司法書士佐季papaの毎日が一期一会

■■最近は気まぐれですが、日常の業務等を通じて実際に感じたことや,プライベートでの出来事についてお伝えしています■■

詐害行為になるの?ならないの?(最後)

2010年11月04日 | お仕事
これで最後です。4日もお付き合いくださいましてどうもありがとうございます。

これもよく目にしますが、「詐害行為として訴えられたとしても元の状態に戻るだけでしょ。ならば、ダメもとでやってみる価値があるんじゃない。」と仰る方がいます。

でも、よく考えてみてください。
元に戻すだけの為に債権者が安くもない費用を負担してまで訴えてくるでしょうか?
既に書いたように、詐害行為として訴えるには幾つかのハードルありますが、これをクリアするのは結構困難だと思われます。
にもかかわらず、訴えてくるのですから、そこには大きな勝算があるわけです。

そしてその場合の債権者の目的は自分の債権の保全及び実現です。
実現とは、具体的には債務者の財産の差押をして、お金に換え、そして回収することを指します。
そのためには詐害行為取消訴訟と同時に債権者は債務者に対し訴訟(差押するため)を提起する必要があります。
これは実務上行われていることです。

それは、とりもなおさず時効の中断にもなりますし。

ということは、不動産の譲渡であれば、債務者名義に戻した後で間違いなく競売となるでしょう。
元の状態に戻るだけでは済みません。

長々と書きました。そろそろお終いです。

今回お話をしたのはあくまでも詐害行為取消権のことであって、
これと似たような権利である否認権(破産法や民事再生法上の制度)の場合は若干内容が異なってきます。
詐害行為はYと甲、またはZと甲との個別の問題なのですが、否認は甲対YZ(すべての債権者)の問題だからです。

相談者の置かれている状況、これからの選択肢によって自ずと答えは変わります。

したがって、これから名義変更をしようと考えている方は必ず事前に弁護士または認定司法書士に相談するべきです。
無駄になりそうな費用をかけて、その結果債権者を怒らせて、それが自宅ならばいずれ手放すことになるような選択を専門家の知恵も借りずに行うことはお勧めできません。

そして、相談した上での選択ならばもちろん私は何も言いません。
あなたの人生だし、「ダメもと」が結果的に上手くいったという事例も少なからずあるからです。

参考になった方もそうでない方も、

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では、また明日。

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 --司法書士 松鵜孝之(HN:佐季papa/サキパパ)--
 http://www.sakipapa.net
コメント (2)
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