ちいさなおしゃべり

Shantia家のメインランド生活日記

アレックス誕生話 ~破水から出産まで~

2006年09月25日 | Family
破水したのでクッションがなくなり、ここから陣痛の痛みが増した もちろん間隔は2分おき。耐えるのにつらい陣痛が続いたので、子宮口が開いていることを期待するShantia 
破水から1時間後の5時10分ごろ、二度目の内診。

「...5cm、ポジション-1cm」

1cmしか開いてない、しかも赤ちゃん下がってきてないし 1時間で1cmってことはぁ...あと5時間?!絶対無理!! エピドール(無痛分娩)に逃げたくなってきた。Dr.Shimizuが
「何か痛み用の薬いる?」
と聞いてきたので、まず点滴注入型の薬をもらうことに。効果はマイキーのときに使ったステドールと同じなのだが、効き目が30分だけ、というもの。これを入れてもらってすぐに眠気 陣痛は相変わらず痛いが、陣痛の間はほぼ寝てる状態。

それから更に30分後、今度は看護婦さんによる内診。
「今Dr.Shimizu、ちょっと家に帰ってるから。あ、ノースのじゃないわよ。カイルアの別荘の方」
カフクでの出産がなくなってからというもの、Dr.Shimizuは誰かが産気づくたびにこのCastleかタウンのKapiolaniまで行かないといけない。しかも翌日のチェックもしなきゃいけないので、負担を少しでも減らすためにカイルアに別荘を買ったらしい。すごいなぁ、Dr.Shimizu。
で、肝心の内診の結果。

「7~8cmね」

おぉ!!ちょっとゴールが見えてきた?! でも薬がきれたので陣痛の間に休むことが難しく、ひたすら痛い 仰向けだと腰も痛いので、気持ち横になる私。陣痛が来るたびにジョセフ君の手を握りつぶすような勢いで握る妻。もう一度、薬を入れてもらうことにした。

午後6時を過ぎても肝心の『お手洗いに行きたい感覚』がやってこない。痛みは十分にある。もうそろそろ限界が近づいてきたように感じたShantiaは祈ることに。
「どうかこの痛みを乗り切れますように。そして出来れば6時半までに赤ちゃんが産まれますように」
と。

再び薬がきれる時間の6時15分、看護婦さんによる内診。

「8cmね。Dr.Shimizu、もうすぐ着くからね」

...もう限界 どうにかしてこの痛みから逃れたい あまりにも痛くて突然吐き気に襲われたShantia。胃には水しかはいっていなかったから吐いたのは液体だけなんだけど、前回吐いてない分ちょっとショック そして直後に
「お手洗い行きたい!!」
と叫びながら訴えた人。もちろん即内診。看護婦さん、
「もう出るわ、この赤ちゃん。Dr.○○スタンバイさせといて!!そのシーツ、持ってきて!!」
とたまたま入ってきた他の看護婦さんに指示。
いきみたい気持ち満々で、赤ちゃんがもう出口にいるのがわかってていきまない妊婦はいない。ていうか、いきまずにはいられない 半叫びながらいきみだすShantia、担当の看護婦さんが出産を指揮する周りで、突然大忙しモードになったほかの看護婦さん達。ベッドはもちろんそのまま、分娩台に変えてる余裕なんてない。私も横を向いたままでいきみだしてるし 4人目なのにいきみ方間違ってる人。

まだ頭が完全に出ていない感覚があったとき、看護婦さんたちが何かを使い、そしてパシッと音がした。何が起こっているのか分かるはずもないShantiaはひたすらいきみ続ける。その直後、部屋に手術着を着た見た事ない医者が入ってきて、残りの出産の様子を見守っていた。
その数秒後、無事に赤ちゃんがニュルッと出てすぐさま処置台へ。それと同時にDr.Shimizu登場 その見知らぬ医者に
「Hi, I'm Dr.Shimizu.」
と軽く自己紹介をし、私の処置に移った。私の後産の世話をしながら、担当の看護婦さんに
「なんで7cmになったときに連絡しないの?!そしたら間に合ったのに」
というセリフを4,5回繰り返していた。私の突然猛スピードで進む出産を2回も目の当たりにしたDr.Shimizu、そう言わざるを得ないよねぇ

猛烈な痛みから解放されて半分放心状態であたりを見回すと...あ、シーツ血だらけ。私のガウンにも血が飛んでる げっ、ベッドのレールまで 2回連続、ベッドを分娩台に変える時間を与えずに出産し、ベッドを血だらけにした人。

いきんでいる途中の看護婦さんによる『パシッ』と言う音、ジョセフ君の説明によると、アレックスの首にへその緒が巻き付いていて、次にいきむときっと締め付けてしまうだろうという判断の元、体が出ていないうちにはさみでへその緒を切ったらしい。だから、直後に外でスタンバイしていた外科医が入ってきた、ということのようだ。

こんな感じで突如慌しく出てきたアレックス君、私の祈りが見事に聞き届けられ、6時29分という時間だった。
この時間も実は微妙なのだ。私とジョセフ君がずっと見ていたのは壁の時計。その時計ではアレックスが出てきた時間は6時28分。でも病院側が使っていた時計は陣痛モニターの方の時計。これだとアレックス君の誕生は6時23分。そしてケータイの時間、つまり衛星から読み取っているもっとも世界基準に近い時間は6時29分。どの時間を使えばいいのか私達はいまいちわからないのだが、少なくとも全て6時半前である。

でも今回は結構痛みに苦しんだわー。日本で出産しているお母様方がとってもすごいと思う瞬間だよ、うん。一人目のあの長いお産から麻酔なしなんだもんねぇ。

アレックス誕生話 ~入院から破水まで~

2006年09月25日 | Family
9月21日。病院の予約は9時半なのでまず娘達を学校へ送り届け、マイキーをグランマに預け、8時半にジョセフ君と病院のあるカイルアへ 今回の病院は
Castle Medical Center
車で1時間って遠いよなぁ。
病院に着いて受付を済ませ、早速『Birth Center』に移動。計画分娩だけあって、既に部屋が用意されていた。ここのスタイルはLDR式 つまり陣痛→分娩→回復が全て一つの部屋で可能。今までは産んだ後に部屋を移動するスタイルだったのでちょっと新鮮!しかも部屋が広くてきれい 

部屋に入るなり早速入院ガウンに着替えるように言われ、すぐに陣痛モニターをつけられた。そしてモニター観察しながら看護婦さんによる問診。その途中、
「...で、今陣痛来てるけど?」
と言われ、
「え、そうなの?」
と答えるShantia。看護婦さん、
「...全然感じないわけね...
って。

11時前ごろに誘発の準備開始。まずは点滴。今回は右腕にされた。そして前回同様、針を入れた後に丁寧に腕を拭かれていた私。つまり腕が血まみれになったということですな。...そんなもんだっけねぇ、点滴って?? 11時20分ごろにようやく陣痛誘発剤の点滴が開始された。点滴開始直後から今まで不規則だった陣痛が見事に規則的にやってきた、しかも4分おき でもまだまだ全然痛くない。陣痛の山のピークを感じるくらい。余裕がまだ大有りの妊婦は
「...おなかすいた」
と訴える。食べれないとわかっているが、ちとつらい。しかし!!なんと『Clear Liquid Meal』という名で病院食が運ばれてきた。内容は
Jello、野菜からとったスープ、クランベリージュース
つまり、透き通っている液体のみ。それでも空腹だった妊婦にはうれしい。
誘発剤点滴開始後、30分ごとに看護婦さんが観察にやってきては誘発剤の量を調整していき、徐々に強めの陣痛が来るように。それにつれて、間隔も2~3分おきになってきた。

Dr.Shimizuが到着したのが4時。このころには結構強めの陣痛が来ていたが、まだ耐える事が出来るくらい。モニターをつけてからDr.Shimizu登場までなんと一度も内診がなかったのだ。だからこの時点でどれだけ子宮口が開いているのかドキドキ。なんてったって陣痛は2~3分おきだからね。看護婦さんが、
「私の予想では5~6cmかな?」
と横で言いながらDr.Shimizuによる内診。

「う~ん、4cm!」

昨日の検診から1cmだけ?! ほんっとに毎回陣痛だけ余計に来るよねぇ。
前回の出産で破水後5分で子宮口が6cmから10cmに開いた上に赤ちゃんがでてきた、ということを知っているDr.Shimizuはその場で人口破膜を行った。
「う~ん、まだ早いと思うけどなぁ」
と思っていたのは私だけだったのかも知れない。Dr.Shimizuも看護婦さんも
「今回は何分で産まれるかしらね
って言いながら部屋を去っていったから。