さて、GW? 何それ?な第874回は、
タイトル:毒師プワゾン
著者:魔夜峰央
出版社:白泉社 花とゆめコミックス(初版:'90)
であります。
奇才・魔夜峰央の描く、耽美スプラッター・ホラー・アクションの傑作。
実は、『パタリロ西遊記』が出るまでは魔夜漫画の中で最も好きな作品でした。
一冊で終わっているので、ストーリーの奥行きでは『パタリロ西遊記』に及びませんが、キャラは文句なしにこっちの方が好きだったりします。
(三蔵様御一行も好きなんですが、それを圧してプワゾンのキャラがいい)
*
毒を使った暗殺を生業とする者達の総本山・毒師ギルド。
その本部で、一流の毒師であるプワゾンは裁判にかけられていた。
彼が若くして枢機卿の座についたことを快く思わぬ者達によって、罠にはめられたのである。
罪状は、依頼人の許可を得ず、その政敵を抹殺したこと。
だが、ギルドの長・毒皇までもが陰謀に加担しており、弁明は無駄に終わる。
処刑命令が下された瞬間、プワゾンは真面目な仮面を剥ぎ捨て、伝説の影毒で毒皇を仕留めた!
今までとうって変わって、尊大な態度で幹部達を仕切るプワゾン。
だが、死んだと思われた毒皇の反撃を受け、わずか三日で孵化し、肉体を食い破るという毒バエの卵を産み付けられてしまう。
やむなく逃走した彼は、毒バエの対処法を求めてある村を訪れるが――。
*
と言うわけで、超一流の毒師・プワゾンと毒師ギルドの戦いを描くホラー・アクションです。
本作の目玉は、何と言っても主人公のプワゾン! 物凄く格好良いのです!
黒髪で右目を隠した黒衣の美青年というビジュアルもさることながら、お茶目なアウトローという設定が絶妙で、これが少年漫画だったら軽く十巻は連載続けられるぐらいキャラクターが立っていました。
そもそも、第一話からして凄い。
毒師ギルドの幹部連中に囲まれ、もはや処刑を待つだけといった場面で軽く縄を溶かし、さっさと頭から潰してやるぜ! って感じで――
「毒皇! 死ねや!」
来たぁっ!(笑)
本誌でこれ見た瞬間、私、思いっきり吹き出してしまいました。
蝙蝠の形で宙を飛び、あらゆる毒を中和する光毒スクリーンすら貫いて敵を仕留める伝説の影毒――って、どう見ても毒じゃねぇだろ! という無粋なツッコミなど入れてはいけません。格好良ければすべて許されるのです。(をい)
これだけでも充分掴みはオッケーって感じですが、そこは魔夜峰央、まだまだネタは続きます。
古書に記されていた村で、プワゾンは毒バエの幼虫を体外に追い出す方法を発見しました。
しかし、身体の外に出た幼虫の群れが暴れ回り、村は潰滅の危機に陥ります。
襲い来る幼虫の前で上半身裸になり、背中を向けて薔薇の刺青を見せるプワゾン!
「これがプワゾンの、薔薇毒!!」
掛け声とともに背中から放射される溶解毒!
あらゆるものを輝きのなかに消し去ってしまうそれは、まるで無数のレーザービームのようです。
しかも効果音が――美ューム!(笑)
連載第一回目から凄まじいインパクトを与えてくれるプワゾンですが、その後も順調な活躍を見せます。
迫り来る追っ手をかわしつつ、ギルドの潰滅を狙うのが基本線なのですが、枝葉のエピソードがかなり楽しい。
毒師ギルドの見習い毒師をからかってみたり、若い女の子と男の子相手に二股かけてみたり(バイセクシャルとは言わず、「オレは博愛主義者だ」と断言するのがいい)、師匠と漫才しながら敵を迎え撃ったり、と、真面目なんだか不真面目なんだかよく解らない暴れっぷりは爽快です。
敵とのバトルシーンもなかなか見物。
超一流の毒師であるプワゾンに対抗するべく、ほぼ毎回、奇妙な連中が登場します。
対するプワゾンも心得たもので、爆裂毒や爪手裏剣など各話毎に新たな技を披露していました。
(しかしこの作者、本当に『伊賀の影丸』大好きなんだなぁ……)
魔夜ファンのみならず、バトル漫画好きには五重丸のオススメ。
愛だの正義だの関係なく、毒師ギルドを潰滅させるという目的のためだけに戦うプワゾンは、ある意味非常にストイックなキャラクターです。
しかし、これが花ゆめ本誌に連載されていたなんて、今じゃ考えられませんねぇ……。(笑)
――【つれづれナビ!】――
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タイトル:毒師プワゾン
著者:魔夜峰央
出版社:白泉社 花とゆめコミックス(初版:'90)
であります。
奇才・魔夜峰央の描く、耽美スプラッター・ホラー・アクションの傑作。
実は、『パタリロ西遊記』が出るまでは魔夜漫画の中で最も好きな作品でした。
一冊で終わっているので、ストーリーの奥行きでは『パタリロ西遊記』に及びませんが、キャラは文句なしにこっちの方が好きだったりします。
(三蔵様御一行も好きなんですが、それを圧してプワゾンのキャラがいい)
*
毒を使った暗殺を生業とする者達の総本山・毒師ギルド。
その本部で、一流の毒師であるプワゾンは裁判にかけられていた。
彼が若くして枢機卿の座についたことを快く思わぬ者達によって、罠にはめられたのである。
罪状は、依頼人の許可を得ず、その政敵を抹殺したこと。
だが、ギルドの長・毒皇までもが陰謀に加担しており、弁明は無駄に終わる。
処刑命令が下された瞬間、プワゾンは真面目な仮面を剥ぎ捨て、伝説の影毒で毒皇を仕留めた!
今までとうって変わって、尊大な態度で幹部達を仕切るプワゾン。
だが、死んだと思われた毒皇の反撃を受け、わずか三日で孵化し、肉体を食い破るという毒バエの卵を産み付けられてしまう。
やむなく逃走した彼は、毒バエの対処法を求めてある村を訪れるが――。
*
と言うわけで、超一流の毒師・プワゾンと毒師ギルドの戦いを描くホラー・アクションです。
本作の目玉は、何と言っても主人公のプワゾン! 物凄く格好良いのです!
黒髪で右目を隠した黒衣の美青年というビジュアルもさることながら、お茶目なアウトローという設定が絶妙で、これが少年漫画だったら軽く十巻は連載続けられるぐらいキャラクターが立っていました。
そもそも、第一話からして凄い。
毒師ギルドの幹部連中に囲まれ、もはや処刑を待つだけといった場面で軽く縄を溶かし、さっさと頭から潰してやるぜ! って感じで――
「毒皇! 死ねや!」
来たぁっ!(笑)
本誌でこれ見た瞬間、私、思いっきり吹き出してしまいました。
蝙蝠の形で宙を飛び、あらゆる毒を中和する光毒スクリーンすら貫いて敵を仕留める伝説の影毒――って、どう見ても毒じゃねぇだろ! という無粋なツッコミなど入れてはいけません。格好良ければすべて許されるのです。(をい)
これだけでも充分掴みはオッケーって感じですが、そこは魔夜峰央、まだまだネタは続きます。
古書に記されていた村で、プワゾンは毒バエの幼虫を体外に追い出す方法を発見しました。
しかし、身体の外に出た幼虫の群れが暴れ回り、村は潰滅の危機に陥ります。
襲い来る幼虫の前で上半身裸になり、背中を向けて薔薇の刺青を見せるプワゾン!
「これがプワゾンの、薔薇毒!!」
掛け声とともに背中から放射される溶解毒!
あらゆるものを輝きのなかに消し去ってしまうそれは、まるで無数のレーザービームのようです。
しかも効果音が――美ューム!(笑)
連載第一回目から凄まじいインパクトを与えてくれるプワゾンですが、その後も順調な活躍を見せます。
迫り来る追っ手をかわしつつ、ギルドの潰滅を狙うのが基本線なのですが、枝葉のエピソードがかなり楽しい。
毒師ギルドの見習い毒師をからかってみたり、若い女の子と男の子相手に二股かけてみたり(バイセクシャルとは言わず、「オレは博愛主義者だ」と断言するのがいい)、師匠と漫才しながら敵を迎え撃ったり、と、真面目なんだか不真面目なんだかよく解らない暴れっぷりは爽快です。
敵とのバトルシーンもなかなか見物。
超一流の毒師であるプワゾンに対抗するべく、ほぼ毎回、奇妙な連中が登場します。
対するプワゾンも心得たもので、爆裂毒や爪手裏剣など各話毎に新たな技を披露していました。
(しかしこの作者、本当に『伊賀の影丸』大好きなんだなぁ……)
魔夜ファンのみならず、バトル漫画好きには五重丸のオススメ。
愛だの正義だの関係なく、毒師ギルドを潰滅させるという目的のためだけに戦うプワゾンは、ある意味非常にストイックなキャラクターです。
しかし、これが花ゆめ本誌に連載されていたなんて、今じゃ考えられませんねぇ……。(笑)
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