沖縄の日常

日々変わり行く沖縄と自然とつれづれなるままに

「JET STREAM」を聴いて

2011年02月17日 | 日々のこと
 

 高校を卒業して、進学のために東京に行った。その時に初めて飛行機に乗った。初めて乗った飛行機だったが、空港で見送った両親の元から飛び立っていく別れの涙のシーンだけが思い出される。
 あれから幾度となく沖縄と東京を行ったり来たり。空の上での楽しみは、機内で「JET STREAM」を聴くことだった。城達也のナレーションが好きだった。
 飛行機を乗る時、いつも那覇空港まで両親が送って来てくれた。母はいつも、いつも出発する前からめそめそするので、後ろ髪を引かれる思いで飛び立つのが常だった。泣きそうになるので、それを紛らわせるために機内に乗り込むと、イヤフォンを耳にして目を閉じて城達也を聴いた。空の上で聴くJET STREAMは心に染みた。

 それから、深夜放送で「JET STREAM」を聴くようになった。遠い故郷にいる父や母の顔が思い浮かんで切なくなる時もあった。

 今日、午後から休みで妹とドライブ。以前に買った「JET STREAM」のCDを流した。と、一緒に乗っていた妹が、「これって寂しくならない?」と言った。
 そうなんだ・・・・妹も。これを聴くと、年老いた父が思いだされて、「もっともっと顔を見に行かないと、もっとたくさんドライブに連れて行こう」と思うらしい。

 本当に、もう90歳も越した父が、本当にこのところくたびれたような感じなので、私も切ない。この間、四人で寄った喫茶店では、あいにく二階にあったので、(私の)腕につかまって!と言ったのに、気丈にも「大丈夫、手すりに掴まるから」と、杖を頼りに上がって行った父。
 もう大分年老いている父。でも だいじょうぶ、だいじょうぶ、まだ、まだ長生きしないと!と心の中で願っている。私だけではなかった。私と妹の思いは同じ。我が家では父の存在は偉大である。
 
 夜に聴ける音楽と聴けない音楽がある。この年齢だからなんだと思う。

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