☆アニメ「地球へ…」の二次小説です。
<人物>
ジョミー ノア副首相に就任 ジュピターは宇宙の軍を動かせる権限を持っている
シド ミュウの優秀なパイロット 今はジョミーの専属
『君がいる幸せ』 限りある永遠(limitato etemita)編 七話(※BLあり)
※一章「黄昏の海」から順に改稿とタイトル変更を行っています。大幅な変更はありませんが、動きや感情表現の追加とかをしています。
深層
「ハーレイ…懐かしいな」
「ジョミー。あなたは前より少し若い?」
「ああ、あれから色々あってね」
「そうですか。まだ苦労しているんですね」
「あの大戦からほんの十六年だよ。まだまだ問題ばっかりさ」
「十六年ですか…」
「ハーレイ。長老たちが生きていてくれたらって何度も思った」
「我々が居なくても、やっているならそれで良いんですよ」
「良くないよ。力になって欲しい事ばかりだった。今だってそうさ…」
「やっぱり、呼びましたよね?」と微笑む。
「心の中で嘘をついても何も隠せないのは知ってる。そう僕は呼んだよ。シドの中には君が居る筈だから…シドは何処にいる?教えて欲しいんだ」
「ジョミー。それは自分で見つけないと…」
「わかっているが、時間が無いんだ。でないと…」
「でないと?」
「彼と一線をこえてしまいそうなんだ」とあきれたように笑った。
「え?一線って…」
「今、まさに、今、超えそうなんだ。飲まされた薬物の所為で…現実の二人はどうしようもなくなっている…」
「ああ、それで単独でここまで来たのですか…。また無謀な事をしていますね」
「ハーレイ。今は説教は無しだよ」
「わかりました。だけど、シドの好意はそんな風ではなかった筈ですよ…」
「それは、僕に対して、恋愛感情では無かったって事だよね」
「そうです。ジョミー。あなたが彼に何かしました?」
「え…僕が?いや…思い出せないな…」
「ジョミー。あなたは…記憶が無い…?」
「ああ、壊れている。でも大丈夫だ。修復する術はある」
「修復では無いでしょう?」
「…そうだね。上書きかな…?」
「それは記憶操作とどのくらいの違いがあるのですか?」
「…大きく違う…」
「……」
「いや、大きく違うように見せて。本当にはそうも違わないだろう…」
「大丈夫ですか?」
「実はそう大丈夫でもない…」
「そうですか…。だからさっきはあんな弱音を言ったのですね」
「…そう…」
「何が正しいのか、何が一番良いのか。わからなくなっているみたいですね」
「だけど、あれが正しい事だとは思えないんだ」
「知らない方が良い事実もありますよ」
「うん。だけど、僕はそれを知りたいんだ」
「たった一人でですか?」
「いや、シドに協力をしてもらいたいと思っている」
「わかりました」
「シドはどこに居るんだ?」
「シドを救って下さい。彼を救う事が、あなたをも助ける事になります」
「どこにいるんだ?」
「では、壁を壊してください。あの壁を壊さないと見つけられません」
「…あの壁を…?」
そう言って壁を仰ぎ見た。壁はそこまで迫ってきていた。
「…ジョミー。あの頑丈な壁はあなたが作った物です。シドはそれで苦しんでいる」
「僕が作った壁?」
「拒絶しましたよね?」
「ああ、僕が…」
「友人だと?」
「そうだ。僕は友達で居たかったんだ。…そう言って僕は彼の言葉から逃げた」
「それがシドに越えられない壁を作らせた」
「自分じゃ越えられないの?」
「ええ」
「そうか…わかった」
「それと、もう一つだけ…。思いが届かないのは良くある事です」
「ああ。そうだな。ハーレイ。来てくれて、ありがとう」
ジョミーは、壁に向かって行った。
「シド。僕が作ったこの壁を壊すぞ。壊したら僕もお前も本音しかない。覚悟して待っていろ」
爆音と共に、壁に穴が開き、亀裂が入ったかと思うと一斉に崩れていった。
「!」
壁と同時に床も崩れた。
落ちる瞬間にジョミーはハーレイを振り返った。
「ハーレイ!本当にありがとう」
ジョミーは下へと落ちて行った。
現実
ジョミーの部屋のベッドの上で二人が絡み合っていた。
「シド…。もう…ダメ…」
「ジョミー…」
「もうこれ以上は…」
「僕も…下さい。ジョミー。君の…」
「いいよ。してあげる」
深層
「…う…」
身体の芯が疼く。
心の中だから、身体の反応がそのままキテも仕方がない。
「ハーレイとの邂逅の余韻にも浸らせてくれないのか?」
そう言ってみてもここからでは現実には何も影響を与える事が出来ない。
頭の中に勝手に飛び込んでくる映像を見ながら愚痴を言うくらいしか無かった。
「だけど…いくらなんでも…このままじゃ…僕たちは…」
「ジョミー」
どこかで声がした。
続く
※改稿で新作のUPが遅れています><すみません。
<人物>
ジョミー ノア副首相に就任 ジュピターは宇宙の軍を動かせる権限を持っている
シド ミュウの優秀なパイロット 今はジョミーの専属
『君がいる幸せ』 限りある永遠(limitato etemita)編 七話(※BLあり)
※一章「黄昏の海」から順に改稿とタイトル変更を行っています。大幅な変更はありませんが、動きや感情表現の追加とかをしています。
深層
「ハーレイ…懐かしいな」
「ジョミー。あなたは前より少し若い?」
「ああ、あれから色々あってね」
「そうですか。まだ苦労しているんですね」
「あの大戦からほんの十六年だよ。まだまだ問題ばっかりさ」
「十六年ですか…」
「ハーレイ。長老たちが生きていてくれたらって何度も思った」
「我々が居なくても、やっているならそれで良いんですよ」
「良くないよ。力になって欲しい事ばかりだった。今だってそうさ…」
「やっぱり、呼びましたよね?」と微笑む。
「心の中で嘘をついても何も隠せないのは知ってる。そう僕は呼んだよ。シドの中には君が居る筈だから…シドは何処にいる?教えて欲しいんだ」
「ジョミー。それは自分で見つけないと…」
「わかっているが、時間が無いんだ。でないと…」
「でないと?」
「彼と一線をこえてしまいそうなんだ」とあきれたように笑った。
「え?一線って…」
「今、まさに、今、超えそうなんだ。飲まされた薬物の所為で…現実の二人はどうしようもなくなっている…」
「ああ、それで単独でここまで来たのですか…。また無謀な事をしていますね」
「ハーレイ。今は説教は無しだよ」
「わかりました。だけど、シドの好意はそんな風ではなかった筈ですよ…」
「それは、僕に対して、恋愛感情では無かったって事だよね」
「そうです。ジョミー。あなたが彼に何かしました?」
「え…僕が?いや…思い出せないな…」
「ジョミー。あなたは…記憶が無い…?」
「ああ、壊れている。でも大丈夫だ。修復する術はある」
「修復では無いでしょう?」
「…そうだね。上書きかな…?」
「それは記憶操作とどのくらいの違いがあるのですか?」
「…大きく違う…」
「……」
「いや、大きく違うように見せて。本当にはそうも違わないだろう…」
「大丈夫ですか?」
「実はそう大丈夫でもない…」
「そうですか…。だからさっきはあんな弱音を言ったのですね」
「…そう…」
「何が正しいのか、何が一番良いのか。わからなくなっているみたいですね」
「だけど、あれが正しい事だとは思えないんだ」
「知らない方が良い事実もありますよ」
「うん。だけど、僕はそれを知りたいんだ」
「たった一人でですか?」
「いや、シドに協力をしてもらいたいと思っている」
「わかりました」
「シドはどこに居るんだ?」
「シドを救って下さい。彼を救う事が、あなたをも助ける事になります」
「どこにいるんだ?」
「では、壁を壊してください。あの壁を壊さないと見つけられません」
「…あの壁を…?」
そう言って壁を仰ぎ見た。壁はそこまで迫ってきていた。
「…ジョミー。あの頑丈な壁はあなたが作った物です。シドはそれで苦しんでいる」
「僕が作った壁?」
「拒絶しましたよね?」
「ああ、僕が…」
「友人だと?」
「そうだ。僕は友達で居たかったんだ。…そう言って僕は彼の言葉から逃げた」
「それがシドに越えられない壁を作らせた」
「自分じゃ越えられないの?」
「ええ」
「そうか…わかった」
「それと、もう一つだけ…。思いが届かないのは良くある事です」
「ああ。そうだな。ハーレイ。来てくれて、ありがとう」
ジョミーは、壁に向かって行った。
「シド。僕が作ったこの壁を壊すぞ。壊したら僕もお前も本音しかない。覚悟して待っていろ」
爆音と共に、壁に穴が開き、亀裂が入ったかと思うと一斉に崩れていった。
「!」
壁と同時に床も崩れた。
落ちる瞬間にジョミーはハーレイを振り返った。
「ハーレイ!本当にありがとう」
ジョミーは下へと落ちて行った。
現実
ジョミーの部屋のベッドの上で二人が絡み合っていた。
「シド…。もう…ダメ…」
「ジョミー…」
「もうこれ以上は…」
「僕も…下さい。ジョミー。君の…」
「いいよ。してあげる」
深層
「…う…」
身体の芯が疼く。
心の中だから、身体の反応がそのままキテも仕方がない。
「ハーレイとの邂逅の余韻にも浸らせてくれないのか?」
そう言ってみてもここからでは現実には何も影響を与える事が出来ない。
頭の中に勝手に飛び込んでくる映像を見ながら愚痴を言うくらいしか無かった。
「だけど…いくらなんでも…このままじゃ…僕たちは…」
「ジョミー」
どこかで声がした。
続く
※改稿で新作のUPが遅れています><すみません。
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