ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

おいしい食事

2011-04-11 20:13:53 | Weblog
今日で一ヶ月。
揺れ方は少し小さかったとはいえ、同じくらい長い揺れだった。
また電車とまっちゃうのかな。今日は雨降ってるし、会社に泊まるか。など、
とりあえず何も倒れなくてよかった・・・、という諦めの空気。

同じフロアの女性と立ち話をしていたら、
その人は、最近、野菜を食べることができない、と言っていた。
私が「平気だよ」と言ったら、「なぜ? だってこわくない?」と。

大丈夫。40歳にもなれば、身体の細胞はミスコピーだらけ。
食べようが食べなかろうが「ガンのもと」は、私自身が生み出している。
それなら「おいしい。今日もいい食事だ!」と思いながら食べた方が、
よっぽど免疫が活性化して、元気になりそうなものだ、と言っておいた。

きっと、ガンにはならないね~、と言われたから、
うん。でも、ちゃんとなにかで死ぬから。不死はないし。と。

そういえば、彼女は先日胃カメラをのんだ。
そのほうが、ずっと放射線をあびているだろう。
一番肝心なのは、美味しくて健全な食生活だよ!と言いそうになったけれど、
より不安にさせてもなんだから、言わないでおいた。

彼女は風評被害の被害者でもあり加害者でもある。
おびえるし、食べることが恐怖になるし、そういった意味では被害者。
でも「ガンになる」という半ば迷信に近い感情をばらまいている。
その意味では、農家のみなさんに対して加害者。
この被害者でもあって加害者でもあるという両面性が、すごくすごく難しい。
今回の風評被害に限らず、人と人の連鎖は、そんなことだらけだ。

中井英夫の『虚無への供物』、久しぶりに読みなおそうか。

とにかく、
大地よ、はやく鎮まれ。
むかし読んだ少女漫画では、特別な能力をもつ孤独で美しい少女が、
唯一の理解者である、えらくカッコいい男性に導かれて、
この世を救っていたんだけどな。
両方とも美しいけれど孤独、というところがポイントだった。
なるほどねえ。あり得ないことなんだなあ。