つれづれ読書日記

SENとLINN、二人で更新中の書評ブログです。小説、漫画、新書などの感想を独断と偏見でつれづれと書いていきます。

階段

2005-06-22 22:10:33 | 文学
さて、和名の方が有名だよなと思いつつ第204回は、

タイトル:怪談
著者:ラフカディオ・ハーン
文庫名:岩波文庫

であります。

小泉八雲ことラフカディオ・ハーンの短編集。
『耳なし芳一のはなし』『むじな』等、二十編を収録。
全編書く気力はないので、気に入った短編の感想を書きます。

『耳なし芳一のはなし』……誰もが知ってる怪談話。芳一の耳を奪った怨霊の人間臭い台詞が面白い。もっとも、やってることはまさに化性の者のそれなのだが。

『おしどり』……たった3頁で起承転結を描ききっている非常に完成度の高い短編。最後にギョッとさせて終わりじゃないのが良い。

『かけひき』……首を斬るなら呪ってやるとのたまう科人と、やれるものならやってみろと豪語する屋敷の主人の対決。さらっとしたオチが上手い。

『鏡と鐘』……読者に結末を委ねるリドル・ストーリー。最後の一文にくすっとしてしまうのは私だけではあるまい。さて、貴方はどう思いますか?

『むじな』……ヒトケタ台の時に読んで本気で怖がってました、これ。ラストのオチと台詞は余りにも有名。そういや、怪人二十面相も同じようなことやってたなぁ。

『ろくろ首』……ろくろ首って、首を伸ばして行灯の油を舐める女怪じゃなかったっけ? この話だとちょっと違ってます、なぜだろう?

『雪おんな』……言っちゃ駄目、に限らず、禁忌を破るのは物語の永遠の定番ですね。しかし雪おんな、結構いい人だ。

以上、非常に味のある短編が揃っています。
短編好きなら、かなーりオススメ。