つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

上越高田。~男たちの趨勢と女たちの志。

2022年03月05日 23時39分39秒 | 旅行
                            
僕は今「新潟県・上越市」にいる。
石川県・津幡町からは車で片道2時間余り。
充分日帰り圏内だが、今月(2022/03)末までが賞味期限の「宿泊券」を手に入れ、
ビジネスホテルの一室に身を置き、こうしてキーボードを叩いているのだ。
---「新型コロナ オミクロン株」の感染は未だ収まっていない。
---「ウクライナ-ロシア戦争」の真っ最中。
何かと気が引ける要素はあるものの、せっかくのチケットを紙屑にするのは忍びなく、
前々から訪れてみたい場所もあり、ハンドルを握り参上した次第である。
よろしかったら、しばし旅の記録にお付き合いくださいませ。



【ときは一六一四年。時代は、豊臣家と徳川家の最終決戦を迎えようとしていました。
 徳川家康は、関東から北陸への出入り口にあたる越後頚城に、
 自らの息子・松平忠輝(ただてる)を置き、新たな城を築くことを命じたのです。
 高田城は、豊臣との最終決戦に臨む、
 家康の最後にして盤石の布石だったといえるでしょう。
 それから四〇〇年。城下町高田には、いくつもの浮き沈みがありました。
 また、多くの人びとがこの上越の地に生まれ、
 喜び、悲しみ、そして亡くなっていきました。
 この地に暮らした一人一人の人生を幾重にも紡ぎ合わせて、
 この土地の歴史はできているのです。】
(※【   】内、企画展「花の高田」ガイドブックより引用/抜粋)



松平→酒井→松平→幕府直轄→稲葉→戸田→松平→榊原。
何度も入れ替わる殿様たちを迎えてきた「高田城」は、2つの特徴を持つ。
1つは「天守閣がない」。
代わって象徴となるのが画像の3重3階の三重櫓(やぐら)だ。
もう1つは石垣ではなく「土塁を防壁とした」。
この理由は、対豊臣戦を見越した僅か4ヶ月の突貫工事のためと考えられている。



最上階の展望室からは「妙高山」をはじめ、高田の町並みが見渡せた。
往時の威容を今に伝える城構えを見学し、
あれこれと思いを巡らせるうち、時刻は13時過ぎ。
腹の虫に促された僕は城下に繰り出す。



目当ては“雪むろ酒かすラーメン”。
上越産の酒粕を使用する。
雪室(雪を茅や藁の屋根で覆った天然冷蔵庫)に貯蔵した食材を使用する。
発酵食品や上越産の野菜、魚介類等をトッピングに使用する。
そうルール付けられたご当地麺だ。
町中華「王華飯店」に落ち着き早速注文。
運ばれてきたのは、なかなか美しい一杯。



頚城酒造の酒粕を使った清湯スープに、味噌と豆乳。
上越産の唐辛子や山椒、甘えびオイルを加えた爽やかな辛さ。
チャーシューは鶏肉。レモンの酸味も効いている。
上品な酸辣湯麺といったところか。



旨いっす。
完食致しました。
腹ごしらえを済ませ、いよいよ今回の旅の本丸「瞽女(ごぜ)ミュージアム高田」へ。



【瞽女(ごぜ)とは目が不自由な女性で、
 各地を巡り、唄と三味線の演奏を披露する旅芸人です。
 昭和の高度経済成長期以前の、現代に比べて娯楽の少ない時代、
 農山村の人々にとって瞽女の巡業は数少ない楽しみの一つでした。】





【高田の雁木が続く界隈にはかつて瞽女の家があり、
 最盛期(明治半ば)には17軒89人が暮らしていました。
 瞽女の戒律はとても厳格なもので、弟子は親方の厳しい指導のもと芸を磨き、
 共同で規則正しい生活を送っていました。
 旅にあっては目が不自由なハンデを抱えながらも、
 およそ15キログラムにもなる重い荷物を背負い、
 互いに助け合い励まし合いながら毎年決まったルートを巡業しました。】
 


【瞽女ミュージアム高田は、瞽女の住まいの雰囲気を体感できる
 高田の雁木町家「麻屋高野」(昭和12年建造、国の登録有形文化財に登録)において、
 その姿を今に伝える写真や映像、瞽女を題材とした作品を多く残した
 斎藤真一画伯の絵画を展示するほか、
 資料の収集や瞽女文化を市内外に発信する活動を行っています。】
(※【   】内、上越市HPより引用/抜粋)

盲目というハンデを負ってしまった女性たちが自立・自活する営みは、
迫力と哀切、逞しさと健気がない交ぜになり胸に迫った。
「瞽女さん」についての個人的な感想は、
じっくり思考を重ねてから、回を改めて投稿したい。

---さて、前述の町中華も、ミュージアムも「雁木(がんぎ)通り」に軒を連ねる。
雁木とは、おもに冬季の通路を確保するため、
家屋の一部やひさしなどを延長したもので、豪雪地の生活の知恵だ。
高田地区に現存する雁木の総延長は、日本一だという。
そこで見かけた味のある風景のスナップを掲載して、今回は結びとする。






                     

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4 コメント

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Zhen様へ。 (りくすけ)
2022-03-10 19:08:26
コメントありがとうございます。

上越高田、なかなか味わい深い町でした。
再訪してもいいかなと考えています。
今年もコロナの為中止になりましたが、
瞽女ミュージアム高田では、
瞽女唄の演奏イベントを計画しています。
そのタイミングを狙おうと考えています。

ラーメンスープ完食、ちょっと無理しました。
写真の絵面を考え、頑張って飲み干しました。

Zhenさんのこそっと1泊旅行、
差し支えなければ、貴ブログにて、
拝見できれば幸いです。

では、また。
返信する
りくすけさんへ (Zhen)
2022-03-09 19:41:22
こんばんは

旅に出られたんですね、実は、僕も失効するポイントがあったので、こそっと1泊旅行に行きました。

高田には取引先があり、何度か行きましたが、クルマ、日帰りで、街の散策はできませんでした。

高田城三重櫓、凛として美しいと思いました。

雁木のある商店街も味があって、良いですね。

スープまで完食するりくすけさん、若いなぁ

では、また。
返信する
作業員様へ。 (りくすけ)
2022-03-06 22:12:19
コメントありがとうございます。

雪むろ酒かすラーメン、
味のバランスがよく、
身体もポカポカになりました。
もしまだ食べていないのなら、
おススメです。

では、また。
返信する
お邪魔しま~す (作業員)
2022-03-06 12:48:44
さすが上越は雪深いですねー
そこで食す「雪むろ酒かすラーメン」
なんとも素晴らしい!!
これは温まりそうです(^^)
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