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つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

昭和のブラウンシュガー。~ ダッコちゃん人形。

2018年07月10日 22時15分03秒 | 手すさびにて候。
ほんの手すさび、手慰み。
不定期イラスト連載・第八十八弾は「ダッコちゃんと少女」。

僕が生後間もない当時のスナップ、
紙焼きの白黒写真には「黒いビニール人形」が写っている。
昭和35年(1960年)に発売された「ダッコちゃん」だ。

手足が輪っか状になっていて、腕などに抱きつくようにぶら下げるのが大流行。
発売初年で240万個が出荷された。
単価180円×240万個=4億3千200万円。
当時の貨幣価値が現在の1/4程度とすれば、ヒットの大規模さが分かる。
終戦後わずか15年の出来事だ。
海水浴のビーチ、買い物中のデパート、子供たちが遊ぶ空地…。
あらゆるシーンに進出したダッコちゃんだったが、まもなく熱狂は沈静化。
文字通り「ブーム」としての役割を終えた。

製造元の「宝ビニール工業所」は、社標をダッコちゃん仕様に変更。
ブームの遺産を礎に、やがて総合玩具メーカーへと歩みを進める。
しかし「ダッコちゃん≒黒人蔑視」との意見から、昭和63年(1988年)に販売中止。
平成に入り「ダッコちゃんマーク」は廃止された。

思えば、他にも「昭和で消えた黒い肌」がある。
幾つか集めてみた。
往時を懐かしんでもらえれば幸いである。

さて、今回の投稿タイトルは「ザ・ローリング・ストーンズ」のヒット曲、
「BROWN SUGAR」に由来する。

Gold coast slave ship bound for cotton fields,
ガーナの黄金海岸を出た奴隷船は、一路、綿花畑へ。
Sold in a market down in new orleans
ニューオーリンズの市場で荷を下ろす。
Scarred old slaver know he's doin alright
待ち構えているのは、あばた面の老いた奴隷商人。
Hear him whip the women just around midnight
夜な夜な、そいつが女奴隷にムチ打つ音が聞こえてくる。
Brown sugar how come you taste so good
ブラウンシュガー お前はやっぱり最高だ。
Brown sugar just like a young girl should
ブラウンシュガー まったく若い女は堪らねえ。
(※作詞・作曲:ジャガー=リチャーズ / 意訳:りくすけ)

ブリティッシュロックの有名曲は、重層的な意味を持つ。
@過去の奴隷制度にメスを入れ、人種差別を浮き彫りにしたプロテストソングである。
@演者達のルーツ、ブラックミュージックの過酷な歴史に捧げた花束である。
@人種差別主義者のプロパガンダである。
@Brown sugarは「ヘロイン」の俗語でもあり、サイケ文化の象徴である。
…複数の受け取り方が出来る「問題作」だ。
世界中でヒットしたのはご存知の通り。
だが、もしも、リリースのタイミングが30年ほどズレていたら、
陽の目を見ることはなかったかもしれない。

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