汚れつちまつた悲しみに
今日も小雪の降りかかる
汚れつちまつた悲しみに
今日も風さへ吹きすぎる
明治40年(1907年)山口県に生まれ、
昭和13年(1938年)30歳で夭折した詩人「中原中也(なかはら・ちゅうや)」。
その代表作と言っていい「汚れっちまった悲しみに」は、
処女詩集『山羊の歌』(昭和9年出版)に収録。
一行毎に同じフレーズを繰り返す4連16行。
リズミカルな構成は覚えやすく、心に残る。
今朝、小雪チラつく街中を散歩しながら首をすくめつつ、つい口ずさんでしまったのは、
何も寒さのせいだけじゃないかもしれない。
本日(2022/01/29)、 全国で8万5000人あまり。
石川県内では400人弱が新たに新型コロナに感染した。
おとといから県下全域が「まん延防止等重点措置」の対象となり、
上掲画像、料理旅館「勝崎館」をはじめ多くの飲食店が影響を受けている。
積雪は少ないものの、北陸らしい冬の曇天の下を歩いていると、
薄ら寒い気分になってしまうのである。
汚れつちまつた悲しみに
いたいたしくも怖気づき
汚れつちまつた悲しみに
なすところもなく日は暮れる
---「中原中也」は、そう締めくくるのだが、
恰好いいペシミストになれない俗物の僕は、深淵に落ち込めず美を探す。
冬桜は、ヤマザクラとマメザクラが自然に交配してできたとか。
この時期のそれは、まさに「眼福」。
更に「香福」でもある。
顔を近づけたら、微かに春の匂いがした。
用水路に佇むコサギ。
首が長く、脚、くちばしも長い。
海岸、河川、湖沼、田んぼなど浅い水辺で餌を捕る。
小魚、エビ、カニ、ザリガニ、貝類、水棲昆虫類などがターゲット。
真白な羽毛はよく目立つ。
凛々しく美しい。
人に慣れているわけではないが、人の生活空間に寄り添って生きているようだ。
町中心部「おやど橋」のタブノキ。
加賀藩の参勤交代行列で先鋒を務めた
「髭奴(ひげやっこ)」の像を覆い隠す枝葉は実に逞しく美しい。
樹齢数百年を誇ると言われる常緑樹は、寒空の下で花の準備を始めていた。
決して多作とは言えない中原中也で、
一年の1/3を費やすとは。
なかなかの強者と見ます(笑)
確か以前はメッカ巡礼の旅を熱く語った
ヒッタイト先生の思い出もありましたね。
学校の先生に個性派は珍しくありませんでしたが、
最近の教育現場はどんな感じなんでしょう?
今時、趣味性の強い授業は許されない気もします。
かつては大らかでしたね。
中原中也の詩集は、今も時折読み返します。
言葉選び、構成の良さが目を引きますね。
では、また。
中原中也、懐かしいです。
僕の高校時代の現代国語の教師の専門が、中原中也研究でした。1年の1/3程度が、中原中也の詩のバックボーン解説で費やされました。進学組の父兄からは、クレームの嵐でしたが、今となっては、良い思い出です。
用水路に佇むコサギは、詩、そのもののイメージですね。
では、また。