「太平記」にハマるにおいて影響が大きかったのは、やはり大河ドラマ。
時期的に、ちょうど興味を持った頃でしたし、高校で日本史を習っていた頃でもありました。
高校の図書室で、大河原作の吉川英治「私本太平記」も読みましたね。
配役も豪華だった!
真田広之の足利尊氏、高嶋政伸の足利直義、尊氏の妻・赤橋登子は沢口靖子、のちに尊氏の子・直冬を生む白拍子の藤夜叉に宮沢りえ。
脇にも、陣内孝則、根津甚八、片岡鶴太郎、大地康雄、勝野洋、榎木孝明、柄本明、近藤正臣、緒方拳、武田鉄矢、片岡孝夫(今の仁左衛門)などなど。
実は今年の大河「功名が辻」と重なる役者さんが多い(笑)。
当時の大河本を読んでみると、真田広之さんは撮影時で30歳だったとか。若い~!
それでも、ドラマを見てると上手いな~と思うんですよね。尊氏って、正直なようであまり表に出さないから、黙って「・・・」ってシーンも多いんですけど、その時の目のお芝居がすごく利いてて、尊氏のキャラとしてすごく説得力がある。
私の尊氏のイメージは、まずここから来てます(笑)。
その点、弟の直義は高嶋さんですが、大河の直義キャラはいささか熱血過ぎ(笑)。まあ、兄の真田さんとのバランスは良かったですけど。
あとからいろんな小説や解説書などを読んでいくうちに、直義はもっと冷徹派、というイメージに収まりました。
大河の配役で、一番強烈だったのは楠木正成の武田鉄矢!
もう私の中では、正成パパは武田正成以外にありえない!というくらいまでになってます(笑)。
大河では、息子の正行は子供時代にちらほら出てきましたけど、成人してからは一回だけ、すぐに討死しちゃいます。
でも、パパの正成はメインキャラ。河内の土豪出身で、一緒に畑を耕して領民に慕われ、それでいて戦となればゲリラ戦法を駆使して名門武家たちを引きずりまわし、後醍醐天皇への恩と義理に忠実に、不器用に、足利方への変節を潔しとはせずに湊川に散っていく。
昔から言われてきたような、颯爽としてカッコいい正義のヒーローみたいな正成ではなく、「戦は嫌いだ」といってなかなか動かず、天皇への忠誠というより好意と、世の流れを知りつつもそれに乗り切れない不器用さ、そういった人間味あふれる正成パパが、好きでしたね♪
大河の次に、影響大なのは小説。中でも北方謙三の太平記シリーズ(と呼んでいる)は、すごくハマりました♪
「武王の門」。九州南北朝というものを、私が初めて知った本(笑)。全国的に北朝=足利方優勢だったこの時代、唯一南朝が覇権を握った地域。その中心が後醍醐天皇の皇子、征西将軍の懐良親王。この小説の親王様が、カッコいいんですよね~♪♪私にとって理想の武将。もし宝塚にこの親王を演じられるタイプの人が出てきたら、私はそのスターさんに落ちるでしょう(爆)。・・・今のところ、見当たりませんけど(汗)。
「破軍の星」。陸奥守として東北へ下り、若き天才武将として名を馳せた公家、北畠顕家が主人公。奥州南北朝を描いてはいるんですけど、顕家君が中央(京の帝)の方を向きすぎなのと、あまりに天才で出来過ぎなので、今ひとつ私は萌えない(爆)。天才美少年で、若くして戦死なんて、乙女心をくすぐる設定のはずなんですけどねぇ・・・。
「道誉なり」。近江守護、佐々木道誉から見た足利兄弟、というべき小説(笑)。バサラ大名として、コロコロ寝返り、派手な挙動で一世を風靡した道誉も、尊氏に対してだけは忠実で絶対裏切らない、というのが面白いんですよね(含笑)。この小説では、優柔不断のようで底知れない大きさを持つ尊氏と、几帳面で政治力はあるけど、兄には絶対敵わないことを冷静に自覚している弟の直義、その兄弟関係が好きなんです。その兄弟を、脇から皮肉っぽく眺めてる道誉、という構図(笑)。
「悪党の裔」。尊氏に付いて播磨守護になった赤松円心が主人公。動乱の中でしぶとく生き残る方法、みたいなしたたかさを描いてるところが、ほかの武将たちとはちょっと違ってます。
「楠木正成」。タイトル通り、正成パパが主人公。一群の小説の集大成、といった感じで、ほかの面々もちらほら顔を出してたりします。
北方太平記以外では、やはり田中俊資「楠正行」。
これは本当に面白くて大好き!小説を読みながら、サエコさんのお声と姿ですべて浮かぶ、というくらいピッタリ。
ビジュアル描写も素敵☆薄青の直垂に紫裾濃(紫から白へのグラデーション)の鎧、なんて見てみたかった~!
武家を見下す南朝の公家たちのために、武将としての権限を抑圧されながら、できる範囲で最大限の力を振るおうと苦労し、辛抱強くコツコツ努力する正行が良いんですよねぇ♪
しかも、個性的な面々の多い楠木家臣団との絆の深さ、相愛の弁内侍との不器用なやりとり、それでいて妹のように思ってた相手からアタックされると、情に負けてぐらついてしまうところなど(爆)、人間模様も内容が濃い。
あとこの小説のすごいところは、戦闘シーンなどの描写がすごくリアル。どこそこにこういう陣を敷き、軍をどう編成して、どのように攻撃する、というような動きが細かくて、地図と睨めっこしながら頭の中で組み立てられるんです。それは北方さんの小説もそうなんですけど、北方さんの方がもうちょっと遠目の映像的かな。田中さんのはより実際的。
同じ田中さんの小説で「南朝盛衰記」もありまして、こちらは南朝の皇子、興良親王が主人公。帝や廷臣たちの思惑に翻弄されながらも、やんちゃで覇気のある親王はやがて南北朝の統一を目指して立ち上がり、挫折し、結果として南朝に反旗を翻すことになります。
子供の頃、正行たちに可愛がられてたり、天真爛漫で素直なイメージなので、ひろみちゃんが似合いそう~と思ってたりします(笑)。
杉本苑子「風の群像」も足利兄弟の話ですけど、こちらは私はあんまり・・・(汗)。
これで直義落ちする人が多いとも聞いたんですけど、ここに出てくる直義は、正統派の悩める貴公子過ぎてつまんない(爆)。養子の直冬も、熱血好青年で私好みじゃないですし。
ほかに短編集とかもいろいろ読んでますが、やっぱり南北朝ものって少ないんですよね(汗)。
またお気に入りの太平記小説が見つかるまで、図書館で頑張って探そうと思ってます。
時期的に、ちょうど興味を持った頃でしたし、高校で日本史を習っていた頃でもありました。
高校の図書室で、大河原作の吉川英治「私本太平記」も読みましたね。
配役も豪華だった!
真田広之の足利尊氏、高嶋政伸の足利直義、尊氏の妻・赤橋登子は沢口靖子、のちに尊氏の子・直冬を生む白拍子の藤夜叉に宮沢りえ。
脇にも、陣内孝則、根津甚八、片岡鶴太郎、大地康雄、勝野洋、榎木孝明、柄本明、近藤正臣、緒方拳、武田鉄矢、片岡孝夫(今の仁左衛門)などなど。
実は今年の大河「功名が辻」と重なる役者さんが多い(笑)。
当時の大河本を読んでみると、真田広之さんは撮影時で30歳だったとか。若い~!
それでも、ドラマを見てると上手いな~と思うんですよね。尊氏って、正直なようであまり表に出さないから、黙って「・・・」ってシーンも多いんですけど、その時の目のお芝居がすごく利いてて、尊氏のキャラとしてすごく説得力がある。
私の尊氏のイメージは、まずここから来てます(笑)。
その点、弟の直義は高嶋さんですが、大河の直義キャラはいささか熱血過ぎ(笑)。まあ、兄の真田さんとのバランスは良かったですけど。
あとからいろんな小説や解説書などを読んでいくうちに、直義はもっと冷徹派、というイメージに収まりました。
大河の配役で、一番強烈だったのは楠木正成の武田鉄矢!
もう私の中では、正成パパは武田正成以外にありえない!というくらいまでになってます(笑)。
大河では、息子の正行は子供時代にちらほら出てきましたけど、成人してからは一回だけ、すぐに討死しちゃいます。
でも、パパの正成はメインキャラ。河内の土豪出身で、一緒に畑を耕して領民に慕われ、それでいて戦となればゲリラ戦法を駆使して名門武家たちを引きずりまわし、後醍醐天皇への恩と義理に忠実に、不器用に、足利方への変節を潔しとはせずに湊川に散っていく。
昔から言われてきたような、颯爽としてカッコいい正義のヒーローみたいな正成ではなく、「戦は嫌いだ」といってなかなか動かず、天皇への忠誠というより好意と、世の流れを知りつつもそれに乗り切れない不器用さ、そういった人間味あふれる正成パパが、好きでしたね♪
大河の次に、影響大なのは小説。中でも北方謙三の太平記シリーズ(と呼んでいる)は、すごくハマりました♪
「武王の門」。九州南北朝というものを、私が初めて知った本(笑)。全国的に北朝=足利方優勢だったこの時代、唯一南朝が覇権を握った地域。その中心が後醍醐天皇の皇子、征西将軍の懐良親王。この小説の親王様が、カッコいいんですよね~♪♪私にとって理想の武将。もし宝塚にこの親王を演じられるタイプの人が出てきたら、私はそのスターさんに落ちるでしょう(爆)。・・・今のところ、見当たりませんけど(汗)。
「破軍の星」。陸奥守として東北へ下り、若き天才武将として名を馳せた公家、北畠顕家が主人公。奥州南北朝を描いてはいるんですけど、顕家君が中央(京の帝)の方を向きすぎなのと、あまりに天才で出来過ぎなので、今ひとつ私は萌えない(爆)。天才美少年で、若くして戦死なんて、乙女心をくすぐる設定のはずなんですけどねぇ・・・。
「道誉なり」。近江守護、佐々木道誉から見た足利兄弟、というべき小説(笑)。バサラ大名として、コロコロ寝返り、派手な挙動で一世を風靡した道誉も、尊氏に対してだけは忠実で絶対裏切らない、というのが面白いんですよね(含笑)。この小説では、優柔不断のようで底知れない大きさを持つ尊氏と、几帳面で政治力はあるけど、兄には絶対敵わないことを冷静に自覚している弟の直義、その兄弟関係が好きなんです。その兄弟を、脇から皮肉っぽく眺めてる道誉、という構図(笑)。
「悪党の裔」。尊氏に付いて播磨守護になった赤松円心が主人公。動乱の中でしぶとく生き残る方法、みたいなしたたかさを描いてるところが、ほかの武将たちとはちょっと違ってます。
「楠木正成」。タイトル通り、正成パパが主人公。一群の小説の集大成、といった感じで、ほかの面々もちらほら顔を出してたりします。
北方太平記以外では、やはり田中俊資「楠正行」。
これは本当に面白くて大好き!小説を読みながら、サエコさんのお声と姿ですべて浮かぶ、というくらいピッタリ。
ビジュアル描写も素敵☆薄青の直垂に紫裾濃(紫から白へのグラデーション)の鎧、なんて見てみたかった~!
武家を見下す南朝の公家たちのために、武将としての権限を抑圧されながら、できる範囲で最大限の力を振るおうと苦労し、辛抱強くコツコツ努力する正行が良いんですよねぇ♪
しかも、個性的な面々の多い楠木家臣団との絆の深さ、相愛の弁内侍との不器用なやりとり、それでいて妹のように思ってた相手からアタックされると、情に負けてぐらついてしまうところなど(爆)、人間模様も内容が濃い。
あとこの小説のすごいところは、戦闘シーンなどの描写がすごくリアル。どこそこにこういう陣を敷き、軍をどう編成して、どのように攻撃する、というような動きが細かくて、地図と睨めっこしながら頭の中で組み立てられるんです。それは北方さんの小説もそうなんですけど、北方さんの方がもうちょっと遠目の映像的かな。田中さんのはより実際的。
同じ田中さんの小説で「南朝盛衰記」もありまして、こちらは南朝の皇子、興良親王が主人公。帝や廷臣たちの思惑に翻弄されながらも、やんちゃで覇気のある親王はやがて南北朝の統一を目指して立ち上がり、挫折し、結果として南朝に反旗を翻すことになります。
子供の頃、正行たちに可愛がられてたり、天真爛漫で素直なイメージなので、ひろみちゃんが似合いそう~と思ってたりします(笑)。
杉本苑子「風の群像」も足利兄弟の話ですけど、こちらは私はあんまり・・・(汗)。
これで直義落ちする人が多いとも聞いたんですけど、ここに出てくる直義は、正統派の悩める貴公子過ぎてつまんない(爆)。養子の直冬も、熱血好青年で私好みじゃないですし。
ほかに短編集とかもいろいろ読んでますが、やっぱり南北朝ものって少ないんですよね(汗)。
またお気に入りの太平記小説が見つかるまで、図書館で頑張って探そうと思ってます。