Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

百舌の蔵

2011-07-29 09:30:29 | その他
所用があって四谷見附まで出かける。曇り空で湿気も多いが、ここ
二年の酷暑に比べたら楽な7月の下旬である。
用を終えて四谷の交差点から幅の広い新宿通りを新宿駅まで歩く
ことにした。伊勢丹のある明治どおりまでが二キロの散歩コースだ。
表は無粋なビルが連なっているところだが、一歩路地裏へ入ると
三栄町も荒木町も昭和のしもた屋といった懐かしい家屋が点在する
静かな路地風情を味わえる町だ。

ちょうど、お昼時だから開店前の茶会記オーナーの福地君を呼び
出してみる。三時開店前の彼はたいてい、近所の丸正やセイフーで
夜のバータイムに使う食材の買出しでもしているだろう。
ふだんは電話にでない彼だが、やはり近所にいることがわかった。
四谷三丁目に近い「津の守坂」の交差点で落ち合うことにした。
彼に案内されて荒木町の外れにある一軒家カフェに向かう。
彼特有な言い回しを咀嚼すると、その店はNさん、つまり自分の
テイストに合うから是非案内したいらしい。
「津の守坂」は下がって行くと靖国通りと合流して、正面の高台が
市ヶ谷の自衛隊本部だ。

この坂を途中から左へ折れると錯綜とした荒木町の人家密集地帯へ
でくわす。そのあたりは有名な飲み屋街よりも東にあって、遮断する
急坂や行き止まりの路地があって迷路みたいなエリアである。
「百舌の蔵」は急な階段の崖沿いに建った瀟洒なビルで、ランチ等
もやっているカフェだが、染付け磁器を愛着している夫妻が経営している。
店内の一角は染付け磁器の青々した空気に染まっていて心地がよい。
見かけよりも大きな店内だけに、長居が煩わしいこともなさそう。
福地君も四谷三丁目に根が張ったようだ。結婚して食料補給も上手く
いっているのだろう。肌艶にハリがあって懸念する経営状況への心配も吹き飛んだ。
一時間ほどの茶話に弾んだあとは、盛り蕎麦を食べて駅へ向かう。
「百舌の蔵」主人とはかなりの頻度で外苑東通り付近の街路ですれ違っていることに後から気がついた。
また訪れてゆっくりしたい隠れ名所として心のポケットに仕舞いこむことにした。