『ナイチンゲールの沈黙』 海堂尊

2011年12月11日 19時12分46秒 | 読書
これ一回読んだことあることを読み始めて気付いたw


「東城大学医学部付属病院・小児科病棟に勤務する浜田小夜。担当は、眼球に発生する癌―網膜芽腫(レティノブラストーマ)の子供たち。眼球を摘出されてしまう彼らの運命に心を痛めた小夜は、子供たちのメンタルサポートを不定愁訴外来・田口公平に依頼する。その渦中に、患児の父親が殺され、警察庁から派遣された加納警視正は院内捜査を開始する。小児科病棟や救急センターのスタッフ、大量吐血で緊急入院した伝説の歌姫、そこに厚生労働省の変人・白鳥圭輔も加わり、事件は思いもかけない展開を見せていく…。 」(BOOKデータベースより)


一言でいえば、小児医療を題材にした、殺人事件のミステリーもの兼SFまがいの物語 的な感じでしょうか。

物語としては面白いというかテンポよく進んでいきます。ページ数にして600ぐらいあるんだけど、ストレスなくすいすいと読めます。
前回作の「チームバチスタの栄光」と比較しても難しい話はそんなにないからとっつきやすい物語かも。そこが好まれる理由かな。


ただ、この物語、あんまり評価高くないんですよね。なんでか自分なりに考察してみると。。。


・殺人ものっていうと、「フーダニット(誰がやったか)」とか「ハウダニット(どうやってやったか)」とか「ワイダニット(なぜやったか)」とか、謎を解き明かしながら物語が進んでいくってのが王道っていうか、そんな感じだけど、今回はだれがどうやってなぜやったかってのがたぶん序盤でわかっちゃうと思うし、その点がミステリファンとしては物足りない。

・医療に対する警笛としてとらえると、前回作とか他の作品に比べるとあまりぱっとしないというか、内容的に軽いという印象。前回作によって衝撃を受けた読者が続けて読むと前回作より物足りないと感じるのでは。

・キーパーソンの白鳥が前回ほど自由奔放っじゃない。彼ほどの個性が今回は鳴りを潜めているってのがさみしいか。前回作のようなロジカルな展開じゃなく、最終的にはSF的な要素で解決している点で評価できない。


っという感じかな。まあ、あくまで個人的な感想でいえば面白かったからいいんですけど。w
最初から重い作品に行くと、食あたりしちゃうしね。こういう作品で読書の門戸が開かれていけば、俺みたいな読書ファンか増えていくのでしょう。


★★★☆☆

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