8月は、僕には辛い月でした。
なぜなら、14年間も一緒に暮らしてきた愛する
めがねちゃんと離れて過ごさねばならなかったからです。
めがねちゃんは高齢ながら、元気だったのですが、とうとう7月の終わりごろ、蝶番がグラグラになってきたのです。
そこで、
めがね修理のタムラさんのところへ入院させることにしました。
めがねちゃんとの出会いは、そもそも23年前の1986年にさかのぼります。
めがね屋さんで見かけたとき、僕は思わず一目惚れしてしまったのですが、貧乏人だった僕には住む世界が違うというか、高嶺の花だったのです。
フレームだけで、45,000円もしたのです。当時は、今みたいにめがねが安くないとはいえ、高価でした。
翌年、それまでかけていためがねが壊れ、高いけれど、
めがねちゃんに掛け替えよう、と思いました。
しかし、
めがねちゃんはあまりにも個性的であるためか、メーカーは廃盤で在庫なし、カタログからも落ちており、どのメガネ屋さんに行っても在庫もありませんでした。新しい道を通る時、メガネ屋さんがあれば、必ず入って
めがねちゃんのことを聞いて回りました。
退院して戻ってきた
めがねちゃんの姿はこんな風です↓ ステキでしょ
ロリータレンピカというブランドの、たぶん女性ものなのですが、僕は恋焦がれて、それからというもの、ずっと
めがねちゃんを探し続けました。
めがねちゃんと出会えたのは、その8年後、1995年のことです。それまで、ストーカーのごとく、8年も追い続けたのですね。
さほど忙しくなさそうな東京のメガネ屋さんで、売れ残っていたのを見つけた時は、飛び上がって喜びました。しかも、「ファンキーイエロー」「シャイニーピンク」「アンティークブラウン」の3色も残っていたのです

しかも、3割引セールだったので、31,500円で買えました。
(余談ですが、今はもう、その店はないのです……)
「アンティークブラウン」が一番好みだったのですが、そのときに掛けていためがねとほぼ同じ色だったので、「シャイニーピンク」にしました。よっぽど壊れたとき用にもう一本買っておこうかと思いましたが、そこまで余裕がなかったので、涙を飲んで諦めました。
それ以来、
めがねちゃんとは、お風呂と寝るとき以外、いつも一緒だったのです。不覚にも椅子の上に置いておいたとき、悲しいかな、人に上から座られてペチャンコになってしまったことが2度ありましたが、何とか自力で直していました。
しかしとうとう、もう限界を超えてしまいました。
ずっとこれまで、めがねが壊れたとき、泣く泣く買い換えていました。
でも、あるメガネ屋さんで、めがねは壊れても修理してくれる職人さんがいらっしゃることを聞いたのです。福井県鯖江市は、めがねの故郷であることも知りました。
そこで今回は、初めて入院させてみたわけです。
めがねは壊れても、ひとたび職人の手にかかれば、終わりではないのです
下は、ビフォーアフターです。蝶番も黄色矢印のところが亀裂が入っています。
けれども、
タムラさんのおかげでこんなにきれいになりました。
テンプル(つる)の部分もこの通り↓
色も、アンティークコパーにしてもらいました。
お値段も、非常に良心的でした

これからも、ずっと一生涯のパートナーとして、愛する
めがねちゃんと過ごしていきたいと思います。