つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

津幡の街角で甦る銀幕の思い出。

2012年04月23日 06時35分58秒 | 日記
ある休日の朝、僕はいつものように散歩を楽しんでいた。
空はほんの少し霞がかかった春らしい青。
見上げると、刷いたような薄い高層雲。
降り注ぐ暖かな光は、やがて地に伏し、僕の影が浮かび上がる。
その横には、小刻みに動くもう一つの小さなシルエット。
愛犬の「りくすけ」だ。
まだ、街は目覚めたばかりである。

…とそこに突如、静寂を突き破る男たちの声。
同時に、固い靴でアスファルトを蹴る音もする。
一定のリズムで規則正しく掛け合いをしながら、集団で走っているらしい。
発生源に近づいてみたところ…「今日の一枚」。
訓練に打ち込む津幡町消防署員の皆さんだ。
緊急時に備え、余念がない。
頭が下がる思いで眺めているうち、僕は一本の映画を思い出した。

それは「愛と青春の旅立ち」。
海軍士官学校の新入生と、町工場の娘とのロマンスを軸にした青春映画。
卒業式で帽子を投げるシーン。
卒業と同時に少尉となった候補生と、彼等をシゴいた鬼軍曹の別れのシーン。
ラストのお姫様抱っこ…など、幾つかのいい場面があるが、
僕は候補生と教官が独特のコール&レスポンスしながら、
海岸を走るシーンをよく覚えている。
音符に続く(    )なし部分が教官、(    )あり部分が候補生だ。

♪とーちゃん、かーちゃん、寝ていたら~(とーちゃん、かーちゃん、寝ていたら~)
 かーちゃん今夜も、おねだりだ~(かーちゃん今夜も、おねだりだ~)
♪おいらは南部の種馬さ~(おいらは南部の種馬さ~)
  白でも黒でもドンとこい(白でも黒でもドンとこい)
  毎晩せっせとエクスタシー~(毎晩せっせとエクスタシー~)

…文言はうろ覚え。こんな感じだった気がする。 
勿論、津幡町消防署員の掛け声はいたってクリーンだが、
掛け合いしながら走る様子が、僕の眠っていた記憶を刺激した。

ところで、映画の日本での公開は1982年(昭和57年)。
500円硬貨が発行され、日本の工場で世界初のCDが誕生。
ベストセラーは「黒柳徹子」の「窓際のトットちゃん」。
「マイケル・ジャクソン」の「スリラー」がリリースされた年である。
振り返ってみると、当時の洋画の邦題は「愛○○○」や「恋○○○」が多い。

「An Officer and a Gentleman」⇒「愛と青春の旅立ち」
「Gorillas in the Mist」⇒「愛は霧のかなたに」
「LES UNS ET LES AUTRES」(あの人も、この人も)⇒「愛と哀しみのボレロ」
「Out of Africa」⇒「愛と哀しみの果て」
「When Harry Met Sally」⇒「恋人たちの予感」
「Some kind of Wonderful」⇒「恋しくて」
「Forces of Natures」⇒「恋は嵐のように」
…原形を留めていないものもある。
大きな食い違いについては賛否両論あるだろう。
しかし、時代を映す鏡として味わい深い。

久しぶりに主題歌でも聞いてみるか。
「ジョー・コッカー&ジェニファー・ウォーンズ」の歌う曲の邦題は、
映画と同じ「愛と青春の旅立ち」。
オリジナルタイトルは「Up Where We Belong」である。
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