さて、会社ではお歳暮のシーズンである。
毎日、お菓子やビールが次々届いている。
宅配業者の宛名シールや箱や重さから中身を推定し、お菓子はあまり口に入らないようなものはお茶場に移動し(後でみんなであけて食べる用)、そうでないものは、お歳暮の山なるものにポイと置く。もちろん仕分ける際にネットでどのようなものかチェックも欠かさない。「ウム。これは美味なるものじゃのぉ・・・」とひとり上から目線でつぶやきながら食べてみたりする。
そしてお礼状も書くのも自分である。
とは言ってもいちいち書いていられないので、去年作ったワード文書をもう一度開いて、年度を替えて印刷するだけである。
どこかからか、引っ張り出した「お礼状の文章」なるものをコピペして貼り付けただけという味もそっけもないものである。
前の会社にいた賢い女性上司が、Iさんなる人の文章を見て「これはどこかの文章に自分の文章を組み合わせていますね。だって、こことここが釣り合いが取れていませんから。」と言っていたのを思い出し、私はそういうビジネス用語にはなるべく手を加えないようにしているのである。日本語って難しい。。。
上から下まで機械的なお礼状だが、せめて宛名だけは手書きにしている。
私は数年前から、ハガキの宛名書きを縦書きにすることにした。(会社のもののみ)
それまではすぐに曲がりくねるので横書きにしていたが、ある年を境にハガキの宛名を縦書きに改めたのである。
それは字のうまい母が(コレと言う相手には)父の代わりに宛名を書いていたのである。
二人の間では、偉い人には立派な字を書いた年賀状を送ろうという暗黙の了解があったである。私はそれを幼い頃から刷り込まれていたが、今から思うと、そういう家庭はあの家だけだったのではなかろうか。
その疑問はさておき、私はその童心にかえり、一枚のハガキを裏返しにして、宛名を縦書きで母のように書いてみるのだった。
今では比べることもできない母の達筆であるが、自分なりに「似ているのでは?」と思えるような気もしないでもない。「あの人がしていたなら私もしてみよう」みたいな気持で、また今日も裏返してトン、スーと書いてみるのである。
そうすること数年。(3~4年後)
あの苦手なハガキの縦書きも、なかなかまっすぐに書けるようになってきた。
本来なら薄く鉛筆でタテに線をひっぱってから書いた方がいいかもしれないが、そんなことまでわざわざしない。ただおもむろに宛名を書く。
「うん、これはなかなかいいデキだ」とか「あれまぁ、これは曲がっちまったじゃないか」などと一人で勝手に書いている。(簡単に言うと習字の練習みたいなものだろうか)
でもさすがに数年もやっていると、だんだん大きさも揃うようになり、まっすぐに書ける割合も増えてきた。そしてまた今日も「これはなかなかうまい出来だ」等と一人悦に入るのであった。
(誰も関心もなく、気付かれない所で一人悦に入るワタシ。。。)
毎日、お菓子やビールが次々届いている。
宅配業者の宛名シールや箱や重さから中身を推定し、お菓子はあまり口に入らないようなものはお茶場に移動し(後でみんなであけて食べる用)、そうでないものは、お歳暮の山なるものにポイと置く。もちろん仕分ける際にネットでどのようなものかチェックも欠かさない。「ウム。これは美味なるものじゃのぉ・・・」とひとり上から目線でつぶやきながら食べてみたりする。
そしてお礼状も書くのも自分である。
とは言ってもいちいち書いていられないので、去年作ったワード文書をもう一度開いて、年度を替えて印刷するだけである。
どこかからか、引っ張り出した「お礼状の文章」なるものをコピペして貼り付けただけという味もそっけもないものである。
前の会社にいた賢い女性上司が、Iさんなる人の文章を見て「これはどこかの文章に自分の文章を組み合わせていますね。だって、こことここが釣り合いが取れていませんから。」と言っていたのを思い出し、私はそういうビジネス用語にはなるべく手を加えないようにしているのである。日本語って難しい。。。
上から下まで機械的なお礼状だが、せめて宛名だけは手書きにしている。
私は数年前から、ハガキの宛名書きを縦書きにすることにした。(会社のもののみ)
それまではすぐに曲がりくねるので横書きにしていたが、ある年を境にハガキの宛名を縦書きに改めたのである。
それは字のうまい母が(コレと言う相手には)父の代わりに宛名を書いていたのである。
二人の間では、偉い人には立派な字を書いた年賀状を送ろうという暗黙の了解があったである。私はそれを幼い頃から刷り込まれていたが、今から思うと、そういう家庭はあの家だけだったのではなかろうか。
その疑問はさておき、私はその童心にかえり、一枚のハガキを裏返しにして、宛名を縦書きで母のように書いてみるのだった。
今では比べることもできない母の達筆であるが、自分なりに「似ているのでは?」と思えるような気もしないでもない。「あの人がしていたなら私もしてみよう」みたいな気持で、また今日も裏返してトン、スーと書いてみるのである。
そうすること数年。(3~4年後)
あの苦手なハガキの縦書きも、なかなかまっすぐに書けるようになってきた。
本来なら薄く鉛筆でタテに線をひっぱってから書いた方がいいかもしれないが、そんなことまでわざわざしない。ただおもむろに宛名を書く。
「うん、これはなかなかいいデキだ」とか「あれまぁ、これは曲がっちまったじゃないか」などと一人で勝手に書いている。(簡単に言うと習字の練習みたいなものだろうか)
でもさすがに数年もやっていると、だんだん大きさも揃うようになり、まっすぐに書ける割合も増えてきた。そしてまた今日も「これはなかなかうまい出来だ」等と一人悦に入るのであった。
(誰も関心もなく、気付かれない所で一人悦に入るワタシ。。。)