趣味の日記

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侯爵さま語り・その3

2013-03-07 23:30:56 | 観劇
まだしつこく語るんかい!と突っ込まれそうですが(爆)。

思い込んだら一直線、純で一途な侯爵さまの、最愛の人カテリーナ。
せしるちゃんも、この役はなかなか難しかったご様子で、ドラマシティ公演のときは、かなり苦戦中な感じに見えてました。
そりゃあね、普通の人だという以外、具体的設定がまったくなく、台詞も侯爵さまとの会話のみ。
本当に大変だっただろうと思うのですけど、ともみんのファンミーティングでのお話では、いろいろ話し合って、細かく設定も考えて、つくって行かれたご様子。
カテリーナは、侯爵さまに一目惚れだったということらしいので(それもなかなかぶっ飛んでると思うけど/爆)、お二人の出会いや積み重ねた時間などの細かいお話も、もっと聞きたかったなぁ。

そんなカテリーナが、侯爵さまの正体を知ってどれほど思い詰めたのかは、自分から死のうとしたというくらいですから、相当の衝撃だったんでしょう。
でもそれって、侯爵さまを愛してたからこその、行動だったんですよね。
侯爵さまも、そういう意味では、カテリーナの愛をまったく疑ってない。自分のことがイヤになって逃げ出した、とかは考えてないんですよね(笑)。共にずっと生きることができない、そう思い詰めて飛び出して行ったんだと。
二人が心から愛し合っていたからこそ、侯爵さまは身を捧げてカテリーナを救おうとしたし、目覚めたカテリーナともう一度話をしようと思えたのでしょう。
だって、「彼女が納得してくれるまで、説得を続けます」なんて、相手が自分を想ってくれてるという確信がないと、言えないですよ(苦笑)。

そんなラブラブな二人のはずなのに、やっぱりカテリーナはずっと悩み続けてます。
それがまた、正塚脚本の一筋縄ではいかない悩み方で(苦笑)。
侯爵さまの一世一代の愛の告白にも、「貴方の言葉に嘘はないとわかっているのに、自分の心の中の何かが揺らぎだすの。どうしてなのかわからないのよ」と、なかなか素直に応じられない。
カテリーナが恐れていたのは、自分だけが老いていくにつれて、歳をとらない侯爵さまの愛を失ってしまうのではないかということよりも、侯爵さまとずっといつまでも一緒にいるためには、また侯爵さまの身体を移殖してもらえばいい、という、侯爵さまの愛情を利用するようなことになりはしないかという、そんな矛盾した考え方なんですね。
侯爵さまが「夢を見たんだ」とカテリーナに話をしていくにつれて、カテリーナの表情が、図星を突かれてものすごく動揺してます。
愛しているからこそ、ずっと一緒にいたいのに、そのために愛する人を利用するなんて、自分の心の醜さが、カテリーナはものすごく怖かったんですね。
それに、侯爵さまがそれを拒まないだろうということもわかっていて、だからこそ自分の醜さをますます痛感して、侯爵さまの優しさを憎く感じてしまったりも、したのかもしれない。
散々葛藤したあとに、それを吹き飛ばしたのが、侯爵さまの「そうしたいならそうすればいい!仮初めでもいい、私は君を失いたくない!!」という、力技のひと言だったってのが、ええぇぇっ!?って感じなんですが(爆)。
でも、何もかも、承知して、理解した上で、それでもなおカテリーナを愛してると言い切る侯爵さまの、無償の愛の深さというか、そうやって自分の醜さに悩み苦しんでるカテリーナこそを、侯爵さまはより愛おしく想ってるんだろうな~と、納得できるだけの、誠実さと優しさと包容力を一杯に表現してくれたともみんって、すごいなぁと思います。
きっと、年月を重ねていっても、侯爵さまはカテリーナを愛し続けるだろうし、カテリーナも、穏やかに老いて死ぬまで、移殖を受けたいとは言わずに逝ったんじゃないかと。侯爵さまは、カテリーナを失って嘆くでしょうけど、でも共に生きた日々に感謝しながら、その先も生きていけるだろうと。
生まれ変わり云々の話はありましたが、別に侯爵さまは、カテリーナの生まれ変わりがいるかどうかなんて、問題じゃないんだと思います。
ただ、もしかしたら、またどこかにカテリーナの魂が生き続けているのかもしれない。
同じ世界のどこかで、愛する人が幸せに生き続けているかもしれない。
そんな風に思えたら、きっと侯爵さまの長い人生も、幸せに過ごせるかもしれない。
そうだったらいいな・・・と、思います。

コメント
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