『アゲハ 女性秘匿捜査官・原麻希』 吉川英梨

2011年12月11日 19時32分22秒 | 読書
二日酔いになるともうのままいと思うのに、また飲みすぎてしまうのはなぜでしょう。


「警視庁鑑識課に勤める原麻希は、ある日、子供を預かったという誘拐犯からの電話を受ける。犯人の指示のもと、箱根の芦ノ湖畔へと向かった麻希だが、そこには同じく息子を誘拐されたかつての上司、戸倉加奈子の姿があった。殺人現場に届く「アゲハ」からのメッセージの意味は?誘拐は、麻希と加奈子の運命を変えた八年前の事件が関係しているのか―!?女性秘匿捜査官・原麻希が社会の闇に挑む、長編警察ミステリー。」(BOOKデータベースより)


原麻希。
はらまき。

十回ぐらい連続して読んでみてください。

はらまきはらまきはらまきはらまきはらまきはらまきはらまきはらまきはらまきはらまき

腹巻きですね。

全国の「マキ」さん、原さんと結婚するといじめられますよー!w

という作品です。(嘘)


八年前の事件とは連続婦女暴行事件のことです。
それに関係していた警察関係者がさまざまな事件に巻き込まれていきます。
黒幕はだれなのか。
8年前の犯人で、何らかの圧力で逮捕されながらも起訴されなかった関谷が黒幕なのか。
それとも他に黒幕がいるのか。
どんどん入れ替わる黒幕候補、たび重なるどんでん返し。
読者を退屈させない、テンポの良いストーリー。
まさかの黒幕です。油断してました。

まあ、典型的ミステリの一分野ではあるんだけど、なんかやられちゃいました。
面白いです。

そして不覚にもこの吉川英梨さんという作家を知らなかったのを悔い改めるところです。
まだ34歳ですか。
末恐ろしいですね。ここで終わってほしくない作家です。

ぜひご一読を。

★★★★☆
(未来を期待して一個おまけ)

next...「鉄の骨」池井戸潤
「「次の地下鉄工事、何としても取って来い」でも談合って犯罪ですよね?謎の日本的システムの中で奔走する、若きゼネコンマン平太の行末は―。 」(BOOKデータベースより)

『ナイチンゲールの沈黙』 海堂尊

2011年12月11日 19時12分46秒 | 読書
これ一回読んだことあることを読み始めて気付いたw


「東城大学医学部付属病院・小児科病棟に勤務する浜田小夜。担当は、眼球に発生する癌―網膜芽腫(レティノブラストーマ)の子供たち。眼球を摘出されてしまう彼らの運命に心を痛めた小夜は、子供たちのメンタルサポートを不定愁訴外来・田口公平に依頼する。その渦中に、患児の父親が殺され、警察庁から派遣された加納警視正は院内捜査を開始する。小児科病棟や救急センターのスタッフ、大量吐血で緊急入院した伝説の歌姫、そこに厚生労働省の変人・白鳥圭輔も加わり、事件は思いもかけない展開を見せていく…。 」(BOOKデータベースより)


一言でいえば、小児医療を題材にした、殺人事件のミステリーもの兼SFまがいの物語 的な感じでしょうか。

物語としては面白いというかテンポよく進んでいきます。ページ数にして600ぐらいあるんだけど、ストレスなくすいすいと読めます。
前回作の「チームバチスタの栄光」と比較しても難しい話はそんなにないからとっつきやすい物語かも。そこが好まれる理由かな。


ただ、この物語、あんまり評価高くないんですよね。なんでか自分なりに考察してみると。。。


・殺人ものっていうと、「フーダニット(誰がやったか)」とか「ハウダニット(どうやってやったか)」とか「ワイダニット(なぜやったか)」とか、謎を解き明かしながら物語が進んでいくってのが王道っていうか、そんな感じだけど、今回はだれがどうやってなぜやったかってのがたぶん序盤でわかっちゃうと思うし、その点がミステリファンとしては物足りない。

・医療に対する警笛としてとらえると、前回作とか他の作品に比べるとあまりぱっとしないというか、内容的に軽いという印象。前回作によって衝撃を受けた読者が続けて読むと前回作より物足りないと感じるのでは。

・キーパーソンの白鳥が前回ほど自由奔放っじゃない。彼ほどの個性が今回は鳴りを潜めているってのがさみしいか。前回作のようなロジカルな展開じゃなく、最終的にはSF的な要素で解決している点で評価できない。


っという感じかな。まあ、あくまで個人的な感想でいえば面白かったからいいんですけど。w
最初から重い作品に行くと、食あたりしちゃうしね。こういう作品で読書の門戸が開かれていけば、俺みたいな読書ファンか増えていくのでしょう。


★★★☆☆