『リミット』 野沢尚

2011年09月15日 21時25分18秒 | 読書
好きです。ハンマーカンマー♪



「連続幼児誘拐事件の謎を追う警視庁捜査一課・特殊犯捜査係勤務の有働公子。婦人警官でなく、一人の母親として事件の当事者となってしまった彼女は、わが子を取り戻すため、犯人のみならず警視庁4万人を敵にまわすことに…。驚愕の展開、そして誰も予想だにしなかった戦慄の結末。ミステリーの到達点。」(BOOKデータベースより)


野沢尚先生の本は前々から面白いと思ってて、でもここに本の紹介を書く前に読んだものだったから紹介していませんでした。
なぜ、世間に野沢尚の名がこれほど知れ渡っていないのか私には不思議で仕方ありません。
私が読んだのは、「魔笛」、「深紅」に次いで3作目です。すべて外れなしです。


さて、この小説は上の紹介文を読んでも「??」だと思いますので補足。

小学校低学年程度の児童が相次いで失踪する事件の描写からこの話は始まります。
そして、かなり初期の段階で犯人の誘拐目的が判明します。
誘拐した子供をタイに運んで、臓器移植のドナーとして売却すること。

主人公の公子は、事故死した夫との間に生まれた子供である貴之との二人暮らし。
公子は新たに勃発した児童誘拐事件で1億円の身代金を要求された楢崎夫妻の母親役として犯人との電話交渉にあたります。

誘拐発生から数日たった後、公子の携帯電話に貴之を誘拐したとの電話が入ります。
息子を返してほしかったら警察を振り切って1億円を届けろ。

この1億円を犯人に届けるべく、公子は警察を敵に回し、自力で貴之を助けようと話は進んでいくのです。


これ以上はかなりのネタばれになってしまうので気になる人は読んでください。

さて、このストーリーメイクの素晴らしさといったら、さすが脚本家上がりといったところでしょうか。
でも映像なしでもかなり情景が浮かぶ文章力はさすが。
先が読めない展開。最後に期待通りのどんでん返し。
犯人たちの本当の目的は何だったのか。
圧倒的な戦力の差をどうやって乗り切っていくのか。
どうやって息子を救い出すのか。

野沢尚、今後にも期待です。

★★★★☆

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