さて、今年も雪が降ってるなぁの第759回は、
タイトル:蝶の皮膚の下
著者:赤坂真理
出版社:河出書房新社 河出文庫(初版:H11)
であります。
なんかどっかで聞いたことがあるような名前なんだけど、お初の作家。
タイトルからなかなかよさげな感じがしたので借りてみた。
さて、ストーリーは……。
ホテルに接客関係の部署で働く高橋梨花は、あるとき、ひとりの男と出会う。
岡野航というその男は、世界チャンピオンにまでなったボクサーだったが、ボクサーだったがためか、脳に病を得て21歳の若さでボクシング界を去った人物だった。
初めて出会ったときからそんな航に傾倒した梨花は、航の見る世界や言葉、行動に魅了されながらも、航の病を解決するためにある精神科医を訪ねる。
航の主治医だという吉岡という医者は、航の病を治療するためには梨花の協力が必要だと告げ、航のための薬を作るために、梨花を半ば人体実験のような形で使うことを提案。
梨花はそれを承諾し、そのおかげで航は次第に回復しつつあった……。
この作品を端的に言うと、
おもしろくない
主人公が気色悪い
読んでいて気分が悪くなる
の3つしかない。
いやぁ、ここまでひどいのは、第501回の井上荒野以来だなぁ。
まだ井上荒野は短編集だったからまだマシかな。
こっちは長編だからずるずると苦痛が長引く感じがして、余計にきついかも。
ともあれ、ストーリーはアル中でヤク中の主人公、梨花が航の治療を通して、立場が逆転していく中で様々な世界や人物を見ていく話、なのだろうが……物語じゃぁないよな、これ。
まず、独特とか、特徴的といえば聞こえはいいのだが、サイコな作品世界で通常の感覚であればかなり変、もしくは妙な印象を持つだろう。
その上、主人公の梨花もサイコで、その梨花の一人称で話が進むから余計にそう感じるし、すごい読みにくい。
文章表現もあさっての方向に飛びがちだし、句読点の区切り方が変だからさらに読みにくい。
解説には、
「論理的な因果関係がつかみにくい難解なすとーりーだ。しかしこの難解さは衒学趣味とは対極にあるリアルな難解さ、まさに「主体」が解消した後の「人類」そのものを記述するうえでの難解さだといっていい。」(原文ママ)
とあるが、よくもまぁ、こんな気色悪くて気分が悪くなるような本に、そこまで言えるもんだとある意味感心するわ。
総評は……言うまでもないか。
タイトル:蝶の皮膚の下
著者:赤坂真理
出版社:河出書房新社 河出文庫(初版:H11)
であります。
なんかどっかで聞いたことがあるような名前なんだけど、お初の作家。
タイトルからなかなかよさげな感じがしたので借りてみた。
さて、ストーリーは……。
ホテルに接客関係の部署で働く高橋梨花は、あるとき、ひとりの男と出会う。
岡野航というその男は、世界チャンピオンにまでなったボクサーだったが、ボクサーだったがためか、脳に病を得て21歳の若さでボクシング界を去った人物だった。
初めて出会ったときからそんな航に傾倒した梨花は、航の見る世界や言葉、行動に魅了されながらも、航の病を解決するためにある精神科医を訪ねる。
航の主治医だという吉岡という医者は、航の病を治療するためには梨花の協力が必要だと告げ、航のための薬を作るために、梨花を半ば人体実験のような形で使うことを提案。
梨花はそれを承諾し、そのおかげで航は次第に回復しつつあった……。
この作品を端的に言うと、
おもしろくない
主人公が気色悪い
読んでいて気分が悪くなる
の3つしかない。
いやぁ、ここまでひどいのは、第501回の井上荒野以来だなぁ。
まだ井上荒野は短編集だったからまだマシかな。
こっちは長編だからずるずると苦痛が長引く感じがして、余計にきついかも。
ともあれ、ストーリーはアル中でヤク中の主人公、梨花が航の治療を通して、立場が逆転していく中で様々な世界や人物を見ていく話、なのだろうが……物語じゃぁないよな、これ。
まず、独特とか、特徴的といえば聞こえはいいのだが、サイコな作品世界で通常の感覚であればかなり変、もしくは妙な印象を持つだろう。
その上、主人公の梨花もサイコで、その梨花の一人称で話が進むから余計にそう感じるし、すごい読みにくい。
文章表現もあさっての方向に飛びがちだし、句読点の区切り方が変だからさらに読みにくい。
解説には、
「論理的な因果関係がつかみにくい難解なすとーりーだ。しかしこの難解さは衒学趣味とは対極にあるリアルな難解さ、まさに「主体」が解消した後の「人類」そのものを記述するうえでの難解さだといっていい。」(原文ママ)
とあるが、よくもまぁ、こんな気色悪くて気分が悪くなるような本に、そこまで言えるもんだとある意味感心するわ。
総評は……言うまでもないか。