志太泉オフィシャルブログ

静岡県藤枝市の地酒の蔵元。志太泉酒造のブログ。違う角度から見た日本酒の現在とは

清酒専門評価者 第2回

2014-12-05 20:15:03 | 社長が持ってる無意味な資格

それでは、具体的にどんな試験なのでしょうか?

1 基本味及びにおいの識別 基本味及び金属味の識別試験
Open Essenceによるにおいの同定能力試験

味の識別
水に、クエン酸(酸味)、カフェイン(苦味)、塩(塩味)、糖(甘味)、味の素(旨み)、硫酸鉄(金属味)をわずかに添加したもののサンプルで味を確認した後
その6つの味と水3個の計9つの液体サンプル(例えば1~9)の液体を味見して
酸味は3番、甘味は7番とかいうように当てていく。
合格ライン6問中5問正解

においの識別
http://www.wako-chem.co.jp/siyaku/info/ana/article/openessence.htm

これを使って例えばこのカードの香りは(いおう、墨汁、ニス、畳)のうちどれと当てていきます。

合格ライン12問中10問正解

すごく心配になりますが、おそらくここはほとんどの人が1つくらいしか間違えません。
気楽にやればこんな楽しい事はありません。
 
2 酸味及び甘味の差異の検出 3点識別法による試験
①清酒に酸を添加した識別試験
簡単にいうと、同じお酒に、酸を加えたお酒がと何も加えないお酒があります。
3点の中で1点だけ酸を加えていれば、加えた1点だけ酸っぱいはずです。
3点の中で2点酸を加えていれば、加えない1点だけ酸っぱくないはずです。
酸の強さが違うのは、3点のうちどれだという試験です。
(すべて酸の強さが同じといういじわるはありません)

これを6セットやって5セット以上の正解が合格です。

②清酒に甘味を添加した識別試験
同じことを甘味でやります。
同じく6セットやって5セット以上の正解が合格です。

これは、甘味も酸味もかなり差があるのです。
そのため、出来て当然なのですが、意外とわからないです。

3 香味強度の順位付け 順位法による試験
①アルコール、②甘味、③酸味、④酢酸イソアミル、⑤カプロン酸エチル、⑥イソバレルアルデヒド
これは、A~Dの4つの液体があります。
アルコールで説明するとアルコール度13度のA 19度のB 15度のD 17度のCを
アルコールが弱い方から強い方に並べよという問題です。
答えは(弱い方から) A D C Bという順番になります。
(この例は、厳密な値ではなく、説明のための例えです)
合格するには、完全な正解と隣のひとつの間違いまでなOKです。
(A13度 C17度 D15度 B19度で並べてしまっても、CとDの一つ間違いなら許すということです)
これを①~⑥までやります。

2と同じく、かなり差があるので、出来て当然なのに、できないという試験です。
舌の疲れというのもあります。

4 においと味の記述及びその由来 標準見本を用いたにおいと味の確認及びその由来に関する講義及び訓練
試験:標準試料のうち任意の5種類×2のにおい試料について特性を回答するとともにその由来について回答する。

これは説明しにくい試験です。
かつ個人的には、いちばん難しい試験です。
普通のお酒に約21種類の物質のどれかが添加されたお酒5種類がまず与えられます。
そこで、それぞれの香りを記憶してメモします。
ここでその5種類のお酒は、片づけられてしまいます。
そこに新たに5種類のお酒が登場して、このお酒はさっきのお酒のうちどれだというのを当てます。(いわゆるマッチング)
それでなおかつ、その21種類の物質名の内どれだというの当てて、その物質は醸造においてどんな場合発生するかの由来を書きます。
例えば、『酪酸』という物質が正解なら『火落菌による汚染、または柿渋からの移行』

しかも2セットという鬼畜な試験です。
ここは、75%の正解率が合格に必要です。

7 記述的試験法 記述的試験法(プロファイル法)及び尺度評価の訓練
統計処理(分散分析)に関する講義
①純米酒(特徴に差があるもの6点)
②吟醸酒(特徴に差があるもの6点)
試験:記述的試験法による試験
①純米酒(特徴に差があるもの3点)
②吟醸酒(特徴に差があるもの3点)
ここは、うまく説明できませんな。

というのが試験の概略です。
(次回に続く)

コメント
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