つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

津幡短信vol.104. ~ 令和四年 晩夏 。

2022年08月27日 17時07分07秒 | 津幡短信。
                            
もう空は秋の装いだ。



今朝、津幡町上空に広がるのは高積雲(こうせきうん)。
別名「ひつじ雲」。
雲片が大きく厚みがあり、バリエーションも多い。
その下、晩夏の地上では着々と実りの準備が進んでいる。

【銀杏。】



扇形の葉に隠れて、丸々と太ったイチョウの種子。
銀杏は秋の季語である。
イチョウには雄木と雌木があり、銀杏ができるのは雌木。
鼻を近づけると早くも匂いがした。
食用となる内部の胚乳が熟すのは、もう間もなく。
9月頃~11月半ば頃までが収穫期だ。

【柿。】



柿は梅雨どきに目立たない花を咲かせ、その後に実をつける。
まだ熟す前の「青柿」は初夏の季語だ。
これが色づくと秋の季語になり、
更に「干し柿」や「吊るし柿」は冬の季語に変化。
それだけ日本人に馴染みが深く長い証だ。
だが、上掲画像のような青と朱赤が同居する場合は、いつ時分を指すのだろうか?
--- ふむ、やはり晩夏が相応しいかもしれない。
               
【瓜。】



とある民家の塀の上。
実に立派なマクワ瓜が乗っかっていた。
先ほどの柿と同様、マクワ瓜も日本では古くから親しまれてきた食材の一つ。
縄文時代からの付き合いになるそうだ。
ウリ科キュウリ属の果実で、
美濃国・真桑村(現在の岐阜県・本巣市)で生産が盛んだったため、
その地名から名前が付いたと聞く。

正直、最近はあまり口にする機会はないが、昔は割合食べた。
よく冷やして、真ん中から包丁で真っ二つ。
ワタ(種)をかき出して齧り付くと、ほのかに青臭く甘い味が口に広がる。
僕にとっては“テイスト・オブ・昭和”と言っていいかもしれない。
ちなみにプリンスメロンは、マクワ瓜の交配種である。

【稲。】



秋の実りの白眉は、やはり稲だろう。
一昔前に比べれば、その成長は早くなった。
何しろ品種によっては、もう新米が店頭に並んでいるのだ。
炎天、高温、多雨と一筋縄ではいかない夏を乗り越えた実りは、
人と自然が力を合わせて作り上げたものだ。
愛犬「りくすけ」も新米を食べるのを楽しみにしている。



【秋祭り。】



津幡町の「白鳥神社」境内で撮影した一枚。
画面上部手前から奥の鳥居へ向かい、裸電球が釣り下がっているのが分かるだろうか。
旧盆を過ぎてから、ここで夜な夜な「棒振り」の稽古が行われているのだ。
今年、3年ぶりに開催となる「秋祭り」のためだ。

毎年9月中旬、中心部の津幡四町(清水、庄、津幡、加賀爪)では、
祭り当日は、早朝から大きな獅子が街を練り歩く。
玄関先に祭りの幕や提灯が飾られた家々の前で「舞」を披露。
その報酬として花代(ご祝儀)をふるまう。
夏の終わりと秋の始まりを分ける催しだ。

感染症により短くない空白期間があった。
何かと苦労も多いと思うが、催行の無事を祈る。
                         
<津幡短信 vol.104>
                    

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