そうそう、病室のベッドが柔らかいという話でしたっけ。腕に点滴、ペニスに尿道カテーテル。ベッドで寝ているしかない私に、じわりじわりと忍び寄るベッドの柔らかさ。その柔らかさによって、腰というか腰につながる筋肉が痺れてきたのです。看護師さんにその旨を伝えて、ちょっと横向けにしてもらい背中にタオルとかをあてがってもらう。その体勢も1時間くらいで、やはり腰は痺れてしまう。そもそも、昨日のベッドは程良い固さだったはずなのに。ベッド脇のシーツの下に手を入れてみると、柔らかマットレスが追加されているよな。妻も帰ったし、今日はこの状態で過ごすしかない。また、今夜も眠れません。夜の9時、消灯時間になると、暗い部屋の中で時間の過ぎるのが、特に遅く感じる。ふと気がつけば、時計の時刻を確かめている。ほぼ、1時間ごとにね。
そうして、しばらくしていると、外から、ババンババンとエンジン音のうるさい車が近所を通り過ぎる。静かな病院の周囲を一瞬にして、この騒音が取り巻いている。ましてや、コンクリートの建物に反響して、さらにうるさくなっている。深夜の病院近くを走る、自動車の爆音って、取り締まってくれませんかね~。これって、騒音を出すために走っているようなもので、それこそガソリンの無駄遣い。などと考えながらも、なかなか寝つけない。まだまだ、深夜の午前1時。これは先が長い。相変わらず、腰が痛い。夜が明けて、朝の7時を過ぎれば、まずは腕の点滴を外してもらえる。そして今、この4人部屋は、私ともうひとりしかいない。出口近い人、昨日、私が入院して直ぐに、何処かへ消えてしまった。おそらく病室を移ったのだと思う。その人は、泌尿器科じゃなかったから。そういえば、このフロアは全部というか、ほとんどが泌尿器科系統の患者らしい。で、ほぼ同じ時間帯に入院した隣の人は、午後の手術だったはずだが、とうとう夜は帰ってこなかった。おそらく、手術後は集中治療室に留まって、夜を過ごしているのかもしれない。などと、考えながら時計を見ると、やっと3時過ぎ。ふ~う。
で、ちょっとばかりうとうとしたみたいで、5時前だ。外はすっかり明るくなっている。尿道のカテーテルはやっぱり変な感じだが、あと2日は我慢しなければならない。さらには柔らかマットレスで、腰が痛い。私も家ではベッドでマットレスを使っているんだけど、そのマットレスの上に、90センチ幅硬いベニヤ板を、ちょうど腰に当たる部分を中心に敷いている。家で使うマットレスだから、かなり硬いタイプを選んだつもりなんだけど、実際に使ってみると腰が痛くなってしまった。それで、ベニヤ板を敷いている。妻は平気なんだけど。10年くらい前に、マットレスのスプリングがダメになって、マットレスだけを買ったんだけど、やはり柔らかすぎた。だから、私に会う硬さとは、ちょうど畳の硬さが一番自分のカラダに合うのだと思う。畳の上に、布団を敷けば、ちょうどいいのだ。そんなわけで、病院だけじゃないけど最近のマットレスは柔らかすぎるんだよね。さて、眠いけれど、7時前になったら、部屋に灯りが点った。いよいよ、点滴も外してもらえます。入院の3日目が始まる。