ゆっくり読書

読んだ本の感想を中心に、日々、思ったことをつれづれに記します。

心の整理

2010-05-13 03:27:12 | Weblog
呪詛の言葉が自分に向けられているとわかると、いい気はしない。
その言葉をいっている相手を思い浮かべることができるなら、なおさら。

ただ、自分はそこまでの言葉をその人に対して言うことがなかったことを思うと、
なんとなくホッとする。

でも、こういうとき、言霊の存在を信じたくなる。
誰かがそう言っていると確信するだけで、なんとダメージを受けることか。
しょせんは私の心が生み出した幻影に過ぎないのに、心の中に澱がたまっていく。

人の心は恐ろしい。
相手を呪い殺すとき、同時に自分をも呪い殺している。
相手の姿は、自分の心の鏡に過ぎない。
私が右手を上げるから、心の中の相手も右手を上げるのだ。

先日読んだ『雪の下の炎』という本を思い出す。
中国政府の圧政に苦しんだチベット僧のお話だ。
読みながら、慈悲について深く考えさせてもらった。
こういった読書の経験も、いま私を支えてくれている。

不安は彼方から到来するのではない。
自分の心の中からわき上がるものだ。
怒りもそう。その根は自分の心の中に、自分の行いの蓄積に根ざしている。

こういった思索や感情の動きは、私に心を取り戻させてくれる。
少しダメージを受けているけど、明日が到来することに感謝しよう。