リーメンシュナイダーを歩く 

ドイツ後期ゴシックの彫刻家リーメンシュナイダーたちの作品を訪ねて歩いた記録をドイツの友人との交流を交えて書いていく。

199. 日本自費出版文化賞 授賞式

2019年12月16日 | 日記

▶日本自費出版文化賞の授賞式に出席してきました。

 

◆12月15日は、ふた月遅れの日本自費出版文化賞 授賞式でした。

 私は今年、「祈りの彫刻 リーメンシュナイダー三部作」でグラフィック部門特別賞をいただき、昨日、授賞式に行ってきました。
  もともとこの授賞式は10月13日に行われる予定でしたが、大型台風で参加が難しい方も多く出たため延期となっていたのです。12月15日はリーメンシュナイダー写真展を終えたあとですので体調が気掛かりではありましたが、せっかくの機会なので参加することに決め、5分間スピーチにも挑戦してきました。

 今年はスクリーンに画像を出していただけるという連絡がありましたので、「祈りの彫刻シリーズ」の表紙を3冊分、表と裏と30秒ずつ出していただくようにお願いしました。これで3分間。続いてアムステルダムの「受胎告知」、クリーヴランドの「ヒエロニムスとライオン」を出していただき、合計4分。その中でアマチュア写真家のヨハネス・ペッチュからいただいた写真、クレークリンゲンのヘルゴット教会のマリア祭壇の話、写真集1冊目はヨハネスと娘の奈々子が写した写真で、当時日本にはなかった初めてのリーメンシュナイダー写真集を作ったこと、2、3冊目は自分で撮りためた写真を載せたこと、この20年間で自分で調査したドイツ国内406点の作品中約95%を見て回ったこと、3冊目にはリーメンシュナイダーと同時代の作家たちの写真も載せたことなど話していたら終了のベルが鳴りました。最後に「同時代の作家たちのもっと面白い写真も溜まっているので来年4冊目の写真集を作ります。自費出版で!」と締めくくりました。数秒オーバーだったでしょうか。席に戻ってしばらくは汗が止まりませんでした。


 他の方々のお話もどれも興味深かったのですが、特に大賞を受賞された写真集「NO NUKES ビキニの海は忘れない」の著者、岡村啓佐さんの話には深く共感しました。第五福竜丸以外の漁船も1000隻近く被ばくしていたこと、それを政府が長いこと隠していたこと、秘密条約で被ばくの補償額が大きく削られたこと、現在被ばくした方々の裁判支援をしながら撮影を続けておられることなどのあとに、日本政府が核兵器禁止条約を批准するまでがんばりたいと話されました。こうした社会的意義の大きな作品が大賞を受けることに自費出版文化賞の意味があると思いました。

※メモもせずに記憶した範囲で書きましたが、もしかしたら記憶違いがあるかもしれないことをお断りしておきます。

 

 自費出版文化賞の審査員には以前出版社で「売れる本」の編集を長年やっていた方々がいらっしゃいますが、揃って「売れる本を作らなければならないというのがストレスだった」と語られ、自費出版の一番の目的は「語りたいこと、訴えたいことがあって自腹を切ってでも作る本なのであり、売れるかどうかではない」ことが大変「気持ちが良い」とのことでした。そうだろうなぁと思いました。私も数社に掛け合って、どこも出してくれないのでリーメンシュナイダーの魅力を少しでも日本に広めたい、そのためには自分で写真集を作るしかないと思い定め、3冊も出してしまったのですから、老後の資金は相当減り続けています。でも、後悔はしていません。私の後半生はリーメンシュナイダーに捧げてできるところまで追いかけ続けますが、そうした道程の中でも同時代の彫刻家たちの魅力にも目覚め、取材を助けてくれる多くの友人、知人ができて彼らとの交流も人生をとても豊にしてくれていると実感しているからです。そんなことを振り返る良い機会となりました。

 

 ◆リーメンシュナイダー仲間を一人発見

  最初に授賞式があり、スピーチが始まる前に10分強の休憩があったのですが、何とお隣に座っていた瀧沢敬三さんから声をかけられ、彼もドイツを旅した記録を「西方見聞録 ー西ドイツ一周研究旅行・全記録1964.2.24-10.9」として自費出版、今回入選していたのでした。その旅で多くのリーメンシュナイダーをご覧になったそうです。リーメンシュナイダーの作品は遠くから呼びかけてくると仰っていて、これは先週終わったリーメンシュナイダー写真展に見えた方と合わせても、最長のリーメンシュナイダーファンのお一人と見受けられました。計算すると今現在でファン歴55年!? 20年の私から見たら大先輩ですね。私のスピーチ場面もスマホをお渡しして写していただいたのですが、どうしてもスマホから写真を取り出すことができず(^_^;)、ここにアップできません。でも瀧沢さんのスマホでも写してくださっていてご自身の見聞録と写真も送ってくださると仰っていたので、届いたらアップさせていただきます。集合写真はNPO日本自費出版ネットワークに近々アップされると思いますのでご覧ください。

ようやくアップできました。授賞式のスピーチをしている写真です。2枚とも瀧沢敬三さん撮影。

 

 最後に、富士フイルムグローバルグラフィックシステムズ株式会社からいただいた特別賞の記念品は、蒔絵のボールペンでした。美しい蒔絵が入った赤・黒・シャープペンシルの3本立てという機能的なペンです。大事に使わせていただきたいと思っています。ありがとうございました。

すてきな記念品でした。

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