Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

巣籠もりの癒し

2020-04-07 17:40:49 | ラジオ亭便り
コロナウイルス感染拡大によるアルバイトの自宅待機、外出自粛要請等、不安が押し寄せる毎日だ。懐の方の行く末も十分に不安を煽られる状況だが、徹底的な「都市細民」暮しの幼少時で鍛えられた天性の忍耐力と心の足腰は曲がっていないので未だ持ち堪えることはできそうだ。外出も自己責任で平常の気持ちで自由自在にこなし、質素な和風伝承食生活にも工夫を凝らす毎日である。

先週の平日は真鶴半島に住む音楽を含むアート嗜好が同類の高齢単身老人宅を訪ね旧交を温める。ガラガラに空いた東海道線の車窓から海辺を背景とする西湘地方の沿線桜の絶景をまるで独り占めする様相、そしてこんなにも桜を静謐に味わう四月というものは初めての経験である。

知人が住む海を眺望する家に繋がる崖上の斜面を彩る花々が開花する季節も良い。菖蒲、菜の花、大手毬、などの花塊と後方で凪ぎ日和に靄っている相模湾の青のコントラスト、これまた自然に囲まれて在ることの至福感の極みである。

座間の専用庭では今年もモッコウバラが咲き出した。サッシ窓を開け放つとクリーミーな香りが立ち込めてくる。

団地を囲む生垣の植栽類を眺め歩いていた時、初めて頭上に溢れるアケビの紫色花を発見。山渓社の樹木図鑑を調べるもこれは「三つ葉あけび」とは葉の形状と枚数が異なる「あけび」に間違いがない。

これを少し手折って先週の横浜町歩きの途中で見つけたモダーンでいかつい益子の角瓶に挿して見た。黒く敷き詰められた釉地に茶色の柿釉抽象絵模様が施してある。フォルムは河井寛次郎に連なって行く思い切りを感じさせる形象である。じっと見つめていると大胆なこの瓶もあけびの花も互角の力量を相乗化させて良い勝負をしている。


数年前にアマチュア自作品として頂いたガラスの花瓶には近所の自作農家から150円で買ってきた菜の花を挿してみた。こうして借りている公営住宅の寂しい窓辺の春を愛でることができるのもコロナウイルス籠りが齎す心の薬効なのかもしれないと私かに微笑む昨今である。
12日(土)13時〜18時オープン

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