ亭便り
かって隠居仕事としてパート仕事をさせて貰っていた職場から要請があって毎週土日の朝方3時間のアルバイトを引き受けている。屋内の各部屋 、廊下、男女便所の清掃から庭の手入れをマニュアル通りに単独でこなす仕事内容だ。昔風の言葉なら「掃除夫」今時体裁の良い言葉では「美化スタッフ」である。

これを引き受けたのは慢性的に来客が少ないカフェ維持の為の幾分かの足しにしたいという自分なりの形而下的浅知恵もあるのだが、何より大切な事は忍び寄る身体の老化に抗う心身鍛錬に繋がる効能、現代版「森田式作業療法」みたいな心の浄化という目論見も兼ねている。誰かが脱糞した後の便器にこびりついている残滓を硬い柄つきブラシで無心に洗い流すのも、昔の怒りっぽい修行不足の自分ならとても引き受けるような内容ではない。しかしこうした作業を内的呪詛フレーズを奔出もせずに静かにこなして周りのモノがサッパリとする心地良さを味わうこともよい。

ここでは庭掃除も必須である。落ち葉を掃いて雑草を除去する。季節の変わり目には花の集団植え替えなども行う。3時間の労働は手足を小刻みに使ってあっという間に過ぎていくが、その頃には身体が小汗を噴出してポカポカと温まってくる。スポーツジムへ行かずに金銭対価を得ながら心の境地にも通じるこの職場を気に入っているが、更に良いことは小菜園の自己管理ができることだ。

裏庭の畳半畳程度の四角な花壇には周辺の環境を壊さない花や小野菜が植えられている。この小菜園区割りに自分が好む苗を植えて良いか?と上司に願い出たら自己負担ならば良いという答えが返ってきて早速、春植えの苗を横浜橋商店街の花屋で調達して来た。「バジル」「イタリアンパセリ」「獅子唐芥子」「オクラ」「いんげん豆」「ミニトマト」「大葉」の類である。

日当たりの良い場所で苗は週末に訪問する度にどんどん丈を伸ばしている。別の日に同じ仕事を引き受けている品格の良い婦人からラインが先頃送信されて来た。「インゲン豆がたくさん実っているようなので取りに来ませんか?。ついでに少し分けてください」というような内容だった。快諾してスーパーカブに乗ってそのバイト先に向かう。やはり「インゲン豆」は葉の陰に隠れるようにたわわに実っていた。バジルや大葉、イタリアンパセリは薬味に使うので始終捥いでいたが、インゲン豆は未だだと思っていた。7月には「オクラ」「ピーマン」「胡瓜」などが期待できそうで、ささやかな収穫を味わうこの梅雨空である。

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