六甲1号の出撃にっき

撮影ロケの出撃模様のほか、日々の雑感なんかも綴ったものです。

鉄道「旅」の衰退

2021-02-05 | 交通その他
 .鉄道の「旅」の衰退へ
 全国に何系統もあった夜行快速列車〔ムーンライト〇〇〕のシリーズですが、ながらの廃止をもって全てがなくなってしまいました。
 これまでに運転された主な列車・車両は、(赤字は乗車済み)
 ムーンライトながら 東京ー大垣 373・189・185系など →大垣夜行の生まれ変わり
 ムーンライト九州  京都ー博多 14系シュプール号タイプ
 ムーンライト山陽  京都-下関   同上 その後12系
 ムーンライト八重垣 京都ー出雲市 14系(寝台車あり)  
 ムーンライト松山・高知 京都ー松山・高知 14系+12系改造車
 ムーンライト信州  新宿ー白馬 183・189系  →夜行急行アルプス&中央夜行の生まれ変わり
 ムーンライトえちご 新宿ー新潟(村上) 165系・485系 →長岡夜行の生まれ変わり
 ムーンライト仙台・東京 東京-仙台 583系  その後はゲレンデ蔵王として団体列車として運行
 ミッドナイト    函館ー札幌  キハ56・27型  →函館夜行・急行すずらんの生まれ変わり
  名前は違うが北海道の快速ミッドナイトも同様の仲間と見る事ができるでしょう。

 関西と九州を結んでいた〔ムーンライト九州〕 最盛期は8両編成で運転されていた 2006年撮影

 このような列車は、お金はないが時間はある若者を中心に人気を博し、目的地は持たずに、とりあえずこの夜行列車に乗って、西を目指そう・北を目指そう、細かい行き先は着いてから考えよう的な自由な旅が出来たので、このような列車に乗ったことをきっかけにして、旅行を趣味にする人を育んでいった存在となる列車でしたが、これを辞めてしまう事は自らの首を絞めるようなもんです。

 .後向きで消極的な鉄道経営
 国鉄改革は、①赤字の解消 ②左翼組合潰し ③株式・資産売却益の独占 を3大目的として断行されましたが、②③の目的達成のために、NTTとは違い、最初から分割ありきで行われたため、当初から指摘されていたテリトリー思考が強く、JR会社間を跨ぐ直通列車は次々と廃止されていきました。
 また、保有車両の独自仕様化に伴い、そもそも他社線区への乗り入れ自体が不可能になったことから、臨時列車の運転もできなくなり、修学旅行をはじめ、甲子園や宗教団体の臨時列車もほとんど運行できなくなりました。これは本来鉄道が持つている、高速・一括・大量輸送という特徴が見事なまでに失われたものでした。

 縮小傾向が続く鉄道に対して2000年ごろから台頭してきたのが都市間高速バス輸送。昼間は40人、夜行は30人程度の小口の輸送で採算が採れることから、全国で雨後のタケノコのように次々と路線が生まれてては、一部撤退を繰り返しながらも現在に至っています。最初の安かろう悪かろうの窮屈なバスからは3列シート・ブランケット・電源コンセント付きというサービスが好評を博し、スマホの一般化が始まった2010年頃からは、更に夜行列車離れが加速しました。
 夜行列車離れに全く手をこまねいていたわけではなく、JR東日本の一部の支社では「ごろんとシート」などを導入してバスでは絶対に無理な”寝れる座席”で対抗策を出していましたが、結局一部の列車だけに終わりました。

 私も名古屋-東京、大阪ー広島などの中距離移動時は、3列独立リクライニング・室内消灯・電源コンセント付きの高速バス利用が多くなりました。

 前述のムーンライトながらは、373・183系時代は室内の灯かりを暗くする減光が行われていたのですが、185系になってからは減光しなくなったとのこと。これでは夜間は寝たいという人にとっては全く選択肢に入らず、一部の夜通し騒いでたい若者と、余分な金は出したくない乞食きっぱーだけの列車と化してしまい、一般の鉄道ファンすら敬遠する列車となってしまったわけです。

 185系の廃車に伴い、関東圏での団体・修学旅行などの波動輸送用の車両は、2000番台に未改造のE257系ぐらいしか残っておらず、この車両がJR会社界を超えて静岡以西に入ってくる事はまず無いでしょうから(伊豆箱根鉄道乗り入れ用のE257-2000番代がJR東海区間での乗務員訓練のために静岡運転所まで入線実績はある)、大垣まで来ることは望み薄ですね。
 こうして設備上のハンディーを列車が追う事になり、JRが意識を変えて資本投入することも無いようなので、ますます鉄道は陳腐なものになっていきます。

 .列車の運行をしたくない、副業で稼ぎたいJR
                   「九州には大きな鉄道会社が無いんよ。」
 「えっ、JR九州があるじゃない?」 「あぁ、あれは不動産会社やね。」
 「それじゃぁ西鉄は?」   「あれはバス会社」(西鉄は神奈中とバス台数日本一を争っています)

 こういう皮肉たっぷりな会話もありますが、ジリ貧の鉄道業の経営に力を入れるよりも、不動産で稼ぎたいという意図で、列車の運行本数をどんどん削って、不便になっていくのが九州地方の例です。そこまでではないですが、効率化という呪文を唱えるがごとく、とにかく列車の運転区間を短くすれば効率化できるとばかりに、列車の運転区間を極限まで短くしようと行われています。
 
 その結果、特定駅を挟んでの乗り換えが大幅に増え、結局乗り換えた後の列車では座れなかったりと、不便極まりない状況が広がっています。
 その典型例が静岡地獄・東北地獄・815系地獄(熊本・大分近郊)などに加え、長野・新潟なども地獄と化してきました。幸い何度か乗ったE129系では割とクロスシートに座れていますが。
 こうして何が何でも効率化を押し通した挙句、旅行客は在来線から新幹線に乗り換えてくれるのではなく、鉄道から高速バスやフェリー・LCCにシフトしたり、或いは旅そのものをやめる(回数が減る)といった自滅に向かっているのではないでしょうか? もうJR各社は通勤通学輸送以外は行わない方針でしょうね。(一部超豪華な企画列車がありますが)
 確かに駅の敷地を有効活用するために、テナント事業に力を入れるのはある意味当然でしょうが、元々持っていなかった土地にまで手を出して住宅事業に勤しむのは本末転倒ではないかと、その不動産が負の動産になってしまえば経営に響きかねない代物になるリスクもあります。

 私も先述の地方遠征に行く場合の、関東・中国方面の高速バス利用の他に、北東北などの遠距離であれば自動車、四国・九州のように航路が使える地域はフェリーも利用など、値段や快適さなどで使い分けて(LCCはスカイマーク以外は座席間隔が狭いので使いませんが)乗るようになりました。そして地方遠征の回数自体も減ってしまっています。このブログのタイトルから「出撃」の2文字が消える恐れすら懸念があります。

 WEB割引を使えば 神戸ー北九州が片道 7,000円で個室寝台に乗れるフェリーも魅力。(但し新造船に置き換えでなくなるかも)

 ムーンライトながら廃止のニュースが出た直後に東洋経済オンラインに、まさにそうだと言わんばかりの意見が書いてあったので、そのリンクを張っておきます。
「ムーンライトながら」違和感大ありの廃止理由 利用客に「行動様式の変化」を促したのは誰だ
 北斗星やトワイライトエクスプレスの廃止の時も「車両の老朽化」という言い訳で廃止にしていましたが、客に乗ってもらおうとする努力をしたくない気がモロバレて呆れてしまいます。
 
 さて緊急事態宣言の解除が前倒しで行われるかは微妙ですが、その後の3月13日のダイヤ改正までに、どこかへ出掛けるかとても微妙です。
 2月は代休絡みの実質4連休が2回もあるのですが、家で巣ごもり生活。こんな生活様式に慣れてしまうと、5月ぐらいにワクチン接種が開始されても、どれほど旅行に出掛けるだろうか・・・と、先日の記事に続いてちょっと愚痴を書いてみました。
コメント
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