つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

通称「ポンプ小屋」…津幡町の危険で魅力的な人口の小川。

2010年07月29日 01時27分13秒 | 日記
田起こしをして、代掻き、籾撒き、田植え、刈り取り。
日本人が、日本の風土に合わせて高め、完成させてきた稲作は、
一年のうち4ヶ月あまりをかけて恵みを得るための美しいシステムだ。

その流れの中で一つのポイントを握るのが「中干し」。
気温が高くなった7月の初め、1週間ほど水田の水をぬいて土を乾かすのだ。
これを行うと、水を求める稲の根がよく伸び、土の中の養分の吸収率がアップする。
成長を促す試練といったところか。
そして、再び水を張る時がくれば…「今日の一枚」、「ポンプ小屋」が稼働。
地下から水をくみ上げ、田圃へ供給するための水が勢いよく流れている。

正式には「住吉ポンプ場」だが、僕が子供のころは「ポンプ小屋」と呼ばれ、
恰好の遊び場だった。
当時は、手前に影が写るガードレールなどなく、奥の保育園は跡形もない。
辺りには人家すら見当たらず、まさに田んぼのど真ん中にポツンと建つ牧歌的な光景だった。

水流が急なため、親からは近寄ってはいけない危険地点と教えられていたが、
僕は畦道を走って「ポンプ小屋」へ向い、轟々と音を立てる中へ身を投じた。
ここでは、魚が取れたのだ。
今、思い返すとあれは「ヨシノボリ」だったのか?「アブラハヤ」だったのか?
あるいは「小鮒」だったのか?判然とはしない。
だが、獲物を追って、タモを握る手に力を込めた感触は覚えている。
入道雲が浮かぶ夏空の下で。
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