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開高健氏の絶筆となった「珠玉」を買い求め、私は仕事帰り、どこか静かに読める場所をさがして、中野サンプラザの図書館へ。そこは夜まで開いているので。
その頃の私は、彼の本に出会ってから、すっかり彼の魅力にはまっていた。でも、しばらくは、この作家のことを誰にも言えなかった。もったいなくて。自分だけの恋人のような存在にしておきたかったのかも知れない。
二時間ぐらいたった頃、集中して読んでいると、ページが残り少なくなってきた。もうあと数枚で終わるというのがわかると、めくるのがおしくて・・・残りの文字を愛おしみながら時間を掛けて読んだ。その間中、ずーと胸が高鳴っていた。
私は、子育て真っ最中なので、いつか落ち着いたら、彼の講演会とか行きたかったし、何よりも生きている彼に会ってみたかった・・悔やまれてしょうがなかった。
この珠玉を読み見終えたとき、あまりにも早すぎる彼の死が、本当に残念で残念で残念でならなかった。
本の内容は読んでみて下さいとしかいえません。