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北アルプス“南の重鎮”- 穂高連峰

2009-04-14 | 中部
天を突き刺すような鋭い岩峰が連なり、大岩壁が涸沢カールを威圧的に取り囲む。
雪で閉ざされた白い峰は人を寄せ付けない。
奥穂高岳、涸沢岳、北穂高岳、前穂高岳、西穂高岳などの峰々からなる穂高連峰は、大キレットの峻険な登降を経て、南岳、大喰岳の先の槍ヶ岳に連なる。穂高岳は、剱岳、谷川岳と共に日本三大岩場に数えられ、特に涸沢岳から南岳の稜線の飛騨側には「滝谷」、また、前穂高岳の東側、奥又白谷の「前穂東壁」を擁する。
井上靖の小説『氷壁』で魚津が遭難したのが前者で、小坂が遭難したのが後者である。
穂高岳登山の拠点となる涸沢は、奥穂高岳と前穂高岳に挟まれた吊り尾根よりU字型にえぐられた圏谷(カール)。
深田久弥 は「穂高の気高い岩峰群は、日本の山岳景観の最高のもの」、「死ぬ者は今後も絶えないだろう。それでもなお穂高はそのきびしい美しさで誘惑しつづけるだろう。」(日本百名山)などと書いている。