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NPO法人 三千里鐵道 

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南北政府は、民族全体の利益の観点から平和と協商の道しるべを作るべきだ

2013年06月11日 | 南北関係関連消息
9日に板門店で開催された南北の実務協議の結果、12日~13日にソウルで開催される、“南北当局会談”の議題が整理された。
しかし上の表にあるように、表現の違いを埋められないまま、それぞれが別の表現で発表するという事態となった。

これだけ見ても、李明博政権の5年間に毀損された南北の信頼関係を取り戻すことは容易でないことがわかる。

南北が平和的に対話を進め、開城工業団地の復活、金剛山観光の復活、離散家族の再会事業復活などを一日でも早く望みたい。

しかし、金剛山観光事業や開城工業団地事業の中断の経緯を見ると、復元することはそうたやすいものではないことは一目瞭然だ。
南にも北にも、自らが反省すべきことが多いという自覚があることを願う。
互いに責任を擦り付け合うような無様な姿は見たくない。

民族全体の利益を常に最上位におきながら、北と南の、WIN WIN 体制を作るよう努力してもらいたい。
捻じれるだけ捻じれた関係なのだから、せめて決裂することなく、対話を続けることを願う。
今回の会談が、南北のこれから進むべき平和と協商の道しるベとなることを願ってやまない。


maneappa



http://news.donga.com/Main/3/all/20130611/55768274/1

[12日南北当局会談]南‘信頼プロセス第一歩’ vs北‘6・15宣言復活’同床異夢

記事入力2013-06-11 03:00:00記事修正2013-06-11 05:55:49



■ ‘キーワード’から違う会談、どうなるだろうか


朴槿恵大統領は10日大統領府で就任後3度目の外交安保長官会議を開き、12,13日二日間ソウルで開かれる南北当局会談に対して“政府がその間堅持してきた諸般の原則と国民の色々な希望をよく勘案して会談を徹底して準備してよく臨んでほしい”と話した。

朴大統領はこの日午後ラルス ルェケ ラスムセン グローバル緑色成長機構(GGGI)議長に面会した席でも“今回の対話を通じて韓半島信頼プロセスがうまく作動して、南北共同発展に繋がるようにしていく”と明らかにした。
引き続き“国際社会の一致した努力に力づけられて北朝鮮を国際社会の責任ある一員として戦略的変化をさせるのに力をもらおうとするなら国際社会が北朝鮮挑発に対して一つの声で一貫したメッセージを与えることが重要だ”と強調した。

しかし南と北が会談を始める前に、気の戦い、(韓国相撲の)まわしの戦いを行いながら最大限有利な位置づけを先行獲得しようとする神経戦がきっ抗した状態だ。



◇韓国の‘信頼プロセス’ vs北朝鮮の‘我が民族同士’

朴槿恵政府は今回の会談を韓半島信頼プロセスを稼動する‘信頼’の端緒で活用するという計画だ。
反面北朝鮮は‘我が民族同士’という宣伝スローガンを前面に出して南北合作と統一戦線戦術を強化する機会で使おうとする意図を隠さないでいる。
このような接近法の違いは、9,10日板門店で開かれた実務接触で南北が固執した争点でそのままあらわれた。

韓国は会談代表団を‘南側の統一部長官と北側の統一戦線部長’または‘南北問題を責任をもって協議・解決できる当局者’と明記しようと要求した。
これは“信頼は互いに結んだ約束は必ず守るという点で確認されることができる”(リュウ・キルジエ統一部長官の本誌単独インタビュー)という朴槿恵政府の信頼プロセス作動原理とかみ合っている。
北朝鮮に信頼を守れと要求するためには責任ある北朝鮮当局者がソウルにきて約束をする手続きが先行しなければならないという論理的接近法だ。

また、代表団の地位が会談の内容はもちろん、今後の南北関係にも影響を与えるという点やはり考慮されたと見られる。
ヤン・ムジン北韓大学院大教授は“会談の格が長官級か次官級、局長級かによって成果も違いが生じることになる”として“長官級ならば南北関係復元に速度を出すだろうが、その下ならば時間がたくさんかかるだろう”と展望した。

ユ・ホヨル高麗大教授も“金養建統一戦線部長がきて朴槿恵大統領を表敬訪問すれば、南北疎通の窓口が開かれるだろうが、メン・ギョンイル祖国平和統一委員会書記局副局長が首席代表で来れば実務級会談水準に止まるだろう”と話した。



◇‘6・15宣言復活’狙う北 vs ‘容易なことから解こう’という南

北朝鮮は‘6・15宣言南北共同記念行事’を議題に入れようという主張を曲げなかった。
北朝鮮は6・15宣言を“わが民族同士”精神の象徴と宣伝し、外勢排撃の論理的根拠に使っている。

この間北朝鮮が南北会談の先決条件として
△対北朝鮮挑発行為中止△核戦争演習中断確約△韓国で(米軍の)戦争手段撤収などを要求してきた点を考慮すれば、6・15宣言共同行事に執着する意図がより一層鮮明になる。
6・15共同行事を押し切ろうとする民間団体とこれを許さない政府の間の‘韓国内葛藤’様相もすでに広がっている。
6日に当局間対話を提案しながら、7・4声明記念行事を持とうと初めて提案したのも、北朝鮮のこのような統一戦線戦術を土台にしている。
パク・ヨンオク前国防部次官は“今回の当局間会談における北朝鮮の本当に目標は6・15宣言復活を貫徹させること”と分析した。

このような韓国、北朝鮮の接近法の差異は、個別議題で交渉が始まればより一層浮び上がるものと見られる。
南北は共同で、△開城工業団地△金剛山観光△離散家族対面議題を提案したが、それぞれの問題に対する認識も異なる。 離散家族対面が人道的問題なので相対的に接点を探しやすいが、慣例的に食糧肥料など対北朝鮮支援と連係してきたし、今回の会談でどのようにまとめられるか予断し難い。
これと関連してチョン・ヘソン統一部統一政策室長は“合意しやすくて意見折衝が容易なことから一つずつ解決していく方向で会談に臨むようにする”と話した。

チョ・ドンホ梨花女子大教授は“北朝鮮が対話に出てきたことは、核を有していて体制安定は自信があるという戦略的判断に従ったこと”としながら、“朴槿恵政府も対北朝鮮政策を上手にしているという世論の高い支持を受ける状態なので、南北とも軟弱な態度で会談に臨まないだろう”と話した。
反面チョン・ヨンテ統一研究院選任研究委員は、“今回の会談は結論を出すより対話の窓口を開くという意味がある。 南北とも会談を破局に追い込みはしないだろう”と見通した。

チョスンホ・イ・ジェミョン記者shcho@donga.com

「南北当局会談」12~13日ソウル開催で合意

2013年06月10日 | 南北関係関連消息

握手する南(右)と北(左)の首席代表



 南北当局会談のための実務接触を終え、南北は10日午前3時、板門店(パンムンジョム)南側地域の「平和の家」で協議結果を発表しました。
 9日午前10時から開かれた実務接触でチョン・ヘソン南側首席代表とキム・ソンヘ北側首席代表は、なんと17時間に及ぶマラソン会議を続けたのです。

 発表文には「南北当局間の会談を2013年6月12日から13日まで、ソウルで開催することに合意した」と明記されています。
 また、会談の名称を「南北当局会談」とし、北側代表団の往来経路も京義(キョンウィ)線の陸路で合意しました。

 しかし、南北は会談の議題と首席代表のレベル(職位)に関しては意見差を狭めることができず、今後、板門店の連絡官を通じて協議することにしました。その結果、議題と代表団の職位に関しては、それぞれ別途の内容を発表しています。

 南北双方の当局会談に対する位置付けには、明確な差異があるようです。南側は今も民間団体が主管する民族共同行事の開催には否定的で、当局会談で民間交流を議題に含むことには拒否感を示しています。

 12日からの本会談では、議題をめぐり熾烈な攻防を展開するものと予測されます。ともあれ、今回の当局会談が、南北対話と民間交流の本格的な再開につながることを願っています。以下の記事は、6月10日付『聯合ニュース』です。 (JHK)
http://www.yonhapnews.co.kr/bulletin/2013/06/10/0200000000AKR20130610004753043.HTML



「南北当局会談」12~13日ソウル開催で合意
(ソウル=聯合ニュース)チャン・ヨンフン記者 [2013-06-10 04:36送稿]

 南北両政府は10日明け方、板門店で開かれた長官級会談開催のための実務接触で、「南北当局会談」を12日から1泊2日間、ソウルで開くことに合意した。

 また、南北は今回開かれる会談の公式名称を「南北当局会談」とし、北側代表団は京義線陸路を通じて訪問することにした。

 パク・クネ政権の出帆後、初めて開かれる今回の南北高位級会談で、開城工業団地の正常化をはじめ南北間の懸案を打開する突破口が開かれるのか、注目される。

 しかし、南北は議題と会談首席代表の職位に関しては最終合意に至ることができず、それぞれ別途の内容で発表した。

 議題と関連し、南側の発表文は「会談で開城工業団地の正常化問題、金剛山観光の再開問題、離散家族の対面をはじめとする人道主義問題など、当面して緊急に解決しなければならない問題を協議することにした」と表明されている。

 一方、北側の発表文では開城工業団地の正常化、金剛山観光の再開、離散家族の対面問題の他に「6・15および7・4発表日の共同記念問題、民間の往来と接触、協力事業の推進問題など、南北関係で当面する緊急問題を協議することにした」と明示されており、南側発表文との差異を見せた。

 韓国政府の当局者は「北側の主張のように議題をいちいち列挙して制限するよりは、包括的に表現するのが適切だと判断した」と述べ、「南北は議題に対する異見を狭めることができず、協議の結果を発表文形式で各自発表した」と説明した。

 また、もう一つの争点である代表団構成に関しても、南側は「会談代表団はそれぞれ5人の代表で構成することに合意し、南側首席代表は南北問題に責任をもって協議・解決できる当局者が担当する」と発表した。

 これに対し北側発表文は、会談代表団の5人構成は南側発表文と同じだが、首席代表に関して「北側団長は相(南の長官に該当:訳注)級当局者が担当することにした」と相対的に曖昧な表現を使った。

 これに伴いその間、南北関係の処理に実権を行使できる当局者として、南側が会談の北側首席代表に希望した金養建(キム・ヤンゴン)労働党統一戦線部長が、今回の会談に出席するのか不透明となった。

 統一部当局者は「南北関係に責任を持ち実質的に解決できる担当者は、南の統一部長官と北の統一戦線部長だという点を強調した。北側の立場を考慮し、緩和した文案を提示したが北側が受け入れなかった」と話した。

 今回の実務接触で南北は、追加的な実務問題を板門店の連絡官を通じて協議することにした。首席代表などに関する問題は、持続的に協議がなされる展望だ。

北、6.15を契機に当局間会談を提案。 南、肯定的に受け入れると表明。

2013年06月06日 | 南北関係関連消息

南北の長官級会談を提案するユ・ギルチェ統一部長官


 6月6日、北の「祖国平和統一委員会(祖平統)」は「6.15共同宣言」の発表13周年をむかえて、開城工業団地の正常化と金剛山観光の再開などを協議するための南北当局間会談を提案しました。

 6日午前の『朝鮮中央通信』によれば、祖平統は報道官の特別談話文を通じて南北政府間の会談を提案し、「会談の場所と日時は南側が便利なように決めれば良い」と述べました。

 これに呼応して韓国政府も同日午後、柳吉在(ユ・ギルチェ)統一部長官が政府総合庁舎で「南北当局会談に関する政府の立場」を発表しました。その中で柳長官は、「開城工業団地、金剛山、離散家族問題など南北間の懸案を解決するために、南北の長官級会談を6月12日、ソウルで開催することを提案する」と発表しました。

 南北の両政府が非生産的な相互批難と意地の張り合いを止め、実質的な当局間会談への意志を表明したことを評価します。そして、期待を込めて注視しようと思います。以下に、祖国平和統一委員会の特別談話文を掲載します。出展は『朝鮮中央通信』 (JHK)。



祖国平和統一委員会報道官の特別談話文


 歴史的な「6.15共同宣言」が発表されてから、いつしか13年になる。

 全ての同胞は三千里江山に祖国統一の気運が熱く充満した「6.15」当時を忘れるができず、一日も早く南北関係が改善され、統一への新たな局面が開かれることを切実に望んでいる。

 わが民族にとって「6.15共同宣言」の発表は、列強が強要した分裂と対決の歴史に終止符を打ち、自主統一の新時代を切り開いた特記すべき事変だ。

 「6.15共同宣言」と共にこの地に繰り広げられた驚異的な事変は、わが民族が手を握り力を合わせるなら不可能なことは何一つなく、民族の共同繁栄を成し遂げ国の統一も実現することができることを見せてくれた。

 しかし今日、反統一勢力の厳重な挑戦により「6.15共同宣言」が凄惨に踏みにじられ、その最後の遺産まで抹殺の危機に瀕していることに痛嘆を禁じ得ない。

 南の企業家は血の涙で開城工業地区の正常化と金剛山観光の再開を訴えており、北と南に離散した家族は、生前の最後の恨を抱えて血縁との出会いを待ちこがれている。

 民族の構成員ならば、どうして今日のこの悲劇的な事態から目を背けられようか。

 私たちは今まで、破局に至った南北関係を改善して金剛山観光の再開と開城工業地区の正常化、人道主義問題の解決に向けすべての努力をつくしてきた。

 しかし、私たちのあらゆる誠意と雅量は、《真摯さを疑う》とか、《南内部の葛藤助長》とか、《当局会談の回避》など、とんでもない詭弁で否定され冒涜された。

 私たちは南の当局者が言うところの《内部葛藤》を造成しようと画策したこともなく、南側当局を《小馬鹿にした》こともないし、《これでも喰らえ!》と愚弄した覚えもない。(これらの極言は先月、北当局を批難したユ・ギルチェ統一部長官が記者会見の場で使用した表現:訳注)

 南北対話を対決の目的に悪用し、政略的に扱っているのは他でもない南の当局だ。
しかし私たちは、是非を正すためとはいえ、虚しい言い争いで時間を過ごすつもりはない。

 北と南が互いに自らの主張だけを押し通すなら、南北間の懸案問題はいつになっても解決の糸口さえ探すことができないだろうし、南朝鮮企業家をはじめ各界の絶望と全同胞の失望は、より一層大きくなるだろう。

 昨今の事態および全同胞の志向と要求に鑑み、そして南朝鮮企業家をはじめとする各界の切なる請願を考慮して、祖国平和統一委員会は委任により、次のように重大な立場を表明する。


1. 「6.15」を機に、開城工業地区の正常化と金剛山観光再開のための南北当局間会談を提案する。

 会談では、離散した家族、親戚の対面をはじめとする人道上の諸問題も協議することができるだろう。会談の場所と日時は、南側が便利なように決めれば良いだろう。


2. 開城工業地区と金剛山国際観光特区に対する南朝鮮企業家の訪問と実務接触を至急に実現し、南北の民間団体相互に往来と接触、協力事業を積極的に推進できるよう提案する。
 
 私たちはすでに開城工業地区企業家の訪問を承認した状態であり、金剛山企業関係者たちの訪問も許容するだろう。さらに、南朝鮮民間団体の往来と接触、協力事業のために門戸を広く開放している。


3. 「6.15共同宣言」発表13周年の民族共同行事を実現させ、合わせて「7.4共同声明」発表41周年を南北当局の参加の下に共同で記念するよう提案する。

 南北の民間団体と共に当局が参加して「6.15共同宣言」と「7.4共同声明」の発表日を共同で記念すれば、意義が大きいことであり南北関係の改善に寄与するだろう。


4. 南北当局会談と南朝鮮企業家の開城工業地区および金剛山訪問、民族共同行事などを保障して南北間の懸案問題を円滑に解決していくために、南朝鮮当局が私たちの提案に呼応すれば即刻、板門店の赤十字連絡回線の再開をはじめとする通信、連絡に関する諸般措置が取られるだろう。

 民族の和解と団結を願い、統一と平和繁栄を成し遂げようとする私たちの立場は一貫している。

 南朝鮮当局が真に信頼の構築と南北関係の改善を望むならば今回の機会を逃してはならないだろう。不必要な被害妄想症に捕われた憶測と疑心を振り払い、私たちの大胆な勇断と誠意ある提案に積極的に応えなければならない。


                
 主体102(2013)年6月6日  平壌 

退場すべきはチョン・デセか、国家保安法なのか-在日同胞「境界人」の生きざま-

2013年06月05日 | 南北関係関連消息

2010年のワールドカップサッカー予選、対韓国戦でプレーするチョン・デセ選手(09年、ソウル)


 在日コリアン3世のサッカー選手、鄭大世(チョン・デセ)氏をめぐり韓国内で露骨なバッシングが起きています。しかも、「従北騒動」という赤狩り攻勢の一環として展開されているだけに、執拗かつ悪質です。彼は今年から韓国のKリーグでプレー(所属チームは水原サムソン)していますが、そのオールスター競技の選手投票で、彼がフォワード部門のトップになったことが発端でした。
 御存知のとおり、彼は前回の南アフリカW杯に、朝鮮民主主義人民共和国の国家代表選手として活躍(国籍は韓国)しました。その経歴から“北の体制と指導者を賛美する輩”と誹謗され、反共・反北の保守団体は国家保安法違反の容疑で告訴すると世論を煽っています。ネットを通じた強制退去の主張が影響してか、チョン選手の順位は3位に後退しました。
 国民意識の根底に残存する分断意識を少し刺激するだけで、いとも簡単に条件反射を起こし北への敵意をむき出しにする韓国社会の現状は、嘆かわしいばかりです。極右勢力の不当な攻撃に屈することなく、チョン・デセ選手が引き続き祖国の地で活躍されることを願ってやみません。
 以下の記事は6月4日付『オーマイニュース』に掲載されたものです。 (JHK)

http://www.ohmynews.com/NWS_Web/View/at_pg.aspx?CNTN_CD=A0001872450&PAGE_CD=N0001&CMPT_CD=M0016


退場すべきはチョン・デセか、国家保安法なのか-在日同胞「境界人」の生きざま-

 保守陣営の一角で、プロサッカー選手チョン・デセ(水原サムソン)に照準を合わせ、強制退去の対象としている。Kリーグ・オールスター投票で1位を占めたチョン氏を引き下ろすことで終わらず、国家保安法違反で告発する計画まで進行中だ。

 ツイッターで「(北韓)工作員の気質が強い」と攻撃し、チョン氏を国家保安法違反で告発すると主張したビョン・ヒジェ(メディアウォッチ代表)は4日、記事を通じてメディアウォッチが所属する『インターネットメディア協会』が、今週中にもチョン氏を告発する計画だと明らかにした。

 このような動きはウェブサイトの『日刊ベスト』を中心に、かなり表面化している。5月29日から6月9日まで、Kリーグ・オールスター戦の出場選手を選ぶインターネットユーザー投票が実施されている。『日刊ベスト』には、「チョン氏が選ばれないようにすべきだ」という主張が充満している。彼らがどんな動きを取ったのかは確認できないが、投票初期にはフォワード部門で1位だったチョン選手が、4日の時点では彼らの望みどおり3位に後退している。

 彼らがチョン氏に対し「国家保安法による告発、オールスター投票での阻止」に出た理由は、去る2010年の南アフリカ・ワールドカップに北朝鮮の国家代表選手として出場した当時、某海外メディアと行なったインタビューに注目したためだ。問題の発言はチョン氏が、キム・ジョンイル国防委員長(当時)に対して「先ずは尊敬しているということ、それ一つだけは確かに言える。そのように北の住民から尊敬を受けていることはすごいことだ。今は色々と批判もあるが、私は彼(キム・ジョンイル)を信じて行く」とした内容だ。

 『日刊ベスト』の会員とビョン代表がチョン氏を国家保安法違反だと主張しているのは、「チョン氏が韓国籍を持つ大韓民国の国民ならば、北のキム委員長を称賛したことによる処罰を受けなければならない」ということだ。彼らはまた、2010年のワールドカップで北の国歌を聞いて涙を流したチョン氏の姿を想起させ、“熱血従北分子”と主張している。


父親の国籍から韓国籍を取得、母親は朝鮮籍... 在日同胞「境界人」の人生

 チョン氏が韓国国籍を持つ大韓民国の国民であることは事実だ。しかし、チョン氏は日本で生まれた在日同胞3世でもある。チョン氏が韓国国籍を持つようになったのは、父親が韓国国籍だからだ。韓国の国籍法は属人主義なので、彼の韓国国籍は法律上でも問題がない。

 ところが、少し複雑なのはチョン氏の母親が朝鮮国籍であることだ。日帝による植民地支配下で日本は、朝鮮人に日本国籍を付与した。しかし、日本は第2次大戦敗戦後の1947年、外国人登録令で在日同胞の日本国籍を剥奪し、国籍を「朝鮮」で表示した。

 1965年に韓国・日本の国交正常化が実現すると、朝鮮籍を持った人は韓国国籍への変更が可能になった。しかし、朝鮮籍をそのまま維持した人も多かった。北の国籍を選択したいが日本と国交がなくてできない人もいたし、分断された祖国を認めたくないという意味で朝鮮籍を維持した人も少なくなかった。

 チョン氏の自叙伝などによれば、母親は彼を朝鮮学校に通わせることを固執したという。それでチョン氏は、小学校から大学まで総連系の朝鮮学校を卒業した。朝鮮籍に固執した母親の下で朝鮮学校にだけ通ったが、韓国国籍を持つ、まさに「境界人」の人生だったのだ。

 チョン氏が2007年に北朝鮮の国家代表になれたのは、母親の朝鮮国籍とチョン氏の朝鮮学校履歴のおかげと言えるだろう。『国際サッカー連盟』は国家代表チームの選手資格を、「当該国家の旅券所有」とみなしている。韓国国籍だが北の旅券を持てば、朝鮮の国家代表資格でワールドカップに出場できるわけだ。

 旅券さえあればいいので、韓国国籍を放棄しなくても問題にならない。外国人の立場で見ればチョン・デセは、韓国の国籍を持ち北朝鮮の旅券を持った「二重国籍者」だ。しかし、南北は公式にお互いを国家と認定していないので、チョン氏が韓国国籍であろうが、北朝鮮の旅券を持とうが、問題にならない。(1991年の『南北基本合意書』で、南北関係を‘国家間の関係ではなく、統一に至るまでの暫定的な特殊関係’と規定:訳注)


北の国旗を胸に付けた国家代表選手に、キム・ジョンイルを罵れというのか

 このような背景を持つチョン氏が韓国のプロリーグで活躍しているのだが、過去の発言を捉えて国家保安法違反だという主張が続出している。あげくは“従北サッカー選手”という烙印を押され、国家保安法違反で告発されるという立場に追い込まれている。

 国家保安法に対しては存廃の論議が以前からあった。特に第7条の「称賛鼓舞罪」は、実際に国家安保の脅威につながらないケースでも拘束するなど、誤・乱用された事例が多い条項だ。告発がなされれば、チョン氏に対する起訴の有無は、司法当局が国家保安法をどのように適用するかに掛かっているだろう。

 ワールドカップに出場した北朝鮮の国家代表選手が、インタビューで北の最高指導者キム・ジョンイルを称賛したので処罰を受けねばならない、というのがチョン氏を“従北”に仕立て上げる彼らの論理だ。国家保安法に違反しないためには、北朝鮮の国旗を胸に付けた状態で、キム・ジョンイル委員長を罵ることでもしなければならないというのか。

 南と北、いずれにも属さない「ザイニチ」なだけ、と自らを語るチョン・デセ選手に、法的処罰を云々してどちらか一方を選択しろと強要する人々がいる。彼らの根拠が、他でもない国家保安法であることが明らかとなった。退場しなければならないのはチョン・デセ選手なのか、でなければ国家保安法なのか。

<声明> 政府は、南北関係の復元と平和を望む国民の願いに応えよ

2013年06月03日 | 南北関係関連消息
 
6.15共同宣言13周年記念、統一祈願マラソン大会(2013.6.2、全州市)


 韓国政府が6.15民族共同行事の実務接触(開城)を許可しないと表明したのを受け、6月3日、「6.15南側委」は抗議声明を発表しました。
『統一ニュース』に掲載された声明の全文を紹介します。 (JHK)
 http://www.tongilnews.com/news/articleView.html?idxno=102801 


<声明>南北関係の復元と平和を望む国民の願いに応えよ

 政府は6月2日、6.15南北共同行事に関する実務接触を許可しないと発表した。韓国政府の決定に失望と遺憾を禁じ得ない。また、「6.15北側委員会」は6月3日12時現在、‘軍事通信線が回復したのか確認してほしいと’いう南側委員会の度重なる要請に応じていない。北側の態度にも、同じく失望と遺憾を禁じることができない。

1. これまでの政府の態度には三つの点で問題がある。

 最初に、市民社会を排除する論理だ。政府には疎通の意志さえ見られない。“北の二面性”という政府の判断基準だけに従えと統制している。その間、交流を通じて北を変化させ平和を増進してきた市民社会の努力と功績には、目を向けようともしない。民主社会で、政府のこうした高圧的な態度を受け入れる市民はいない。

 次に、疎通の意志を欠いた政府の対応こそ、葛藤の最も大きな理由になっているという点だ。したがって、葛藤の震源地は北というよりも、南の政府だ。たとえ北に“南内部の葛藤を助長する”企図があるとしても、政府が繰り返して強調してきたように、そのような企図が南の社会で通じるはずもない。私たちの社会が、これを克服するに足る成熟した市民力量を保有していることは、公認された事実ではないのか。

 最後に、今回の過程で政府は、開城工業団地および南北関係の正常化に対する意志はもちろん、“当局間対話”に対しても全く誠意を見せることがなかった。それは、韓国企業の開城訪問を阻止した行為からも明確になった。当局間の会談につながる様々な機会を、ことごとく閉ざしてきたのは韓国政府だった。

2. 私たちは北側に、より誠意ある態度を促す。

 軍事境界線を越えて開城を訪問するためには、北が軍事通信線を復元すると共に、その他の関連した措置を取らなければならない。「6.15北側委員会」が真に開城での行事を成功させようと思うなら、この問題に対する「6.15南側委員会」の度重なる要求に呼応しなければならない。

3. 6月5日に予定されていた開城での実務接触に代わるものとして、「6.15南側委員会」は「時局会議」を(ソウルで)開催する。各界の意見を集約して今後の方針を決定し、これを国民に報告するだろう。

4. 「6.15南側委員会」は『民』という第三の当事者として、南北の葛藤ではなく和解と統合のために、真心をつくして努力してきた。政府も、民間のこうした努力に最小限の誠意を見せるべきだ。6.15民族共同行事に対して、政府が前向きに態度を転換するよう、くり返し促す次第である。

2013年6月3日 「6.15共同宣言実践南側委員会」

韓国政府、「6.15南側委」の開城実務接触を許可せず

2013年05月31日 | 南北関係関連消息
「6.15共同宣言実践南側委員会」は5月30日、6月5日に開城で6.15共同行事に関する実務協議を開催しようと「6.15北側委」に提案しました。韓国政府はこれに対し、即刻、不許可の方針を公表しています。極点に達した南北当局間の不信と対立が同胞の出会いを妨げ、和解と平和統一への意思を蹂躙しています。(JHK)
 出展は5月30日付『統一ニュース』。 http://www.tongilnews.com/news/articleView.html?idxno=102758


政府、「6.15南側委」の開城実務接触を不許可に
2013年05月30日(木)16:49:22。チョ・ジョンフン記者、whoony@tongilnews.com

 政府は30日、6.15民族共同行事に向け「6.15共同宣言実践南側委員会」が申請していた、来月5日の南北実務協議(開城)を許可しないと統一部を通じて明らかにした。

 統一部はこの日午後4時25分頃、「6.15南側委の記者会見に関する政府の立場」を発表し、「北が韓国政府の当局間対話提案には応答せず、民間団体に当局の参加を言及するのは問題の本質をはぐらかすこと」と指摘した。

 先立って「6.15南側委」はこの日午後3時に記者会見を開き、「6.15北側委」が来月3日に開城での実務接触を提案したことを受け、5日に開催しようと修正提案した。

 これに対し政府は「韓国社会の世論を分裂させる企図は成功しない。北はこのことをはっきりと認識して、直ちに中断しなければならない。北が真に南北関係を改善する意志があるなら、まず我が方が提案した当局間対話を速やかに受け入れるべき」と促した。

 統一部の当局者は「6.15南側委の開城実務接触を許可しない。北訪問の申請がまだ提出されていないので、‘接触不許可’という文面は明示しなかった。しかし基本的には前回、共同行事の不許可を発表したのと同じように、今回の実務接触も許可しない立場だ」と説明した。

 一方、「6.15南側委」の関係者は「政府の立場について議論し、対応策を用意する」と述べた。

「6.15共同宣言実践南側委員会」の声明文

2013年05月30日 | 南北関係関連消息
「6.15南側委」は5月29日、6.15共同行事の開催承認と開城工業団地への企業家訪問を要求する対政府声明を発表しました。以下に全文を紹介します。出展は同日付『統一ニュース』。
 原文のサイト、http://www.tongilnews.com/news/articleView.html?idxno=102747 (JHK) 


『韓半島信頼プロセス』は開城工団企業の北訪問と6.15共同行事の承認から始めよ

 昨日(28日)、北の祖国平和統一委員会が「6.15共同行事に当局者も参加すれば良い」と述べ、開城工業団地に関して「製品の搬出問題をはじめ工業地区の正常化について協議する」意思を表明した。これに対して統一部は、北が当局間対話に応じることと、議題も資材および完成品の搬出問題が優先されるべきと主張し、北の提案には拒否の立場を鮮明にした。

「6.15共同宣言実践南側委員会」は、(当局間)対話および議題の順序に過度な執着をして、開城工業団地問題の解決および6.15開城共同行事の成功に対する各界の熱望に目を向けようとしない政府の態度に、失望を禁じ得ない。

 政府が民間および企業の北朝鮮訪問に関して「北の世論を分裂させる企図」と決めつけ、当局間対話なくしていかなる民間対話や協力事業も認定できないという、旧時代の「窓口一本化」論と民間排除の立場を引き続き固執しているのは深刻な問題だ。また、開城工業団地の資材および完成品の搬出問題の他には、いかなる包括的な対話もしないというのも理解し難い態度だ。

 北の表現や提案が満足できないものとはいえ、当局も参加する対話を受け入れたことは明らかに意味ある進展であろう。開城工業団地の企業家や関連業者と勤労者らの苦痛という緊迫した民生問題を前にして、政府がこのような機会に目を背けるのを見ると、南北関係に対する政府の真意が如何なるものか疑問を持たざるを得ない。政府が定めた経路に従わなければ何も許可しないという態度で、乱麻のような韓半島危機をどのように解いていくことができようか?

 政府が真に開城工業団地の問題を解決する意志があるなら、対話再開への実質的な解決法から目を背けてはならず、企業家の北朝鮮訪問と6.15共同行事の承認を通じて、「韓半島信頼プロセス」の積極的な推進に向かうべきであろう。

 「6.15南側委員会」は政府が対話再開のために、より積極的で前向きな姿勢に転換するよう強く促すとともに、6.15民族共同行事の成功を願う国民の熱望に背かないことを再度訴える。 

                          2013年5月29日  「6.15共同宣言実践南側委員会」

「6.15南側委員会」、開城での実務協議を北側に提案

2013年05月28日 | 南北関係関連消息

「6.15南側委員会」の記者会見。5月28日、ソウル



昨日、韓国政府は6.15共同行事の不許可を発表しましたが、「6.15共同宣言実践南側委員会(以下、6.15南側委)」は本日、記者会見を開き「6.15共同宣言実践北側委員会(以下、6.15北側委)」に対し、開城での実務協議開催を提案しました。

 韓国政府は北当局に不信感を持ち、共同行事が政治宣伝にすぎないとの立場です。これに対し「6.15南側委」は、民間次元での協議を通じて北当局の真意を確認することができると主張しています。そして南北の両当局に対し、往来の許可と通信手段の確保など実務協議の実現に向けた協力を要請しました。

 以下の記事は、5月28日付『統一ニュース』を整理したものです。  JHK

 原文のサイト http://www.tongilnews.com/news/articleView.html?idxno=102725


 
 政府が6.15宣言13周年の民族共同行事に対し不許可の立場を明らかにしたが、「6.15南側委(常任代表議長イ・チャンボク)は「6.15北側委(委員長キム・リョンソン)」と協議を進める意向を明らかにした。

「6.15南側委」は28日午前、ソウル市貞洞のフランチスコ会館で記者会見を行い、政府の不許可方針に対する立場を明らかにした。
まず、「6.15南側委」は6.15共同行事に関する協議のために、「6.15北側委」に開城で会合しようという内容のファックス書信を、今日中に伝達する予定だという。

 ファックス書信には、△「6.15北側委」の金剛山または開城での開催提案が持つ特別な意義を高く評価し、△(共同行事が)南北関係と開城工業団地の正常化に極めて重要だという認識に基づき、行事成功のために「南側委」代表団の通行手続き、身辺安全保障などのために軍事通信の回復など南北当局間の協議が絶対に必要、という内容が含まれている。

 「6.15民族共同行事推進共同本部」のイ・スンファン本部長は、「このような内容になったのは、北側の行事提案を政府が韓国内の葛藤を助長するだけと憂慮しているからだ。私たちが直接会って、民間の立場で北の真意を確認する過程が必要だ」と話した。

 「6.15南側委」が提案する開城での実務会合の日程は、「6.15北側委」の返事を待って決める予定であり、実務会合後に「6.15南側委」は、政府と共同行事の開催について再協議する方針だ。

 この日の記者会見で「6.15南側委」は、政府の不許可方針に対し「失望」という言葉で論評した。

 「6.15南側委」は記者会見文で、「北側が開城を明記して共同行事を提案してきた。これは前例がない非常に特別な提案だ」とし、「私たちは北が民間の名前で送ってきたこのメッセージを、民間を通した当局間の接触再開という迂迴路を提示したものと判断する」と述べた。

そして「今は対話のための条件づくりと模索が必要な時期だ。私たちが共同行事の成功のために通行、通信、身辺安全問題と関連した南北当局間の協議と協力を強調したのも、このような脈絡からだ」と主張した。

また、「当局間会談の再開を主張した昨日の統一部声明は、真摯さに欠けるものだった。北の開城開催提案が持つ特別な意義を見ようとしない単眼的な視野であり、時代錯誤的な民間排除の原則を掲げて韓国内の葛藤助長だと強弁している」と批判した。

 イ・チャンボク「6.15南側委」代表常任議長は冒頭発言で「政府が南北共同行事に対して事実上、拒否する声明を出した。極めて遺憾」と語った。

また、イ・チャンボク議長は「民族問題、韓半島の平和、東北アジアの平和という難題を抱える現状況で政府は、6.15共同宣言の精神に忠実でなければならない。そうすることによって難題を解決していく価値を、自ら創出していくように望む」と述べ、政府の態度変化を促した。

この日の記者会見には、キム・クモク「韓国女性団体連合」共同代表、ヨンダム「私たち民族の助け合い運動」常任代表、チョウ・ソンウ「民和協」共同議長、ハン・チュンモク「韓国進歩連帯」共同代表、パク・トクシン「6.15ソウル本部」常任代表などが参加した。

北朝鮮“企業の開城工業団地訪問公式許容する”

2013年05月28日 | 南北関係関連消息
去る4月17日午前京畿道坡州市京義線道路南北出入事務所(CIQ)で開城工業団地企業主代表団が南に帰還する勤労者たちと挨拶を交わしている。 坡州/イ・ジョンア記者



北からの提案が南の政府からすれば、当局者間の“公式”のものでないというのはその通りだが、南の政府が、この提案を受け入れることを期待したい。
今の“ゼロ”状態を脱することが切実に問われているからだ。


by maneappa




ハンギョレ新聞
http://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/589349.html

北朝鮮“企業の開城工業団地訪問公式許容する”

2013.05.28 13:50


祖平統談話“公団正常化関連協議可能”政府“当局間対話から応じろ”否定的

北朝鮮が28日開城工業団地入居企業および開城工業団地管理委員会関係者たちの開城工業団地訪問を公式許容すると明らかにし、この過程で開城工業地区正常化などどんな協議も可能だという立場を明らかにした。

しかし政府は開城工業団地企業家の訪問問題は南北当局間実務会談を通して解決されなければならないという立場を守っていて、企業家の訪問が実現するかは非常に不透明だ。

北の対南機構である祖国平和統一委員会(祖平統)はこの日のスポークスマン談話で“私たちは工業地区企業家の訪問をすでに承認した状態であり、彼らが入ってくれば製品搬出問題を含めた工業地区正常化と関連したいかなる協議も進めるだろう”と明らかにした。

談話は特に南側が南北間すべての関係が断絶した状況では企業家の公団訪問には身辺安全保障など当局間の実務手続きが必要だと主張したことに対して、“身辺安全と同じ公然の心配はしなくても良い”として“それでも安心にならなければ開城工業地区管理委員会構成員を共に来れば良いだろう”と付け加えた。

北朝鮮が開城工業団地企業家の完成品原材料搬出のための訪問を承認すると祖平統という公式機構を通じて明らかにしたことは今回が初めてであり、これは崔竜海総政治局長が特使で中国を訪問して六者会談を含む関連国との対話を希望するという脈絡で選択された措置と見える。
また、これに先立ち去る21日、北京民族経済協力連合会(民経連)代表部が公団入居企業家の23日公団訪問に対して訪問者名簿北朝鮮訪問日程などを通知してくれば許容するという具体的立場を伝達したと発表されたが、当時政府が“そのような話を聞いただけ公式に北が要請した事実が確認されなかった”として否認すると、すぐに今回祖平統を通じて公式立場を明らかにしたと分析される。

また、北は民経連を通じて公団企業家の開城訪問を承認するという立場と明らかにした後23日には6.15共同宣言実践北側委員会を通じて今年の6.15民族共同行事を個性や金剛山で開こうと提案した。
北が南北対話が断絶した状態で開城工業団地、金剛山訪問が事実上不可能な中でも、6.15行事を開城、金剛山で開こうと提案したことは、今後開城工業団地および金剛山観光再開のための南北対話の意志があるという分析が生じたことがある。
そして続けて24日崔竜海総政治局長が特使として中国を電撃訪問して関連国家との対話希望を明らかにしたという点で、今回の談話は一連の対話局面へ行く北の立場を見せるという解釈が可能だ。
北側祖平統の今回の談話は、27日統一部がスポークスマン声明を通じて、6.15共同行事提案は、南北当局間対話提案は持続的に拒否する二重的態度なので真正性が疑わしいとし、‘韓国内葛藤を助長しようとする旧態依然な形態’で批判したのに対して、“私たちは対話自体を否定したことがなくて開城工業団地の正常化のための根本問題(軍事演習など開城工業団地人質救出作戦などの軍事的威嚇など)の解決を始終一貫主張した”と反論した。

また、南側当局が韓国内葛藤が憂慮されるとすれば“当局者も6.15共同行事に参加すれば良いこと”としながら‘無駄な言葉遊び’を止めることを促しもした。

談話は南側が当局が当局間実務会談だけを繰り返すのは、問題解決に障害を作って現中断事態を長期化して結果的には公団設備と資材をみな使えなくさせた後公団を閉鎖させるのと違うところがないと主張しながら、南側が正しい道に出てくることを繰り返し促した。

統一部のある当局者は談話が出てきた直後、記者たちと会ってこの談話に対する政府の公式の立場がまだ決定されたことではないが、27日統一部スポークスマン談話で明らかにしたように、政府は“北朝鮮が当局間実務会談を術数で蔑視しながら民間に接近するのは北朝鮮の二重的な形態から出たと見る”と批判した。
この当局者は“昨日声明を出した状況と本質的状況変化はないと見る”としながら“北朝鮮が南北関係改善に本当に関心があるのなら、民間との接触でなく当局間会談に早く出てきて信頼を積むことが必要だ”と強調した。
カン・テホ記者kankan1@hani.co.kr

開城工業団地正常化要求‘三千拝’

2013年05月28日 | 南北関係関連消息
キム・ソンゴン・ハン・ジョンエ・チェ・ミンヒ民主党議員と円仏教の人々が、開城工業団地稼動中断55日目である27日午前、ソウル、汝矣島国会正門の前で開城工業団地の正常化を促す3千拝をしている。 これらは3日間一日に1千拝ずつする計画だ。
キム・ギョンホ記者jijae@hani.co.kr


http://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/589301.html

政府、6・15共同行事を許可せず

2013年05月27日 | 南北関係関連消息

統一部報道官のブリーフィング


 韓国政府は27日、統一部報道官のブリーフィングを通じて、6.15共同宣言の南北共同行事に対し不許可の方針を表明しました。北が当局間の南北対話を拒否しながら南の民間団体を相手に共同行事を提案するのは、「通民封官(政府を圧迫するために民間団体を活用する)」戦術で南の国論分裂を目論んでいるとの非難です。

 韓国政府の心情を理解できないわけではありませんが、相互不信が深まり政府間の対話が困難な時こそ、民間次元での交流は大きな意味を持つと思います。南では「民」と「官」の区分が明瞭ですが、北の体制はそうではありません。「民」が即ち「官」であるとも言えます。
 それならば、南の政府も民間団体が主催する行事にスポンサーなりオブザーバーとして参与し、影響力を発揮すればいいのではないでしょうか。

 政府の不許可方針を批判して、野党(民主党)の報道官は次のように指摘しました。

 「政府当局間の対話に固執して民間の対話や接触を拒否するのは、これまでの南北交流の歴史を見ても過度に硬直した態度だ。2000年の南北首脳会談に先立って、故チョン・ジュヨン会長(現代財閥のオーナー:訳注)が牛の群れを引き連れ北を訪問した。これは“通民封官”でなく“先民後官(民間交流を先行させ政府間交渉が後続する:訳注)”である。統一部の不許可方針を超越したパク・クネ大統領の決断を促す」。

 一方、「6.15共同宣言実践南側委員会」は28日午前11時に記者会見を予定しています。政府の不許可方針を受け南の統一運動団体がどのように対処するのか、続報をお待ちください。以下に紹介するのは、統一部報道官の会見内容を伝える本日付け『聯合ニュース』の記事です。 (JHK)
原文のサイト http://www.yonhapnews.co.kr/politics/2013/05/27/0503000000AKR20130527065951043.HTML?template=2087 


(ソウル=聯合ニュース)[2013-05-27 11:28送稿]
 政府、6・15共同行事を不許可…北に「言動の自制」を要求

 政府は27日、北が提案した6・15共同行事への民間団体参加を許可しないと発表した。さらに北当局に対し、政府間対話に速やかに応じるよう促した。

また、パク・クネ大統領を実名で非難(5月25日付、国防委談話:訳注)した北当局に強い遺憾の意を表明し、今後の言動の自制を要求した。

 キム・ヒョンソク統一部報道官はこの日、声明を通じて「北が開城工業団地に関する南北当局間の対話提案を引き続き拒否する一方で、民間団体を相手に6・15南北共同行事の開催を提案する矛盾した姿勢をを見せている」として、北の“通民封官”政策を批判した。

キム報道官は「北のこのような態度は真意が疑わしいだけでなく、南内部の葛藤を助長しようとする旧態依然な行動であり、深刻な憂慮を禁じ得ない」と述べた。

 また、「北が南北関係の改善を真に望むなら、南の民間企業や団体と接触するのではなく、一日も早く南北当局間の対話に応じて信頼を積むことが必要だ」と強調した。

さらに、「北は切断した開城工業団地の軍通信線を先ず復元しなければならない」とし、「我が方が去る14日に提案した開城工業団地に関する南北当局間の実務会談を受け入れ、原資材と完成品の搬出問題から至急に解決しなければならない」と指摘した。

 キム報道官は最後に「政治的意図が多分な6・15南北共同行事にこれ以上執着せず、北が速やかに南北当局間対話に呼応するよう、もう一度促す」と明らかにした。

これと関連してキム報道官は、ブリーフィングで「北が当局間対話に応じず、民間に対してはとうてい実行不可能な内容の政治的行事を提案した」とし、「このような行事は望ましくないので、6・15共同行事を政府としては許可しないとの判断だ」と説明した。

 これに対して「6・15共同宣言実践南側委員会」の関係者は、「政府が民間の創りだす流れに乗って当局間接触につなげる機会を自ら遮断した」とし、「北の真意を疑う前に、わが政府に真意がないことを露呈した」と批判した。

 統一部はまた、北がパク・クネ大統領の実名を挙げて激しく非難したことに対し、強い遺憾を表明し即刻中断するよう促した。
キム報道官は「北が公的なメディアを通じて、口にするのも憚られる、引用すらためらうような発言をしたことは極めて遺憾」とし、「即刻に中断しなければならない」と表明した。

彼は「南北関係の健全な発展のためには北が言動を自制し慎まねばならない」と強調した。
これに先立ち北は、国防委政策局報道官の談話でパク大統領の実名を挙げ、低俗な表現を動員して非難した。

 (訳注:この件に関する経緯を整理すると以下のとおり。パク大統領は去る23日、米CSISのジョン・ヘイムリ所長一行に面会した席で「キム・ジョンウン委員長が引き続き韓半島の緊張を高めている。経済発展と核開発を同時に併行するという、成功するはずのない賭博を試みている」と非難した。それを受け、北の国防委は25日の談話で「傀儡大統領パク・クネの発言は無謀なことこの上ない妄言であり、極悪な対決本性を表わしたもの」と応酬した。)

 キム報道官はまた、北のチェ・リョンヘ特使が最近訪中して対話の意志を明らかにしたことに対して、「私たちは基本的に言葉ではなく行動が重要だと見なしている」とし、「中朝両国におけるこのような動向が、北にとって国際的な義務と国際社会に対する約束を遵守する契機になることを期待する」と明らかにした。

南、6.15共同行事「開城(ケソン)開催」で呼応

2013年05月24日 | 南北関係関連消息
5月23日付『統一ニュース』の記事を紹介します。
昨日お知らせしたように、「6・15共同宣言」記念行事の共同開催に関し北側委員会から提案がありました。これを受け南側委員会は、開催地として開城市を指定し、5月末にも実務協議に入りたいとの提案で呼応しました。おそらく、実務協議の場所も開城になるでしょう。
 果たして朴槿恵政府が実務協議の開催と南側委員会担当者の開城訪問を許可するのか、注目したいと思います。 (JHK)


 南、6.15共同行事「開城(ケソン)開催」で呼応-6.15南側委、南北当局に通行・通信など諸般の協力を要請-
  2013年05月23日17:57:20、チョ・ジョンフン記者whoony@tongilnews.com

 「6.15共同宣言実践南側委員会」(常任代表議長イ・チャンボク)は、「6.15共同宣言実践北側委員会」(委員長キム・リョンソン)に、6.15 共同宣言の13周年民族共同行事を開城で開くことを提議し、北側に呼応した。

 6.15南側委員会は23日午後、執行委員長団の会議を開いて「6.15共同行事を開城地域で開くことを提案する」と発表し、「開城で6.15民族共同行事を開催することによって南北関係を改善し、開城工業団地の問題解決に寄与したい」と明らかにした。

 先立って6.15北側委員会は22日、6.15南側委員会と6.15海外委員会に、開城または金剛山での6.15民族共同行事開催を提案していた。これに対し6.15南側委員会は、開城工業団地の問題解決に寄与する意味で、開催場所として開城地域を選択したと見られる。

 6.15南側委員会は「共同行事の成功に向け、通行、通信、身辺安全保護など諸般の事項に関する南北政府当局の協力」を要請した。同時に6.15南側委員会は、今月末ごろに行事開催のための実務協議を6.15北側委員会に提案する方針だ。

 今回の6.15共同行事に関し、韓国政府統一部の当局者は23日「南北関係の現況で不必要な論議が発生してはならない。これまでに開催された共同行事の性格や波及効果などを総合的に検討したうえで政府の立場を決定する」とし、留保的な立場を表明している。

北、6・15記念行事の南北共同開催を提案

2013年05月23日 | 南北関係関連消息
 
 5月23日付ソウルの『聯合通信』は「6・15共同宣言」の発表13周年を迎えるにあたり、同宣言の北側実践委員会が、南および海外の実践委員会に送った統一行事の共同開催提案について報道しました。
 統一行事を北の開城(ケソン)もしくは金剛山(クムガンサン)で共同開催しようとの提案です。北の一方的な宣伝攻勢だと反発する向きもあるでしょうが、南北の和解と協力を掲げた「6・15共同宣言」の精神に基づき、韓国政府の前向きで積極的な対応を期待します。さらに一歩踏み込んで、南側実践委員会が8・15(解放記念日)、もしくは10・4(南北首脳宣言)の記念行事をソウルで共同開催しようと呼びかけるのも、一案だと思います。  JHK


北、6・15記念行事の南北共同開催を提案

 (ソウル=聯合ニュース)チャン・チョルウン記者
 北が、来月15日に13周年をむかえる6・15共同宣言行事を南北で共同開催しようと提案したことが、23日に確認された。

 6・15共同宣言実践南側委員会(南側委)はこの日配布した報道資料で、「前日、6・15共同宣言実践北側委員会(北側委)から、'6・15共同宣言発表13周年民族共同統一行事を開城または、金剛山で推進しよう' という提案を受けた」と明らかにし、受信したファックスの原本(写真)を公開した。

 北側委は南側委に送ったファックスで「北南関係を原状回復し自主統一の新しい局面を開く唯一の道は6・15共同宣言の履行にある」として、共同行事を提案した。

 チョン・ヒョンゴン南側委共同執行委員長は「北側が開城を開催地の一つに提案したことは、開城工業団地を生かそうとする意志を間接的に表明したこと」と述べた。そして、「行事の開催には切断された軍事通信線の回復など、南北当局間で協議すべきことが少なくない。政府が肯定的な方向で協力してくれることを願う」と明らかにした。

 韓国政府統一部の関係者は「南北関係の現況で不必要な論争が発生してはならない。その間に開催された共同行事の性格や波及効果などを総合的に検討したうえで、政府の立場を決定する」と説明した。

 6・15共同行事は、2000年南北首脳会談の翌年からイ・ミョンバク政府初年度の2008年まで、毎年、金剛山(クムガンサン)で開催された。ところが、2008年7月に発生した金剛山観光客の死亡事件などにより南北関係が悪化し、2009年以降は開かれていない。

アメリカ政府にとっての朝鮮半島問題

2013年05月12日 | 南北関係関連消息
米国製のPAC-3パトリオット・ミサイル


 アメリカ合衆国は世界最強の軍事大国であり国際社会の指導国を自認している。では、米国の外交政策において「北朝鮮の核脅威」をはじめとする朝鮮半島問題は、どれほどの重要度を占めるのだろうか。

 今回、朴槿恵大統領の訪米を見守るなかで、朝鮮半島問題の優先順位が決して高くないことを実感した。首脳会談後の記者会見では四人の記者が質問した。二人は米国メディアの記者だ。その質問はシリアの内戦とアメリカ軍内部の性的暴行事件に関する内容で、朝鮮半島問題や米韓関係とはほぼ無縁な話題だった。米国民の関心がどこにあるのかを端的に示す質問だが、韓国大統領との共同記者会見だったのでかなりの違和感を覚えた。

 米国の外交政策において、常に最優先の順位を占めるのは中東問題と言われている。現状ではシリア事態であろう。シリア政府が化学兵器を使用した疑惑が浮上し、イスラエル軍はシリアを攻撃した。そしてイランが中東のイスラム諸国に向け、イスラエルに対抗する共同戦線を主張している。緊迫するシリア事態を前にしては、米韓首脳会談の比重も低下せざるを得ないところだ。

 米政府において国務長官の占める位置は際立っている。その存在感は副大統領をも超えると言えよう。当然ながら、韓国大統領を迎える会談の場に参加しているはずだ。しかし、ジョン・ケリー国務長官は一度も顔を見せなかった。彼は一体、どこで何をしていたのか...。

朴槿恵大統領がワシントンに到着した数時間後、彼はロシアに向け出発している。プーチン大統領とシリア事態の対策を講じるためだ。周知の通り、内部にチェチェン問題を抱えるロシアはアサド政権を擁護し、イスラエルの安全保障には政権交代が不可欠とする米政府は反政府軍を支援してきた。三時間に及んだ会談の末に米露はシリア事態への打開案に合意した。5月下旬に、アサド政権と反政府軍の間で平和交渉を開始するという内容だ。

 米韓首脳会談で、朝鮮半島の平和体制に向けた具体的な提案は一切なかった。両首脳は、国連安保理の対北制裁決議が唯一の解決策と見ているようだ。中国の積極的な協調をくり返し主張するのは、北朝鮮との困難な交渉を推進する意思も代案もないからだろう。

 今回の米韓首脳会談は国務長官が不在であり、実務責任者であるアジア・太平洋地域担当次官補も任命されていない状況で開かれた。これが、米国外交における朝鮮半島問題の位置づけであり、「北朝鮮の脅威」に対する危機認識のレベルと言えよう。米政府は“北朝鮮による先制攻撃”を想定していない。よって、朝鮮半島問題を緊急な解決課題とは見ていないのだ。

 その一方で、米政府は米韓首脳会談でも抜け目なく国益を確保している。朴槿恵大統領は歴代の韓国大統領に劣らない歓待を受けた。だが、請求書は高額だった。オバマ大統領は共同記者会見で、韓国政府の「シリア反政府軍に対する支援」を要請した。また、北朝鮮のミサイル脅威への対処として「ミサイル防衛網(MD)への共同投資」を強調している。

米韓同盟60周年が声高に謳われているが、MD計画への無分別な参与は米国製武器の購入拡大と膨大な軍事費負担につながるだろう。また、南北関係だけでなく、中国との関係も緊張することは明らかだ。金大中政権期にも米政府はMDへの参与と迎撃ミサイルの購入を強要したが、当時の千容宅(チョン・ヨンテク)国防長官は次のように説得したという。

 「われわれは南北関係を改善して、北が核兵器やミサイルで南を攻撃しないように良好な関係を築くつもりだ。だからミサイル防衛の話はやめよう。」

 朴槿恵大統領は米議会の演説で、非武装地帯(DMZ)に世界平和公園を作る構想を発表した。三千里鐵道としても歓迎すべき話だが、素朴な疑問が頭をよぎる。朝鮮半島の平和体制を念頭に置かず、そして北との和解・協力なしに、「DMZの世界平和公園」が果たして可能だろうか?    2013.5.12 JHK