雨あがりのペイブメント

雨あがりのペイブメントに映る景色が好きです。四季折々に感じたことを、ジャンルにとらわれずに記録します。

風の彼方 (28) 「仮の町構想」(12) 帰らない人びと(1)

2013-04-01 21:41:44 | 風の行方・原発

   東日本大震災 帰らない人びと (1)

 

  復興庁が取りまとめた「住民意向調査」の第2回目が公表されたので、

調査結果を見ながら、避難した住民の意向を探ってみたい。

 原発周辺の福島県の自治体は避難の長期化を見越し、

住居や学校、医療機関などを建設し集約する「仮の町構想」を描いてきた。

国が土地を用意し、暮らしの機能を丸ごと移す。

各地に散らばった住民がそこに集まって一緒に生活する。

長期間避難者のほとんどを占める大熊、双葉、浪江、富岡の4町が計画した。

   集団移住する仮の街の災害公営住宅の入居意向(復興庁調べ)

                                                              『仮の町構想・町外コミュニティ・風の行方(19)参照』

 

入居希望

入居しない

判断できない

大熊町

24.7%

36.6%

37.2%

浪江町

19.5%

30.3%

47.6%

双葉町

6.7%

42.8%

45.5%

富岡町

24.0%

24.4%

48.3%

 

 少なくとも事故から6年、今後4年は帰還できない町は

 

「仮の街構想(町外コミュニティ)」に基づいて、

 

他の町に生活の場を築こうとしている。

 

 しかし、3月に復興庁がまとめた住民意向調査では、

 

災害公営住宅への入居希望者は、極めて少ない(上図)。

 

 国や自治体の計画とは裏腹に、

 

現時点では入居希望よりも希望しない人が多く、

 

更に判断できない人の比率が各町とも最も高い。

 

 

 見通しの立たない先行き不安な住民の立場が、

 

「判断できない」と回答せざるを得なかったのだろう。

 

 

 入居を希望し、故郷に帰れるだろう6年後を待つ人。

 

入居しないで他の町に転出し帰郷の日を待つ人。

 

故郷には帰らない選択をし、生活の立て直しをする人。

 

事故から6年後の故郷の状態は誰にも想像できない。

 

土地は荒れ、家屋は朽ちる。

 

それでも希望の種をまいて、

 

双葉が目を出し本葉が伸びるころには、

 

被災地にも新しい春が訪れることを祈る。

 

 

 

 

 


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