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Rainy or Shiny 横濱ラジオ亭日乗

モダンジャズ、ボーカルを流しています。営業日水木金土祝の13時〜19時
横浜市中区麦田町1-5

逗子・「高雄」の五目そば

2014-08-31 06:39:30 | 

けっこう長い雨に倦んでいたら少し晴れ間がのぞいてよい散歩日和になった。北鎌倉のDさん、葉山のT女と連絡しあってお昼のC級グルメとお茶でもしようという話になる。予約していた大和のT会病院で検診を済ませてから、保土ヶ谷バイパス、朝比奈インター、京急神武寺、池子付近の山道を通って逗子警察署裏の中華店「高雄」でそれぞれ合流する。Dさんは昔譲ったスーパーカブの90CCで横須賀線の線路沿いに、ぴったり30分でやってくる。T女は地元だから134号の海沿いから長柄橋経由でクルマなら20分くらいの近距離だ。「高雄」は看板が幼稚で安っぽく見えるところがあるから、のれん地だとか看板の色具合で店の品格を判断しようとする人が見逃しやすい中華店である。

逗子といっても桜山の外れで東逗子に近いところにある。ちょうどお昼のピークがひいた時間でタイミングがよい。行列になるほどの店ではないが客捌きがいいから、よい間合いの食事ができる。三人とも総合格闘技っぽいパフォーマンス過剰な「家」系中華を嫌うことで一致するところがあるので、ここの昔風町場の中華屋らしい平凡味をひいきしている。今回は自分が塩味スープの五目そば、お二方はサンマーめん、大粒で餡がむっちりと詰まっている餃子は一皿を分け合うことにする。

もう季節は乾期になっているから大汗をかいてフウフウいいながら食べることもない。五目そばは全く澄んで鶏ガラ系の上品なスープにも関わらずコクがある。五目の具には茹でた人参の細切りが二本浮いているところが他店とちがう色どりだ。これが大きかったら嫌気のさすところだが面白い。色味のよい具を選んで食べながら、スープを啜る。チャーシューもドンコ椎茸も美味い。お隣の二人も藤沢「古久家」に似たきっちり仕上げたサンマー麺を十分に味わいながら、時々この真夏の回顧話をしている。

食後のお茶はすぐ前に「きりぎりす」という秋めいた名前のコーヒー店があるが、やめてT女宅の大きな居間で遠望する海や溢れる緑の植樹を愛でながらお茶することになった。餃子分をT女が出してくれたから、お茶うけのお菓子をセブンイレブンで買う。一瞬、途中に点在する「マーロウ」のプリンでもと思ったがとどまる。上質な町場のC級グルメを凌いでしまう悪しきコストパフォーマンスを招いてしまい自分的にはいかにもバランスが悪い。セブンイレブンの割高だが美味の煎餅、ロールケーキなどをつまみながら、T女宅の天然ジュース、抹茶、煎茶などを楽しみながら夕暮れまでの時間を過ごす。


田舎道のパン屋さんと「弘法の里湯」

2014-08-10 08:08:07 | 

母親の施設から印鑑を求められる用事ができて伊勢原の田園地帯へ出かける。台風11号が北上してきているニュースを眺めていた。そこでいつも使うバイクはやめることにした。にわか雨の中をバイクで走る片道10数キロはとてもしんどいものがある。まだ雨は降っていないから座間駅までのほんの数分をバイクにして電車、バスを乗り継いで母親の施設へと向かうことになった。

バイク置き場に覆いかぶさっている公孫樹の大木を仰ぎ見るのは日課みたいになっている。繁る葉っぱの陰に沢山の銀杏の実が垂れているが、やはり立秋を境にしてその実の色具合は青緑から黄色へと諧調を微細に変えている。施設はとても便が悪い所にある。しかしそこへ行くのは嫌いではない。在来の農地の際を彩っているそれぞれに叶った季節の花を見るのがいつも楽しみだ。半端に都市化している座間付近よりも伊勢原の郊外は未だ自然が奔放でその色彩は濃厚だ。1時間に二本というダイヤのバスに乗った甲斐もあって施設へ向かう露地は真夏のさなかだ。

百合や向日葵の勢いを感じる大きな農家の庭先を通り過ぎるときにパン販売の看板を見かける。手造り風看板の活字ロゴ体に好感を覚える。幸運にも月に一度の土曜日オープンに巡りあわせたみたいだ。座間にある「池久」、湯河原の山沿いにある「和っしょい」、この「ボナペッテイ」もそうだが本格的個人技能が発揮しやすい分野がパン屋さんなのだろうか。鄙びた立地にあってとても採算ベースには乗っているとも思えないが趣味の延長で味を極めようという楽しさに小さな喜捨で加担することにする。

ちょうど母親のおやつにも向いているマドレーヌ風や一口サイズの調理パンを3個500円くらいで購入することになった。味は前記二店が麦素材や発酵・焼き上げのプロセスを剛直に徹底探求しているパンの味に対して、こちらは若妻さんのやさしいおやつ味といったところで座間駅前にある「ポエム」という店のパン等で味わう食感にもどこか似ている。母親の昼食後にマドレーヌを食べさせてみた。美味い!美味い!を連呼している。年寄りと幼児の舌は正直だからきっとこのお店もシンパ層を序々に広げることになりそうだ。

施設の面談を終えてバスを待つ合間に秦野在にいるNさんへ久しぶりの電話をしてみる。Nさんは熱海付近の海岸で深夜の伊勢エビ釣りをしてきたがボウズだったらしい。ちょうど鶴巻温泉の「弘法の里湯」のサービス券があるから行かないか?と誘われる。待ち合わせして鶴巻温泉へ出向くが台風余波の情報統制も行き届いているのか?いつも混雑している温泉は長閑な様子だ。ぬるめな浴槽に浸かって、時々露天風呂にも浸かることを繰り返す。

Nさんへの温泉無料の返礼に近くの「コロラド」珈琲店で珈琲をおごる。こちらが最近食べた福島県田村市付近の桃の味を褒めたらNさんも同感する。Nさんは返す刀で秦野付近の枝豆の不味さを罵倒している。元全共闘で今は世捨て人の飲んだくれという風情のNさんだが、日頃交わっている秦野付近の百姓さんが「農」を自棄して形骸化した農作物しか作っていないことに腹を立てているみたいで、こちらはよき聴き手として格好のガス抜き相手になっている。Nさんは伊東にある敷地を処分してもっと近くの湯河原付近を終の棲家にしたいと画策している様子だ。それが実現したら泊めてくれと冗談を言ったら、一年に亘るような居候は困るが一カ月くらいならいつでもいいよ!と気の良い坊ちゃん気質で応じてくれるところがNさんらしい持ち味である。


梅干しと小豆で猛暑をしのぐ

2014-08-08 12:13:20 | 

じっとしていても汗がふきだしてくる毎日だが、暦の上では立秋を迎えている。外勤仕事は調査で方々へ出かける。猛暑が続くからといって控えるわけにもいかない仕事だ。炎天下で記録をとったり、デジカメ撮影をするのだが、内勤でパソコンへ入力する単調な繰り返し作業よりも性には合っている。炎暑に負けないよう一日で一番、しっかり食べるのが昼飯で先日も川崎市の武蔵中原の場末にあった「キッチンファミリー」が当たり店だった。表に掲げてあった多ジャンル総花メニューに疑心暗鬼となるが、ここの「酸豚ランチ」750円等は大当たりだった。椎茸、キュウリ、ニンジン、小さめ豚肉の具材がところせましとひしめいている。しかもカラッとした下揚げで野菜類の保湿も適切だ。甘めな片栗のトロミ餡との絡げ具合がとてもよかった。新橋・田村町付近の「新橋亭」のランチ酢豚等と比べても無名ながら格上の味に満足する。夏バテの克服はよく食べる、よく眠る、汗の分に見合う水分補給という昔ながらの対処しかない。

家にいる時の夏バテ対策食材でこのところ毎日活躍しているのが曽我の梅干しと自作冷製汁粉だ。梅干しは7月のフリマでゲットした蓋付壷屋焼きの中で見事納まっている。

そして冷やし汁粉は最近、葉山散歩の寄り道でゲットした小池陶器店販売、魯山人写しの蟹絵茶碗だ。美濃の窯で焼いているとの話だった。これは最初、飯椀として使ってみたが相性がよくない。内側の傾斜が垂直すぎてご飯には向かないようだ。そこで夏食材らしいトコロ天、汁粉用に出番が回った。

睡眠が浅い傾向になりやすい夏の宵だが、熟睡の為に梅酒を少し飲んでから寝るようにしている。器は金城敏男のお猪口あたりがふさわしい。魚紋の絵付けがなんだか夏バテを雲散させてくれそうである。旧盆になる次週だが週の初めの仕事が終えたら長い休暇がやってくる。この休暇には一般道や山岳道ばかしのコースを選んで信州、木曽付近を踏破してこようと今から地図と睨めっこする毎日である。


夏空とまくわ瓜

2014-07-28 20:58:05 | 

老健施設に入っている92歳の母親の様子を見に伊勢原まで原付2種バイクを走らせる。海老名から相模川を渡るのだが、水の色を近くで見れる橋は「あゆみ橋」という橋で、ここを渡るのはお隣にある新相模大橋等を渡るときのような禍々しさが襲ってこないから気持が楽である。鮎を立ちこんで釣る人の風景を眺めながら国道129号へと向かう。厚木の酒井付近から伊勢原の内陸部へ入ると母親の施設はそう遠くはない。伊勢原・下谷付近の畑作地帯では玉蜀黍(とうもろこし)が照り返す太陽を浴びて猛々しく背丈を伸ばしている。

母親は年を重ねるごとに小さくなっている。二人部屋の小さな部屋でベッドに横たわって38キロ程度の痩せた体を折り曲げて昼寝していた。歩行器に腕を添えて自力歩行してきた母親と面談室のようなところで一時間ほど雑談する。記憶力は強靭で戦時中の疎開地の食べ物の細部まで諳んじるのに、一部に記憶失認がでてきたようだ。施設へ入ってちょうど4年になるが、自分はここにもう10年も入っていると言い張ってやまない。それでも伊勢原に住む孫夫婦のクルマに乗せてもらって88歳の妹が住む浜名湖の奥地へ連れて行ってもらうという夢は膨らんでいるようで、自分もそうしてもらったらいいねと相槌をうっている。最近、筆書きしたという鰻という字を書いた半紙も見せて嬉しそうである。亡妻がよく毛筆時にブンチンを丁寧にセットしていたのを見聞していたようで、そんな情景まで語っていて仲が悪かったわりにはこちらの知らないことまで知っているから不思議なものだ。

いつものように肩をポンと叩いて施設を後にする。遥かに高い夏空を見ていたら急にあの甘くない「まくわ瓜」が食べたくなった。そこで農産物直売所の「わくわく広場」へ寄り道する。この瓜はもう時代錯誤で農家が余興で栽培しているものが、秦野、伊勢原付近で少々出回っているくらいだ。ちっとも甘くはないが夏の瓜臭い香りが好きだ。1個200円でこれを買い不揃いの大玉、小玉が混じったトマト、農家自作の糠漬胡瓜などを買って座間へ戻る。一晩冷蔵庫でよく冷やしたこの黄色い瓜を縦割りにして翌朝頬張ってみた。今年も夏を生きているという仄かな甘みが口中に広がっていく。


信州アイスコーヒーと桑葉茶

2014-07-26 05:46:38 | 

先日、知人の鍼灸師と雑談をする為に都心へでた。まだ梅雨は明けていなかったが今年も猛暑の予感がする蒸した一日でいやおうなく喉が渇いてくる。急な予約電話が入ってその鍼灸師は青山へ向かうことになったので、こちらは歩けば15分程度の日比谷線・広尾駅へと向かう。ちょうど昼ランチの「ホッケ定食」をその知人からご馳走になったばかりだ。どこかで一服してから電車に乗ることにした。辺りのカフェを物色するがどこもせせこましいところばかりだ。

少し有栖川公園の方へ向かった角にオープンカフェがある。イタリアンコーヒーの都心型チェーン店で近くに住む元カノともたまに入った店である。元カノが飯変わりに食べていた「パニーニ」をふと思い出す。お店の景観はそのころと違わない。新宿の東口にも同じ店があるが、広尾の方が周りの大きな樹木との調和が潤いをもたらしている。冷えたアイスコーヒーが欲しくなって注文する。味は濃いだけのスタバ的平凡品だが、ようやく涼むことができた。ここでは周りでおしゃべりしているタバコ女達の紫煙を浴びながら携えていた岩井志麻子のねっとりとした「魔羅節」という良質な岡山ポルノ民潭を読む。

この日は帰宅しても蒸し暑さは衰えない。そこでイタリアンチェーンのアイスコーヒーを凌駕するアイスコーヒーをたてることにする。あちらには苦みがあるが香りが不在だ。ちょうどジャズ友の桜井さんからいただいた「信州珈琲」があった。500グラムという贅沢品である。これはアイス専門用に粉を引いているから最適だ。濃い目に点てて香りを満喫する。アイスコーヒーもストックは駄目でその都度点てることが風味を失わないコツだ。最近は仕事先ではセブンイレブンの100円アイスコーヒーを愛飲している。これは並みいるチェーン店の味を凌いでいると思うのは自分の錯覚だろうか?この真夏はセブンイレブンのアイスコーヒー、自宅仕立てのアイスコーヒー、葉山の丘に生えている桑の葉を乾燥させてカリカリにして杜仲茶の紙パックに混ぜる。これを20分くらい湯煎して冷やしたもの。この三つの定番アイス飲料で腹を冷やさない程度に夏を越えようと思っている。