2月末から降り出した雨は、3週間毎日降ったり止んだり、その間嵐が3回もやってきて、大西洋に面した海岸線は高さ9メーターもの高波で崖が削り取られて大被害をもたらしている。
南部の海岸線では竜巻が2本襲ってジプシーの掘立小屋が吹き飛ばされ、100人もの人たちがホームレスになったという。今まで干ばつで心配していた貯水池は満々と水を貯め、国民感情としては ’神様もう十分です。’
タヴィラの我がキャンプサイトでは、雨で喜んでいたのは向かいのフランス人・ハッピーウィスラーだけ。激しい雨の中で口笛を吹きながらキャンパーの屋根を磨いている変な人。
真夏の警察官用のテント地には天幕が張り巡らされていて、直射日光を防いでいる。この天幕も直射日光にさらされていると2-3年で弱くなってしまい、おまけに3週間ほとんど毎日強風にあおられてボロボロに破れ垂れ下がってしまった。見るも無惨!!!
2月末からキャンプサイトの体操仲間がどんどん帰国していき、今では5人になってしまった。
隣のフランス人もその一人。彼らはこの地に滞在中は小型車をレンタルしていて、オルガニック農家へオレンジを買いに行っていた。彼らの帰国二日前に初めて10㎏で5ユーロのオレンジを買ってきてもらった。このオレンジが皮は薄くて果汁が豊富、スーパーのオレンジなど目ではない。
3週間のうちただ1日だけ雨の降らなかった日に、サイトから北の山へ行った。例年なら3月に入ると山中花盛りのはずが、今年は寒くてほとんど咲いていない。
咲き出したばかりのラヴェンダーを摘んで二日後に帰国する友達へのプレゼント。
この3か月ほど隣同士で生活したフランス人の愛犬。雨の日も嵐の日にもこの犬と真っ黒のパグを連れて散歩に行っていた。子豚のようにコロコロ太って人懐こい。
NHKのテレビでオリーヴの葉のお茶が体に良いことを知り、インターネットでその効用を確かめた。それで、サイトの隣の広大なオリーヴ畑へ葉を摘みに行った。3月のこの時期にはオリーヴの枝は剪定されて来季の収穫のため手入れされるはず、ところがこのオリーヴ畑はまだ手入れされていない。
葉を袋いっぱいに摘んで足元を見てやっと気が付いた。草むらのあちこちにランの花が咲いている。翌日カメラをもって歩き回り、4種の花を見つけた。どれも高さ10センチ前後、花の色も黄色以外は目立たず、よほど注意してみなければ踏みつけてしまいそうになる。
今年は遅い春が確実に近づいてきた。
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